「銭湯で男女入り乱れ」北朝鮮高校生らの禁断の行為
最近、北朝鮮の薬物汚染が深刻化しているとの内部情報が継続的に入ってくる。今年、その中でも最もショッキングだったのはこの事件だ。
北朝鮮には、一般人が気軽に利用できるような宿泊施設が存在しない。行商や出張で来た人は「待機宿泊」などと呼ばれる民泊を利用する。それ以外にも、トンジュ(金主、ニューリッチ)が経営するスーパー銭湯の個室を利用する場合もある。
北朝鮮第2の都市、咸興(ハムン)市内にもスパ銭が存在する。ここの個室は、他地方からやって来た人より、地元の人が使うことが多いが、そこで起きた出来事が市民に衝撃を与えた。咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
事件が起きたのは6月2日のことだ。市内のスパ銭に高級中学校(高校)の男子生徒3人、女子生徒3人が入っていった。「銭湯」だけあって、夫婦である証明書を提示しない限りは、個室と言えども男女が一緒に利用することはできない。ところが、このグループは堂々と男女で入っていった。
彼らは、責任者に1万5000北朝鮮ウォン(約270円)の入湯料以外にも、なんと70ドル(約1万1000円)ものワイロを掴ませたのだ。そして、午後3時から2時間、浴場全体を貸し切って、性行為に及んでいたのだった。
昨今の経済難の影響か、客が減って苦しい経営を強いられていた責任者は、彼らの提案を断りきれなかったようだ。
富裕層のドラ息子連中の単なる「イケない秘密の遊び」だったはずのこの一件だが、咸興市安全部(警察署)の知るところとなった。6人のうち1人が友達に自慢し、噂を耳にした人が安全部に通報したのだ。
安全部は同月8日、スパ銭を急襲し、帳簿のチェックなどの検閲(監査)を行った。そして、責任者を連行して厳しく取り調べた。
(参考記事:北朝鮮女性を追いつめる「太さ7センチ」の残虐行為)
一方の生徒6人だが、安全部の取り調べの結果、浴場の中でピンドゥ(覚せい剤)を使用しながらスワッピングに及んでいたことが明らかになった。
6人の親たちは、躾がなっていなかったことを暴露され、顔を上げて表を歩けないほどに追い込まれてしまった。また、高校の担任教師も、咸興市の教育部に毎日呼び出され、生徒指導がなっていなかったと批判書を書かされた。
(参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち)
6人の高校生は公開暴露の集いに参加させられた。壇上に立たされ自己批判を強いられた後に、いろいろな人に代わる代わる批判を浴びせ続けられる「恐怖の吊し上げ」だ。
情報筋は、「ここ(北朝鮮)には『男女七歳にして席を同じくせず』という言葉はあるが、生徒に性について教えていないため、こんなことがしばしば起きる。他の生徒たちにも大きな影響があるため、家庭での躾、学校での教育が切実に求められている」と語っていた。
親の世代とは異なり、今の北朝鮮の高校生は、中身が正確か否かは別にして、性に関する様々な知識を持っている。「結婚するまでは純血を守るべき」などと言った旧態依然とした道徳教育では、生徒たちを説得できまい。
むしろ、関係を持つことを前提にして性感染症、性暴力などを未然に防ぐための性教育を行うべきであるところだが、コンドームすら使えない状況で、まともな性教育など期待できないだろう。
そもそも、大人がサウナやスパ銭を不倫の場所として使い、若者に手本を示せていないのに、どんな教育をしたところで何も変わらないのかも知れない。
(参考記事:金正恩も止められない「サウナ不倫」に庶民の怒り)