昭和天皇も味わった逸品も。売り切れ必至の“東京三大豆大福”を求めて都内を巡る
●東京三大豆大福とは? 人気の豆大福を買いに泉岳寺『松島屋』、原宿『瑞穂』、護国寺『群林堂』を買いに歩く都内巡りの楽しさ。
東京には“東京三大豆大福”と呼ばれる大福があるのをご存知ですか? 午前中に売り切れてしまったり、行列に並ばないと買えない店もあるほどの人気だとか。
それが泉岳寺の『松島屋』、原宿の『瑞穂』、護国寺の『群林堂』です。今回はこの3種の大福を求めて、そう今日から東京巡りに出かけてみました。
昭和天皇も召し上がった泉岳寺にある『松島屋』の逸品とは?
都営浅草線・京急線の泉岳寺駅より徒歩7分ほどの場所にあり、どこか昔懐かしい店構えの『松島屋』。100年以上の歴史があります。
前を通る度、角を曲がっても続く長蛇の列で気になっていたのですが、冷たい雨が降る平日の午前中に行ったら、するりと入ることができました。店員さんに「今日は空いているんですね」と伺うと、「さっきまで行列でした」とのこと。この幸運に今後の運を全て使い果たしたのではないかと不安になりつつ購入しました。
3店舗の中では最安値で1番小ぶりに見えますが、ころんとした丸い大福の中に、私たちの舌と心を掴んで離さない魅力が詰まっています。
たっぷり詰まった粒あんは、塩気もあり食べやすい。赤えんどう豆はホクホク、もちもちのおもちに口元がゆるみます。全ての素材のバランスが絶妙で、多くのファンがいること、昭和天皇御用達であったことに頷ける味。どれだけ並んで待つことになっても食べたい豆大福です。
●SHOP INFO
店名:松島屋
住:東京都港区高輪1-5-25
営:9:30〜15:00(売り切れ次第)
休:日曜、月曜(隔週)
これぞ極上和スイーツ! 原宿『瑞穂』の名物をいただく
JR原宿駅から徒歩7分ほど、表参道の大通りから横道に入って行くと、若者や観光客が集う向原宿の空気が一変し、昔ながらの和菓子屋が現れました。
前に並ぶ2人連れのマダムたちが、「今ここですぐ食べてしまいたい」「楽しみだわ」と笑顔で話している雰囲気から、本当にこの豆大福が好きなのだと伝わってきました。
3店舗の中で1番大きく感じる「名物豆大福」は、ビニールの袋越しにさわってもふわふわ。押すとあんこがはみ出たり、変形してしまうほどやわらかいのです。バラ売りを購入しても紙袋に入れて渡してくれましたが、持ち運ぶ際は潰れないように気をつけてくださいね。
やわらかいもちに包まれているのは、なめらかなこしあん。口の中でとろけるあんともちのやわらかさと甘さ、ほろほろとした豆にうっとり。食べ物を飲み物と言う人がいますが、まさにその感覚。食後のデザートに少しお腹がいっぱいでもするりと胃の中に消えていく不思議な大福でした。
●SHOP INFO
店名:瑞穂
住:東京都渋谷区神宮前6-8-7
営:9:00〜売り切れ次第
休:日曜、月曜
護国寺駅近の老舗和菓子屋『群林堂』へ
有楽町線護国寺駅から目と鼻の先にあるのが、大正時代に創業した歴史ある和菓子屋『群林堂』。昼に訪れたら、行列もなく購入することができました。
丸く高さがあり打ち粉がたっぷりかけられた姿からでも大量に豆が入っているとわかり期待に胸が膨らみます。
黒ぐろと照り輝く、粒あんが美しい。皮もあんもコシがあり、豆のうまみも感じられ、食べ応えがあります。それぞれの素材の味が自己主張をしながら高め合う逸品。コクのある甘さに、濃いお茶が飲みたくなりました。
●SHOP INFO
店名:群林堂
住:東京都文京区音羽2-1-2
営:9:30〜17:00
休:日曜、月曜
甲乙つけがたい美味しさに、また食べたくなる
赤エンドウ豆が入った白いもちにあんこが包まれた人気の和菓子、豆大福。ただそれだけと言ってしまえばおしまいですが、どこでも同じとは言えないほど個性たっぷりの逸品揃い。あんこ、豆、もち、それぞれに店ごとのこだわりがあり、唯一無二の存在です。
それぞれの店舗は電車で約30分以内で行ける距離にあります。午前中の開店時間を狙って回れば、1日で3店舗を巡ることができますよ。東京の名物和菓子を巡る旅は、甘味好きにも町さんぽ好きにも至福の時間になることでしょう。
(撮影・文◎乃々)