自販機オペレーター業界をリードするナショナル・ベンディング株式会社(代表:藤山雄一郎)。独立系ならではの強みと新規事業参入のストーリー
ナショナル・ベンディング株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役社長:藤山雄一郎)は、自販機オペレーター業界のパイオニア企業です。関東一円の一般企業やホテル、病院、官公庁などを中心に、全国に取引先を拡大しています。
自販機オペレーター業以外の事業に参入するなど、多角的な経営手腕も発揮している藤山雄一郎社長に自社の理念や事業の強み、新規事業参入の経緯などについてお話いただきました。
お客様の福利厚生を担う
ナショナル・ベンディングは1963年1月、旧日東レイヨン(現・三菱レイヨン)の副社長も務めた祖父の藤山洋吉が創業しました。祖父の兄は大日本精糖(現・大日本明治製糖)を中心とした旧藤山財閥の2代目で、衆議院議員として外務大臣や経済企画庁長官などを歴任した人物です。
私自身は米国の大学で経営管理学を学んだ後、常務取締役などを経て社長に就任しました。飲料メーカーに属さない独立したオペレーターである当社が、創業から60年余りを経た中でも業界のパイオニアとして事業を継続できているのは、グローバルな環境下で有用な経営知識を習得できた経験が大きいと心から感謝しています。
現場に即したビジネスを展開する上で、私が大切にしているのは「お客様である企業にとって重要な福利厚生の一翼を担う会社」を目指すという創業時からの精神です。社長に就任してからも、常に時代とお客様のニーズを考え、それに迅速にお応えすることを意識してきました。
高品質のサービスと徹底した衛生管理、そして社員教育にも力を注いできた積み重ねが、堅実な経営と充実した技術力・サービスに対するお客様からの高い評価に繋がっていると感じています。
担当エリアの自販機をマネジメントできるのが醍醐味
「自販機オペレーター」という仕事は、世の中では馴染みが薄いかもしれません。実際に業務内容を聞かれても「よくわからない」、あるいは「体力的にきつそう」というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?
自販機オペレーターの仕事は、商材の補充や空き容器の回収、簡単な自販機のメンテナンス処理です。確かに派手さはありませんが、1台ずつを店舗として捉えることで担当エリアの自販機をマネジメントし、お客様に商品の提案もできる働きがいのある仕事です。
独立系だからこそ、1社の飲料メーカーにとらわれない多彩な商品ラインナップを提供できるのが強みで、各メーカーの売れ筋商品からご当地商品まで、幅広い商品を取り扱っています。自分が提案した商品が売れていくことはうれしいものですし、お客様と良好な関係を築くことで「自販機をもう1台置きたい」「関連会社に紹介したい」と言っていただけることもあります。
社内では若手からベテランまで年齢に関係なく活躍しており、いざというときは世代や立場を超えて部門全体でバックアップする組織体制もととのっています。社員同士が共に働く仲間として尊重し合う企業風土は、これからも大切に守っていきたいと考えています。
マーケットの変化に対応するビジネスモデルにも注力
昔ながらの自販機オペレーター業を基盤としたビジネスモデルを拡大する中では、マーケットの変化に対応する取り組みや事業も展開しています。例えば、SDGsの考え方に合わせては「地球規模の環境保全も考えたビジネスを展開する」というグローバルな経営理念を掲げ、自販機で売れたペットボトルと缶の空き容器を回収して再資源化する資源循環フローを確立しました。
また、コンビニから離れている立地の工場や、高層階にあるオフィスでは、無人販売機が普及しつつあります。高層階のオフィスは地上のコンビニまでの往復に15分かかるケースもあるため、これらの引き合いが増えています。店舗の無人化の流れも強まっている中、ラック型の小規模な無人コンビニ設置にも注力しています。
全国の自販機の普及台数は緩やかな減少傾向が続いていますが、従前からの自動販売機オペレーター業の需要が急減しているわけではありません。実際に、職場などでおいしいコーヒーを飲みたいという方は減っておらず、当社だからこそ提供できるサービスはまだまだ多いと確信しています。
コーヒー豆をドリップする際は、温度が高い方がおいしくなるため、60度が限界の缶容器より80度まで可能な紙コップの方が味わいを追求できます。ただし、豆からコーヒーを作る紙コップ式自販機のオペレーションには、一定の技術レベルや丁寧な清掃が欠かせません。
そのため、缶容器の自販機に移行している同業他社も多いのですが、当社は香りとコクのある紙コップのコーヒーを提供できているのが強みです。紙コップ式は使用するコーヒー豆を選べることから、お客様の満足度を高める高品質路線を推し進めることもできています。
ネイル販売の事業化を決断させた亡母への想い
将来を見据えては既存事業の収益性を高めつつ、新規事業にも乗り出しています。自販機オペレーター業以外の新規事業としては、硬貨を多く扱う自販機オペレーター業から派生したコインランドリー関連事業のほか、自販機オペレーター業とは無関係のネイル販売事業に参入しています。
ネイル販売事業は2019年に立ち上げたのですが、きっかけとなったのは私の母がリンパがんを患ったことでした。母は身なりに気を遣い、どんなときもお化粧やマニキュアを欠かさない女性らしい人でしたが、治療過程の薬の副作用で指先の爪が黒くなってしまったのです。
当時のマニュキュアは非常に成分が強かった上、指先で酸素を測定する必要があることから、マニキュアの使用は病院から止められていました。数ヶ月後、母は亡くなりましたが、私の目には黒くなってしまった指先を病床でじっと見ている母の姿が目に焼き付いたままでした。
それから年月が経ち、私はフランスのネイルブランド「nailmatic」に出会いました。このネイルは、石油系溶剤で使用する発がん性物質を一切含まず、植物性由来の成分でできています。環境や自爪に優しいネイルは、フランスでは妊婦の方、がん患者の方にも利用され、喜ばれていると聞いて共感しました。
私は「もっと前にこのネイルを知り、母の指先に塗ることができていたら、どれだけ喜んでくれただろうか」と考えたと同時に、多くの方にもこのネイルを知ってほしいと思いました。母と同じ病気の女性が指先から美しくなり、心も輝けるのであれば、より社会が豊かになり、天国の母もきっと笑顔になってくれると信じています。
どの事業や取り組みでも、お客様満足度No.1に!
「時代の変化・お客様のニーズを的確に捉え、高品質なサービスと安全でサービスを提供していく」という経営理念は、どの事業や取り組みであっても変わりません。
これからも日々変化する時代に柔軟に対応しながら、「高品質なサービスと安全性で充実したひととき」をお届けできる、お客様満足度No.1の会社づくりを目指してまいります。