ヨーカドー2月までに8店舗閉店で【ポッポ】存続危機ーー人気のフライドポテト、初めて食べたら衝撃だった!

 イトーヨーカドーの閉店ラッシュが報じられる中、ネット上で聞こえてくるのが「ポッポはどうなるの?」といった心配の声。ヨーカドー系列のファーストフードチェーン「ポッポ」、行く末が気になり自然と足が向いていました。

目次

・【ポッポ】とは? 2025年2月までにヨーカドーが8店舗閉店

・【ポッポ】平日昼1時、店内の様子

・【ポッポ】人気メニュー2つを実食!

・【ポッポ】安心できる平和な居場所

※ 2024年3月20日公開の記事を再編集しています。

※商品や価格は2024年3月20日時点の情報です。

※最新の情報は公式サイトをご確認ください。

【ポッポ】とは? 2025年2月までにヨーカドーが8店舗閉店

 ポッポはセブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカドーが運営するファーストフードチェーン。

 1976年に「ポッポ」1号店をイトーヨーカドーせんげん台店(埼玉県越谷市)に開店しました。らーめん、たこ焼、今川焼、ソフトクリーム、お好み焼、フライドポテトなどを販売し、買い物ついでに気軽に立ち寄れる利便性や手頃な価格帯が支持されています。

 店舗数は2024年6月時点で35店あったものの、8月末時点で31店、10月末現在で29店に減少。ヨーカドーについては、来年1月に藤沢店、茅ヶ崎店、川崎港町店、尾張旭店、丸大新潟店の閉店が明らかになり、続く翌月は姉崎店、西川口店、竜ヶ崎店がクローズとなります。これに伴い、ポッポの川崎港町店、竜ヶ崎店も営業終了と考えられます。

 セブン&アイ・ホールディングスの発表によれば、25年までにヨーカドーを93店舗に削減する計画。ポッポの減少もやむを得ないのでしょう。

 なお、「ポッポ」という店名のゆらいはヨーカドーのモチーフ「鳩」からきているそう。

【ポッポ】平日昼1時、店内の様子

 今回、初めて「ポッポ」を利用します。

 ポッポと同じくセブン&アイグループのファミレス「デニーズ」のアプリでクーポンが配信されていたので、その存在は知ってはいたものの、「ヨーカドーの店内にしかない」という特殊な形態から、これまで生活圏に存在しなかったこともあり、未体験のまま今に至ってしまいました。

 同じように「名前は知ってるけど、行ったことない」という人、少なくないのでは?

 ヨーカドーの地下、食品売り場にポッポはありました。赤い「ポッポ」という看板以上に「たこ焼き」の文字の主張が強めです。

 事前に仕入れていた情報によると、らーめん、今川焼、フライドポテトが特に人気ということで、店頭で目を引いたのもそれらのメニュー。看板が目立つたこ焼きについては、残念ながら「当店では販売しておりません」とのこと。

 メニューにはソフトクリームやフロートもあります。ソフトクリームは季節限定の抹茶ソフトも展開中。

 らーめんの価格は税込520円からとお手頃! 定番の醤油、塩、味噌のほか酸辣湯麺を用意しているのが気になります。

 客足といえば、平日の昼1時で座席の6割方は埋まっています。7〜8分ごとに新規のお客さんが入ってくるペースで、「閑古鳥が泣いてる」という印象は皆無! むしろ、平日でこの人の入りは好調といえ、ちょっと驚きです。

【ポッポ】人気メニュー2つを実食!

 今回、注文したのはネット上で評判のフライドポテトと、ファンの多い醤油らーめん。筆者の前に並んでいた女子中学生も、同じメニューをオーダーしていました。

 このらーめん、ひと目見て気に入りました! 

 シンプル・イズ・ベストとはこのことでは? まんまるのチャーシューとナルトとシナチク。色味がきれいなほうれん草とネギ、透き通った黄金色のスープ!

 まずスープから口にすると、思いのほか甘さを感じます。しっかりと醤油のコクを感じるのに、後味がホッとする優しい甘さ。くせになって何度も口に運んでしまいます。

 麺は細麺。ほどよい弾力ある食感で、ツルツルと食べられる喉越しの良さです。こういう麺、昔はよく口にした気がしますが、最近は珍しいように感じました。

 そしてネギがいい仕事ぶり! スープの油分が気になりだした中盤に麺と食べると、さっぱりして相性バツグンです。 

フライドポテトS実食

 らーめんを完食したあとにフライドポテトを実食。

 なんの期待もせず、ぼんやりと口にしたのですが、これは手が止まらないおいしさ!

 失礼を承知で言わせていただくと、マクドナルドのフライドポテトです。ポッポとマックの2つをごちゃ混ぜにして提供されたら、区別をつけられる自信がありません。

 細さも質感もしょっぱさもまるでマクドナルドの衝撃。これは間違いなく、子ども人気ナンバーワン! Lサイズを頼べばよかったと後悔しました。

【ポッポ】安心できる平和な居場所だった

 私の前のテーブルでは、2歳くらいの女の子が「ママ、おいしいね。おいしいね」と満面の笑顔で母親と醤油らーめんを食べていて、その横のテーブルからは、中学生の女の子2人組が、ラーメンを食べながら「大学卒業したらどうする?」「このスープおいしいよ、飲む?」なんて会話をしているのが聞こえてきます。

 奥のテーブルでは、おばあさんがひとりでソフトクリームを食べていたり、老夫婦がラーメンを食べながら話し込んでいたり。今川焼を楽しそうに食べている大学生カップルの姿もあります。そしてもちろん、ひとりでらーめんとポテトをつまむ中年女性――私のような存在も自然に溶け込んでいます。

 子どもから高齢者まで、いろんなライフステージの人がポッポのフードを食べているだけなのに、なんだかすごい安心感。居心地が良すぎて、閉店までここで仕事をしたいと真剣に考えてしまったほどです。

 ポッポのラーメンやフライドポテトは評判通りおいしく、コスパもとても良いことがわかりましたが、その魅力の真髄は、この「おいしいね」の声が聞こえてくる平和な空間にあるような気がしました。

 実際、このヨーカドーにはラーメンチェーン店が入っているのに、ポッポのほうを選ぶ客がこれだけいるという事実。ポッポが数年後、何店舗に減っているのか? もしくはそう遠くないうちに絶滅しているのかもしれませんが、少なくとも現在は利用者に求められている、かけがえのない居場所になっていることを実感しました。

2024/11/29 13:00

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