「内部告発コメント」で大荒れ…相模鉄道の「仕事密着動画」に批判が殺到した背景
神奈川県の中央部を基盤に鉄道事業を行う「相模鉄道」の「指導車掌女性」に密着したYouTube動画が、鉄道ファンの注目を集めている。
11月13日にYouTubeチャンネル「しごとリーチ!」で公開されたのは、「【1日密着】仕事も子育ても全力!相鉄線 女性指導車掌の1日」というタイトルの職業密着動画。登場する女性は、社内でもコミュニケーション能力が高く、車掌区のムードメーカーというKさんで、動画ではKさんに密着し、その働きぶりを紹介している。
Kさんは小学1年生と2歳の子どもの母親で、下の子どもを保育園に送り届けてから出社する。乗務はするものの、基本的には一般乗務員の指導育成に当たっているという。また、夫は同じ会社の運転士の副区長で、動画後半ではこの夫が取材に答え、「異常時とかスクランブルで出勤しなきゃいけないとか、そういった時も全然いいよと理解してくれる」と、Kさんに感謝の言葉を述べていた。
動画のラストには、「あなたにとって仕事とは」と聞かれたKさんが、「いろんな人とコミュニケーションがとれて、楽しい場だなというふうに思います」と満面の笑顔を見せるシーンもあり、1000以上の「いいね」が送られた。
ところが、この動画には賛同の意見だけでなく、批判的な声も殺到しており、《大手私鉄は基本どこもブラックと思ったほうがいい》などといった辛辣なコメントで大荒れ状態になったのである。
「動画は、よくある仕事密着ドキュメンタリーですが、あまりにも美しくまとまりすぎていたことが反感を招いたのかもしれません。少しは負の部分もあるだろうと…。コメント欄には同業者からと思われる人物による内部告発めいたものも多くありましたね」(鉄道ライター)
もちろん、Kさんの仕事場がそうだとは言えないが、会社のPR動画のような内容とは裏腹に、コメント欄に批判が殺到している様子は、かなり異様な光景なのである。
(ケン高田)