究極に美味しい「たらこスパゲティ」の作り方。コツは1つだけ:11月に読みたい記事
究極の和風パスタ。
自宅でパスタ料理を作る時、レトルトソースに頼ってしまうことはありませんか?あれはあれで素晴らしく考えられたもので、楽しさや便利さも加わって重宝するアイテムだとは思います。でもやっぱり、素材感や風味は若干劣ってしまいますよね。
自分で材料を用意して、チャチャっとプロ級のパスタを作れたら、どんなに幸せなことでしょうか。そこで今回は、感動級のおいしさ!定番の和風パスタ「たらこスパゲッティ」をに作るコツをご紹介したいと思います。(初公開日は2019年11月17日 記事は取材時の状況)
◆ポイントは一つ。「バター」だけはこだわって
たらこ(明太子)パスタを作る上で最も重視すべきは、なるべくシンプルな味付けにとどめること。こんぶ茶やマヨネーズなどの隠し味を加えるのも結構ですが、いろんなものをごちゃごちゃ入れるほど、素材本来の味が分かりにくくなってしまいます。パスタ麺(小麦)やタラコの旨味を最大限に生かしたいものです。つまり、材料は究極にそぎ落としつつ、一つだけこだわるのが、「バター」なんです。使うべきは、「発酵バター」。
発酵バターとは、原料となるクリームを乳酸菌によって発酵させて作られたバターのこと。日本のバターの多くは、「非発酵」で製造されていますが、ヨーロッパでは発酵タイプが主流。ほのかな酸味と芳香さが際立ち、お菓子作りはもちろんのこと、パスタ料理に使えば、ワンランク上の風味・香りを楽しめます。そして、発酵バターを代表する有名ブランドとして、「エシレ」を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、それだけにあらず。各国自慢のブランドバターが日本でも購入できるようになっています。
●ベルギー:PUR NATUR オーガニック発酵バター(輸入者:カネカ食品)
●フランス:セル・ドゥ・メール(輸入者:イー・ティー・ジェイ)
●フランス:エシレ バター(輸入者:片岡物産)
発酵バターさえ準備できれば、あとは、タラコ(明太子)の「分量」を間違えないこと。見た目以上に塩分濃度が高いので、入れすぎてしまう傾向にあります。パスタ(乾麺)100gにつきタラコ1/4腹=約50g、塩分量は約3g)を基準にしてください。
あとは、和える場所。ボウルを使いがちですが、フライパンの方がオススメ。バターを少々焦がして香りを出すことも可能ですし、冷めずに混ぜ合わせることが可能です。
さあそれでは、早速作っていくことにしましょう!
◆絶品!超シンプル「たらこスパゲッティ」の作り方
【材料(1人分)】
パスタ(乾麺) 100g
たらこ 1/4腹(50g)
バター 大さじ2(26g)
塩(パスタを茹でる用) 大さじ2
青しそ 数枚
【作り方】
(1)たらこは中身をほぐしておく。シソは千切りにして水にさらす。バターは分量通り用意しておく。
(2)パスタを表示時間通り茹でる。
(3)フライパンにバターを入れて火にかける。溶けて外側が少々茶色くなったら、火を止めてパスタのゆで汁を大さじ2加える。
(4)茹で上がったパスタをフライパンに入れ、たらこも加えて手早く混ぜ合わせる。
(5)お好みの皿に盛り、青しそを乗せれば完成。残ったたらこをトースターで“焼きたらこ”にして、添えるのも美味。
まずはこのシンプルレシピで試してみて、
●バター感を和らげたい⇒バター 大さじ1、オリーブオイル 大さじ1にする
●和風感を強めたい⇒醤油を小さじ1加える
などのアレンジも楽しんでみてください。慣れてくれば、自分好みの最強テイストが完成するはずです。さあ、是非お試しを!
<文、写真/スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12