中居正広・東野幸治・ヒロミの新番組『THE MC3』、豪華キャストなのに“他番組とよく似た企画ばかり”で大丈夫なのか
ダウンタウン、さまぁ~ずなどがレギュラー出演していた平成の人気番組『リンカーン』(TBS系)。その後継番組として、2023年10月に鳴り物入りで始まった『ジョンソン』だったが、人気を獲得することができず、あえなく1年で終了。その後番組として今年10月に始まったのが、中居正広、東野幸治、ヒロミという豪華な3人がMCを務める『THE MC3』(TBS系、毎週月曜夜9時)だが、早速怪しげな空気が充満している。
“余計なお世話バラエティ”と銘打たれている『THE MC3』は、3人のMCとゲストたちが、さまざまなテーマでトークを繰り広げる内容だ。しかし、その企画が他の番組と似ているのではないかとの指摘も少なくない。
初回となった10月21日放送回では、3人のMCのイメージについて、共演者たちや街行く人々に調査。その結果をダービー形式で紹介するというものだった。さらに、3人の若かりし頃の活躍の映像を紹介するとともに、平成のテレビの歴史を振り返る一幕もあった。
「出演者のイメージ調査をしてランキング形式で発表するという企画は、カンテレ制作の『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』の定番。3人のMCの過去を振り返るVTRなどは、東野さんがMCを務めていた『1周回って知らない話』(日本テレビ系)と近い。いずれもよくある企画で、完全に“ありきたり”です」(テレビ局関係者)
第2回放送では、TOBEに移籍した元V6の三宅健が登場。旧ジャニーズ事務所の先輩である中居とテレビバラエティでしっかり絡むのはほぼ初めてに近かったという。さらに、2時間スペシャルの第3回では、街の人々への街頭インタビュー調査を中心に、出演者たちのイメージを検証した。
「それまであまりないキャスティングをするというのは、中居さんの冠番組である『だれかtoなかい』(フジテレビ系)に近いものを感じます。一般の方のおもしろおかしい受け答えを見せつつ、トークが展開していくスタイルは、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)を思い出させるものでした」(同)
ちなみに、『THE MC3』と他番組との類似性について、東野は自身のラジオ番組『東野幸治のホンモノラジオ』(ABCラジオ)で自虐的にイジっており、必ずしも後ろ暗い“パクリ”ということでもなさそうだ。さらに、この3人だからこそ“よくある企画”になったという意見もある。数多くのバラエティ番組をチェックしているエンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏はこう話す。
「地上波バラエティでは“企画ありき”ではなく、“出演者ありき”で番組が製作されることは珍しくありません。まずは“誰をメインにして番組を作るか”というところから始まり、そこから企画を考えていくことも多い。この『THE MC3』は番組名からも分かる通り、完全に3人のMCありき。
知名度も人気も実力もある3人が、毎回さまざまなゲストとトークをするわけですから、それだけでも何かしらおもしろい話が飛び出ます。豪華MCたちの“素材”と“素材同士の化学反応”を見せたいのであれば、ざっくりとした“よくある企画”のほうがむしろ計算できる側面もあると思います」
期待されていたものの1年で終了した『ジョンソン』の後番組だということも、『THE MC3』の企画に関係している。
「『ジョンソン』は勢いのある若手芸人をメインに起用し、毎回いろいろな企画を行うというものでした。“お笑い要素”が高い企画がほとんどでしたが、残念ながらふるわなかった。『THE MC3』では同じような展開にならないように、保守的な企画になっているのは否めません。仮にこの3人で斬新な企画の番組をやってコケたら、それこそダメージが大きくなる。豪華な3人だからこそ安全策を採用、裏を返せば安全策で成立するのは大物だけということでもある」(大塚氏)
安全第一で“よくある企画”から始まった『THE MC3』だが、今後まったく異なる内容に変化していく可能性もある。
「スタジオコントをメインとして始まった『新しいカギ』(フジテレビ系)が、“学校ロケ”の企画で大ブレイクし、そちらに大きく方向転換したように、ヒット企画が後から生まれるというパターンも多い。『THE MC3』については、基本的にざっくりした内容なので、これからいろいろな方向に進んでいけると思います。そういった可能性を残しておくという意味でも、“よくある企画”での滑り出しは必ずしも悪いことばかりではないと思います。それまで続けばの話ですが」(大塚氏)
いまはまだ“よくある企画”が多い『THE MC3』。今後どんな展開が待っているのか。