大御所歌手シェール、過去に仕事をした映画監督を猛批判「下品で最低な男だった」

シェールの回顧録第1弾『Cher: The Memoir、Part One』が19日(以下、日付はすべて現地時間)に出版されたことを受け、彼女が英紙『The Times』のインタビューを受けた。

22日に同紙で掲載されたインタビューで、シェールは映画『マスク』(1985年公開)で一緒に仕事をした故ピーター・ボグダノヴィッチ監督について語った。

『マスク』は、非常にまれな疾患「ライオン病(頭蓋骨幹異形成症)」を患い、16歳でこの世を去ったロッキー・デニスさんの生涯を描いた物語だ。シェールはロッキーさんの母フローレンス役を演じ「第38回カンヌ国際映画祭」で女優賞を受賞した。

今回のインタビューでシェールは、ボグダノヴィッチ監督が「嫌いな監督の一人だった」と明かすと、撮影現場でのエピソードを次のように述べた。

「ある日、撮影現場に来た彼が『シェール、この場面をどこで撮ったらいい?』と尋ねてきた。私は『キッチンで上手くいったから、もう一回やってみない?』と答えたの。」

「すると翌朝、彼は卵サンドイッチを食べながら現場にやってきて、怒鳴り始めたわ。『お前にこの映画を任せられない! お前なんか無名のやつだ! 今すぐお前を降ろすことだってできる』とね。」

さらにシェールは、ボグダノヴィッチ監督のことを以下のように猛批判した。

「彼は下品で最低な男だった。出演していた若い女優たちにも思いやりがなく、傲慢だった。本当に、本当に大嫌いだったわ。」

一方、生前のボグダノヴィッチ監督は、米メディア『Vulture』が2019年に公開したインタビューで「一緒に仕事をした中で最も難しかった俳優は?」と質問された際、迷わず「シェール」と答えていた。

そして撮影現場でのシェールの様子について、監督はこのように語った。

「彼女は周囲をあまり信用していなかった。男性を信じていなかったため、シェールという芸名を選んだ。それに彼女は演技に難があった。カンヌで女優賞を受賞したのは、私が彼女をとてもうまく撮ったからだ。」

「彼女はシーンを通じて一貫した演技ができない。正しい方向に進み始めても、すぐにどこかで間違った方向に進んでしまう。だから私は彼女のクローズアップをたくさん撮った。クローズアップショットでは非常に魅力的に映った。」

ボグダノヴィッチ監督によると、シェールは最初監督のことを嫌っていたが、撮影が進むうちに歩み寄るようになったという。

「シェールは私のことが好きじゃなかった。しかし7週間ほど経過すると、ようやく私たちはお互いを好きになり始めた。最終的に良好な関係を築き、私がスタジオを訴えた時にも彼女は私の味方をしてくれたよ。」

ボグダノヴィッチ監督は2022年1月、米ロサンゼルスの自宅で亡くなった。82歳だった。

画像は『Cher Instagram「My week was fine,」』『Peter Bogdanovich Instagram「That’s me illustrating for the cameraman where to put the camera」』より

(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

2024/11/24 15:55

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