東京湾で釣れたサメを実食ルポ「刺身は食べにくいがフライは絶品」
関東屈指のデートスポットとして知られる横浜の山下公園。11月からは横浜の街全体で“日本最大級”のイルミネーションイベントが開催されることもあって、例年より多くのカップルでにぎわっている。
そんなおしゃれなスポットでサメ釣りに興じているのは都内在住の釣り師Nさん。数年前からサメ釣りにハマり、幾度も大物を釣り上げてきた。
「私が狙っているのはドチザメという小型のサメで、ネットでは『東京湾シャーク』と呼ばれるほどよく釣れます。餌は生きたアジ。大物がヒットすると、そこから30分以上格闘することも…」(Nさん)
10月下旬には135センチの大物を釣り上げた。これまで、釣り上げたサメは、居合わせたギャラリーにプレゼントすることもあったが、大半は海にリリースしてきた。しかし、昨今は一般の市場に流通しない「未利用魚」の活用が叫ばれている。このドチザメも食用に活用できないものか。Nさんに提案すると、さっそく「食レポ」を届けてくれた。
「釣ったその場で血抜きをしたり、内臓やお腹にいたサメの赤ちゃんを取り出すのはかなり大変でした。身の部分を持ち帰り、まずは刺身とタタキにチャレンジしたのですが、いざ食べると、スジがあってこれが食べにくい。やはり無難な調理法はフライ。油で揚げると、においやクセが抜けて、味は白身魚のフライそのもの。南洋に生息するシイラのフライを思い出しました」
Nさんに調理風景の写真を見せてもらった。1メートル超えのドチザメの切り身は、かなりの巨大サイズで、10人前以上のフライは作れそうだ。漁師からは「海の厄介者」と言われるドチザメだが、近い将来、東京湾の「未利用魚」として注目を集めるかもしれない。
(福島シゲル)