【慶應義塾】日本陸連公認コースマラソン大会における年齢層別心停止発生状況を調査
慶應義塾
-60歳以上の男性に対する参加前検査の重要性を示す-
公益財団法人 日本陸上競技連盟(以下、日本陸連)医事委員会に所属する慶應義塾大学スポーツ医学研究センターの真鍋 知宏 准教授、独立行政法人国立病院機構霞ヶ浦医療センターの加藤 穣 医師、丸紅健康開発センターの山澤 文裕 所長らの研究グループは、2011年4月~2019年3月に実施された日本陸連公認コースマラソン大会(42.195 km)において発生した心停止例を調査しました。516大会が実施、のべ約410万人が参加していたなか、69例(内、男性66例)の心停止が発生し、68例が救命されました(救命率 98.6%)。参加者10万人あたりの心停止発生率は1.7でした。この発生率は40歳未満で0.9、40歳代で0.9、50歳代で2.6、60歳以上で5.5となっており、年齢層が高くなるほど発生率が高いことを明らかにしました。一方、女性だけの解析では、年齢が上がるにつれて心停止発生率が増加する傾向は認められませんでした。以上のことから、特に60歳以上の男性はマラソン大会参加前に健康に関する適切な検査を受けることの重要性が示唆されました。
本研究成果は2024年11月14日にEuropean Resuscitation Councilが発行する国際学術誌Resuscitationに掲載されました。
▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2024/11/18/241118-4.pdf