三吉彩花、感情が「ぐちゃぐちゃになりながら向き合った」『本心』で演じた“三好彩花”役とは

池松壮亮と『月』『舟を編む』の石井裕也監督による革新的ヒューマンミステリー『本心』が公開中。主演の池松が、“三好彩花”役を演じた初共演の三吉彩花について語った。

本作は、亡くなった母の“本心”を知るためAIで彼女を蘇らせることを選択する青年・石川朔也(池松)と、彼を取り巻く人間の【心】と【本質】に迫る革新的なヒューマンミステリー。

主人公・朔也の生前の母親と、歳の離れた友人だった女性・三好彩花を演じるのは、モデルとして第一線で活躍し、近年では Netflix「今際の国のアリス」シリーズや Amazon Original映画『ナックルガール』で本格アクションを披露し話題を集めるなど、俳優としても注目される三吉彩花。

三吉と初共演となる主演の池松は「“三吉彩花”さんが“三好彩花”という人を演じることが、すごい運命的ですよね。全身で“三好彩花”の思いを体現されている姿が印象的で、その演技に朔也として何度も救われました」と熱演ぶりをふり返る。

三吉も「私自身が持っている感情で足りるのかなっていうぐらい、ぐちゃぐちゃになりながら向き合いました」と明かしており、本作で俳優としての新境地を披露する彼女の演技に注目が集まっている。

物語は、主人公・石川朔也の母・秋子(田中裕子)が、ある日突然「大事な話があるの」と言い残し急逝してしまうところから始まる。生前の母が自由死を選んでいたことを知った朔也は彼女の本当の心を探るため、生前の情報を集めて最新AI技術を搭載したVF(ヴァーチャル・フィギュア)として仮想空間に〈母〉を蘇らせる。

三吉が演じるのは、朔也に母親の情報を提供してくれる生前の秋子の親友〈三好彩花〉。彼女は過去のトラウマから他人に触れることができない複雑な背景をもつ。

そんな三好の存在は、何処からでも人とコンタクトがとれる時代にあっても、“触れられない”“伝えられない”という、普遍的な人との関わり合いの本質を考えるきっかけをつくる。

彼女について池松は「貧困格差が進む社会で懸命にいまを生きるキャラクターです。正面から向き合うこと自体相当なエネルギーを必要とする役だと思います」と解説。テクノロジーの進化により目まぐるしく変貌していく時代に翻弄される朔也に寄り添い、力になろうと向き合う姿も描かれている。

池松は「三吉さんはご自身の“軸の強さ”と“しなやかさ”、“大きな器”を持って、朔也と共にこの世界の悲しみと喜びから目を背けず、なんとか自分自身を存在させようと両足で力一杯立っている三好を体現してくれました」と三好というキャラクターに全力で打ち込む三吉の魅力を明かしている。

また、「自分にとっても新境地で、新しいジャンルへの取り組みだった」とふり返る三吉は、繊細な役を演じるにあたり「彼女の行動だったり、朔也との関係によって見せ方をどう変えていくかだったり、複雑になっていくシーンが多くて…今までずっとプロテクトしてきた彼女のセンシティブな内側を異性の朔也にさらけ出すシーンでは、怒りだけでなく、そこに希望や後ろめたさとか、前に進みたい気持ちとか色々のっていて、とにかく私自身が持っている感情で足りるのかなっていうぐらい、ぐちゃぐちゃになりながら向き合いました」と語る。

「こんなに心が苦しかったのは初めてで戸惑いました。三好と一緒に戸惑いました」と、運命的な三好という役に真摯に向き合い共にキャラクターを作り上げたことを告白した。

朔也と出会ったことで辛い過去と向き合い“本心”を確かめようとする三好と、時代に翻弄され少しずつ自分の“本心”を見失っていく朔也。このすれ違いから交錯していく2人の関係は果たしてどう展開していくのか。三吉が魅せる繊細な演技からも目が離せない。

そんな本作には三吉や池松のほかにも水上恒司、仲野太賀、田中泯、綾野剛、妻夫木聡、田中裕子ら、映画界を牽引する豪華実力派俳優陣が集結している。

『本心』は全国にて公開中。

(シネマカフェ編集部)

■関連作品:

本心 2024年11月8日よりTOHO シネマズ 日比谷ほか全国にて公開

©2024 映画『本心』製作委員会

2024/11/13 16:00

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