ウィリアム皇太子がドキュメンタリーで“弟”に言及、兄弟の確執とは
イギリスのウィリアム皇太子の5年間にわたるホームレス問題への活動を取り上げた、英ITVのドキュメンタリー番組「Prince William:We Can End Homelessness(原題)」が10月30日から2夜連続で放送された。ウィリアム皇太子が母ダイアナ妃の遺志を継いで、2005年にセンターポイントのパトロンに就任。2019年からは支援団体である「The Passage」のパトロンも務めるなど、長くホームレス問題に取り組んできたが、そんな中、同番組で久しぶりに弟ヘンリー王子について言及したことが話題になっている。英王室ウォッチャーが明かす。
「皇太子は母ダイアナ妃と支援団体と訪ねた際のことを振り返り、『母が、僕と弟をホームレス支援団体The Passageに連れて行ってくれたのは、おそらく僕が11歳、もしかしたら10歳だったかもしれません。そうした所に行くのは初めてだったので、何が起きるのか少し不安でしたね』と語ったのですが、ウィリアム皇太子が公のメディアで”弟”と口にするのは、実に数年ぶりのこと。王室ファンからは驚きの声が上がったようです」
2人の不仲が始まったのは、王子とメーガン妃が交際を始めしばらくした頃。メーガン妃の虜になった王子が、結婚を早急に進めようとしたことに対し、皇太子が懸念を示し、兄弟間での溝が広がったとされる。結果、王子夫妻は2020年に王室を離脱。その後のインタビューや自叙伝などで王室の内情を暴露したことで、確執はますます深いものになったと伝えられている。
ところが、今回のウィリアム皇太子のドキュメンタリー番組放送をきっかけに、2022年12月にNetflixで公開されたドキュメンタリー「ハリー&メーガン」の中で2人が語った、ある動画が再びクローズアップされているという。前出の英王室ウォッチャーが続ける。
「これは、2020年1月に王室を離れることを電撃発表した2人が、同年3月、最後の公務としてウェストミンスター寺院で行われたコモンウェルスデー礼拝を振り返ったインタビューで、王子が『まるで昼ドラの中に生きている感覚でした。家族とは本当に距離を感じました。彼らはどう見られるかが重要で、実際の感情は重要視されていません。見た目も冷たく、心も冷たいものでした』と語ったものですが、このコメントが兄弟2人の間にあった溝をさらに深めていったとも伝えられます」
たしかに、式典映像を見返すと、式典の間、メディア向けに笑顔を作るメーガン妃に対し、式が進行するにつれ暗い表情になっていくヘンリー王子の様子が見て取れる。その後、2人はケンジントン宮殿内のオフィスを分け、王子夫妻はバッキンガム宮殿内に新事務所を開設することになるが、ヘンリー王子はこう語っている。
「反応は予想通りでしたが、一番がっかりしたのは家族からの反応でした。沈黙したことです。公には何も言わず、私に対しても何も言いませんでした。父からも祖母からも、何の連絡もありませんでした。メグと私に起きた出来事を取り巻く沈黙について、深く考えさせられました」
以来4年。今年8月に行われた叔父ロバート・フェロウズ男爵の追悼式に参列した兄弟は別々の場所に座り、一切の会話を交わさなかったとも伝えられるが、はたしてこの確執、いつまで続くのだろうか。
(灯倫太郎)