医療機関は混乱? いよいよ12月2日から開始の「マイナ保険証」
【家電コンサルのお得な話・217】2024年12月2日以降、医療機関での受診にはマイナンバー健康保険証(マイナ保険証)の利用が基本となる。マイナ保険証とは、「マイナンバーカードを健康保険証として使えるように手続きしたマイナンバーカードのこと」である。
12月2日から開始の「マイナ保険証」
(出典:厚労省)
●全国保険医団体連合会が「トラブルが止まらない」と会見
政府は、医療や介護の分野でデジタル技術を活用して、サービスの改善や業務の効率化を図る医療DXを推進することを目的とし、厚労省からはメリットが示されている(図1)。
しかし、ワクチン接種同様、強引に進められたため、国民の個人情報管理をはじめ、政治的思惑が強いという印象を国民に与えている。また、システム的なことも十分ではなく、全国保険医団体連合会は6月21日に「マイナ保険証 トラブルが止まらない」と題した記者会見を行っている。同連合会によるアンケートを見ても、医療機関ではトラブルの発生が多いことがわかる。
<参考資料>
全国保険医団体連合会|【記者会見6.21】10000医療機関が回答 マイナ保険証 トラブルが止まらない
https://hodanren.doc-net.or.jp/info/news/230621_press/
こうした問題は今後改善されると期待されるが、政府は隠ぺい体質をあらため、現状でのデメリットも積極的に公開すべきである。
●12月2日以降の扱いは?
気になる12月2日以降の扱いを簡単に説明すると、移行後も、マイナ保険証の有無に関わらず、手元の健康保険証は、最長1年間は有効期限まで使用できる(後期高齢者医療保険加入者の方の有効期限は2025年7月31日)。
12月2日以降の健康保険証の扱いなど
(出典:厚労省)
また、マイナンバーカードを持っていない方や、持っていても健康保険証利用登録をしていない方には、現行の健康保険証の有効期限が切れる前に「資格確認書」が無償で届けられる。
これは申請が不要であり、健康保険証のかわりとして、これまで通り医療に掛かることができる(有効期限あり)が、今後、改定が見込まれる暫定的な措置といえるだろう。
現在、マイナ保険証を持っている方には、「資格情報のお知らせ」が順次発送されている。これは、例えば受診時にシステムに不具合があったときなど、その医療機関に提示する資格情報であり、健康保険加入を証明するものである。
そのため、マイナ保険証の利用者には、不測の事態に備えてこの「資格情報のお知らせ」をマイナ保険証と共に携帯することが求められる。
「資格確認書」と「資格情報についてのお知らせ」
(出典:生駒市)
また、これまでマイナ保険証の利用をやめる登録解除はできなかったが、10月28日からは登録解除できるようになった。これらを含めて「資格確認書」や「資格情報のお知らせ」など不明な点があれば、市区町村や加入している健康保険組合に問い合わせることをおすすめする。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。