日本シリーズ、フジテレビ“出禁”の憂き目と変わらないNPBの“オレ様”気質
ソフトバンク対DeNAで10月26日に開幕したプロ野球日本シリーズ。しかしフジテレビが試合を主催するNPB(日本野球機構)から試合取材禁止を通達されている。
広告代理店関係者によると、フジテレビが日本シリーズが行われる横浜スタジアムから締め出されたのは第1戦試合当日だった。
「その前からNPBが“大変、お怒りになられている”との情報がスタッフに共有されました。どうやらドジャース戦の録画中継を日本シリーズの裏番組に当ててきたことでNPBがキレたという。フジテレビは局幹部を筆頭に相当食い下がったが全く聞き入れられずに処分が決まってしまった」
試合は第7戦までもつれると11月3日まで開催されることになる。
「ですがフジテレビはカメラマンの入場も禁止されているので映像を収録することができません。現在は系列局などに頭を下げて最低限の映像提供を受けてスポーツニュースを何とか放送していますが、これによりさらにNPBの“お怒り”を買っています。10月29日はフジテレビ系で日本シリーズ第3戦が生中継されましたが、午前中に放送されたワールドシリーズ中継内では以前は告知があったワールドシリーズの再放送告知や日本シリーズ中継の告知は行われませんでした」
これだけトラブルが発生したのはワールドシリーズの再放送番組が原因であることは間違いないが、なぜフジはこうした対応に出たのだろうか?
「ワールドシリーズ中継は莫大な放映権料を支払っています。そのため、少しでも元を取るために全試合再放送番組を編成する必要があるのです。そもそも今回の中継は幹部からのトップダウンによって決まり、緊急編成されたいわば特番扱い。NPBと揉めても別の局幹部からすれば知ったこっちゃない感覚のため、球団と向き合うスポーツセクションのスタッフが板挟みになっている格好です」(フジテレビ関係者)
ただ、困っているのはフジテレビだけではない。
「民放テレビ局、NHKを問わず来年からもメジャーリーグ中継は当面の間キラーコンテンツとして放送しますが、ワールドシリーズが日本シリーズと時期が被ることは今後もあり得る話。こちらではコントロールできない話にクレームをつけるNPBの“大上段に構えた体質”には辟易しています。今の日本シリーズは広告代理店がスポンサーを見つけ、どうにか地上波テレビで全試合中継をできていますが、視聴率も大して見込めないので撤退するテレビ局も出てくるのではないか」(在京テレビ局編成マン)
もはやフジテレビだけの問題ではなくなっているのだが……。