サウジアラビアと日本の共同制作!アニメ『アサティール2』放送目前に豪華プレミア試写会が開催 おばあちゃん役・野沢雅子も感銘受ける
アニメ制作会社の東映アニメーションとサウジアラビア系企業のマンガプロダクションズとが共同で制作する新作アニメ『アサティール2 未来の昔ばなし』について、11月3日からの放送開始を前に、第1話のプレミア試写会が都内で開催された。
『アサティール2 未来の昔ばなし』は、近未来のサウジアラビアを舞台に、海上都市「オクサゴン」に引っ越してきた少女「マハ」とその家族の物語を描くアニメ作品。作中ではサウジアラビアの伝統的な昔話「アサティール」が展開され、子どもたちが学びを得る様子が描かれる。2020年に公開された前作『アサティール 未来の昔ばなし』の続編として位置づけられており、前作は世界中で1億回以上の視聴を記録。全世界40以上の配信プラットフォームで放送されるなど、各国で大きな反響があったという。
この度、本作の放送を目前にプレミア試写会とトークイベントが開催。イベントには作中キャラのキャストを務める大空直美さんとマンガプロダクションズのCEO、イサム ブカーリ氏、東映アニメーション顧問・清水慎治氏、作品プロデューサー・アルジジャクリ ヌール氏が登壇。作品の紹介や印象などが語られた。
本作の共同制作を務めるマンガプロダクションズは、サウジアラビアの皇太子が設立したMiSK財団の子会社として、アラブ地域のアニメ・漫画・ゲームの製作や配信を手掛けている。本作のエグゼクティブプロデューサーを務める同社CEO・イサム氏は、前作の反響について”Made in Saudi”でも、”Made in Japan”でもなく「Made in Saudi with Japan」という協業の形が大きく貢献したとコメント。
今回その成功を受けて約4年の制作を経て作られた第2シーズンは日本語、アラビア語を筆頭に世界各地の言語での翻訳展開が決定していることを明かした。また、2055年の日本・サウジアラビア国交樹立100周年に向けた展望として、「日本のリーダーがサウジのリーダーと会って『私が子供の時アサティール未来の話を見ました』と言っていただいて、その後に素晴らしいパートナーシップを構築していただける」とのビジョンを示し、「コンテンツは平和へのパスポートです」と締めた。
続いて、日本国内での製作やプロデュースも担当したという東映アニメーションの清水氏は、当初「中東と生活も風習も文化も違いますから、日本人でもできるのかな」という心配があり、「リヤド(サウジアラビア首都)に呼び出されたときはどうやって断ろう…」と思ったと振り返った。そして、企画立案から13年半を経た今、「あの時自分で断らなくてよかった」とコメントし、感慨深い様子を見せた。
そして、前作からの続投で本作にてマハ役として出演する。大空さんは本作について、日常で悩みや壁を抱える孫たちに対し「アスマおばあちゃんがサウジアラビアの昔話を通じて寄り添い、背中を押し、生きるヒントを与えてくれる」温かい作品であると印象を語った。
また、作品にキャストとして関わったことで、これまで知ることがなかったというサウジアラビア文化にも触れられたといい、この日もアラブの民族衣装をワンピースに羽織る形で着用。作中で描かれた特徴的な円形の食器で装われる料理に興味を示しつつ、アフレコ現場には「デーツ」の試食なども振る舞われたことを振り返っていた。
さらに、今回大空さんと同じくキャストとして出演した野沢雅子さんからのビデオメッセージも到着。野沢さんは日本とサウジアラビアの文化に触れつつ、日本のアニメーションで現地の昔ばなしを子どもたちに届けられることに感銘を受けていた。野沢さんのコメントムービーを受けて、大空さんは「野沢さんの演じるアスマおばあちゃんは本当に包容力のある優しいおばあちゃんで、おばあちゃんと孫の役を体験できて本当に幸せな時間でした」と、共演の喜びを口にした。
最後に視聴者に向けて「皆さんも日常の中で自分では処理しきれない悩み、どう向き合っていいかわからないことは色々と生まれてくると思いますが、この物語が皆さんにとっての何かのヒントになれば嬉しいです」と述べ、家族で楽しめる作品として期待を寄せた。
『アサティール2』は2024年11月3日からテレビ東京系列にて毎週日曜日朝7時~放送開始となる。
©マンガプロダクションズ