『おむすび』第16回 橋本環奈、低音ボイスでブチ切れの大迫力 でもその言い分はないわ……
NHK朝の連続テレビ小説『おむすび』も第4週がスタート。ここまで、主人公の結ちゃん(橋本環奈)とハギャレンのみんなが心を通わせるまでをじっくり、本当に時間をかけて描いてきましたが、いよいよハギャレンの御本尊である結ちゃんの姉・アユ(仲里依紗)が糸島に帰ってきたことで、ひと波乱ありそうです。
というか、そろそろひと波乱あってくれ。第16回、振り返りましょう。
■震災をチラ見せしました
予告もなくいきなり帰ってきたアユに、米田家の面々の反応はさまざま。おじいちゃん(松平健)とおばあちゃん(宮崎美子)はお土産のマカロンを珍しそうに食したりしていますが、アユのことが大っ嫌いでお馴染みの結ちゃん&パパ(北村有起哉)は、身の置き場がありません。
結ちゃんたちが、急に帰ってきたアユの真意を聞きそびれていると、アユは「もう寝る」と言い出し、2階へ。なぜかゴテゴテにデコったままになっている自分の部屋ではなく、結ちゃんの部屋で寝ると言います。その夜、丑三つのころまでアユのケータイは着信音が鳴っていたそうですが、アユが電話に出ることはありませんでした。
翌朝、糸島の商店街をフラついていたところを発見されてしまったアユ。地元の有名人ですので、あっという間に町中に「アユ帰還」のウワサが回ります。これを聞きつけたハギャレンの4人は米田家を急襲。カリスマ・アユを目の前にド緊張しつつ、ハギャレンの伝統を守ってきたことを報告します。
しかし、アユはつれない顔。お祭りでのパラパラ披露にも「行くわけない」と言い放つのでした。
「てかさ、ギャルとかもうやめなよ、超ダサいから。あとその『ハギャレン』って、死ぬほどハズいから、とっとと潰しちゃいなよ」
さあ、ひと波乱です。これを傍らで聞いていた結ちゃん、激昂。滂沱の涙をあふれさせながら、「うちだってつらかった、苦しかった、神戸のことも、マキちゃんのことも」などと震災関連と思われる情報を小出しにすると「お姉ちゃんなんて大っ嫌い!」と言い放ち、海へと駆け出すのでした。
■ひと波乱はしたのだけれど
橋本環奈が低音ボイスで目ん玉ひん剥いてブチ切れる様子は迫力満点で見ごたえがあったんですが、またしても「その言い草はどうなんだ」と思っちゃったなぁ。
アユに「この子たち(ハギャレン)、結の友達なの? あんたさ、もっと付き合う子、考えたほうがいいよ」と言われた結ちゃん、こう返すんですね。
「こうなったの全部、お姉ちゃんのせいなんやけど。お姉ちゃんがリーダーやったけん、仲間になってほしいって頼まれたんよ」
「助けてほしいって頼まれたの、断れるわけない」
えーと、「こうなった」っていうのは、どういう意味なんですかね。「お姉ちゃんのせい」って、何が言いたいんですかね。この期に及んで、何をこの人は被害者ぶってるんですかね。
目の前で「頼まれたから仕方なく友達やってる」「お姉ちゃんのせいで、こうなった」って言われてるハギャレンの気持ちはどうなるんですかね。
こういうところ、ホントに優しくないと思うんだよな。このシーン、言っちゃいけないこと言ってるのはアユより結ちゃんだもん。アユは「いい加減さ、いい子のフリすんのやめなよ!」って怒鳴ってたけど、その通りだと思う。ここ3週間、ずっと結ちゃんの「楽しくないけど付き合ってやってる」って顔を見続けてきて、すげえ傲慢な女だなと感じてきたこと、ようやくアユが言ってくれたと思ったんです。
結局のところ、ずっとギャル側からこのドラマを見てきていたんですよね。だから結ちゃんがギャルをバカにしたような態度を取るたびにムカついていたし、先週、結ちゃんがヤンキーたちを相手に啖呵を切ったときも、「どの面下げて偉そうにぬかしとんねん」と思ったし、今回「こうなった」「お姉ちゃんのせいで」という言葉を聞いたときに、やっぱり性根はそっちじゃんて話になっちゃってるし。
結ちゃんさ、「仲間になってほしい」って声かけられてさ、友達になったわけじゃん。そういうときは、相手がギャルだろうが誰だろうが「友達になってくれてありがとう」っていう感謝の気持ちを持つべきだと思うんですよ。そういう他人に対する感謝の気持ちが全然ないくせに「人助け」を標榜して、他人の生き方を真っ向から否定するなんて、思い上がりも甚だしいですよ。思えば書道部に誘ってくれたクラスメートにも「誘ってくれてありがとう」「イケメン風見に出会わせてくれてありがとう」みたいな気持ちはまったく表現されてなかったね。そういうとこだぞ、お姉ちゃんが言ってんのは。
いやーどうしよう、どんどん嫌いになっちゃう。なんとかしてくれ。
(文=どらまっ子AKIちゃん)