オーブンも発酵も計量も不要!? 自宅でわずか30分「トースターで簡単ふんわりパンミックス」の実力とは

パン作りに憧れがある。むかし近所にあったベーカリーで「袋を開けたままお持ち帰りください」と渡される、ほかほか食パンの感動。

パンに限っては、焼きたてに敵うものはない。憧れが高じて、定期的に手作りパンキットが届くサブスクリプションを利用していた時期もあった。しかし、こね時間やら発酵時間やら予熱時間やらで、「朝食に食べようと作業を始めたら昼食時点でも焼けてない」という長時間&重労働に敗北。

しかしここに「トースターで簡単ふんわりパンミックス」という商品がある。発酵不要、オーブン不要、トースターでもパンが焼ける……だと?

・SHOWA「トースターで簡単ふんわりパンミックス」(参考価格:税込305円)

中身はパンミックス100g×2袋で、直径約5cmのパンが約16個作れるという。「ミックス」の名前のとおり、塩や砂糖やベーキングパウダーが調合済みで、実にシンプルな内容だ。粉の計量がいらないため、キッチンスケールも不要。

では作ってみよう。粉が100gなので、ボウルも小さめでOK。洗い物がラクで助かる。

規定量の冷水とバターを混ぜる。「溶かしバター」なんて高尚なものは、あいにく自宅になかったが、サラダ油などでも代用OKだという。普段から料理や製菓が趣味ではなくても作れるようになっていて素晴らしい!

続いて生地を2分間こねる………………え、2分でいいの!?

過去のパン作りでは「こね」も大変だった。これまで生クリームにしろ、パン生地にしろ、アメ色タマネギにしろ「○○の状態になるまで△△する」という指示を完遂できたためしがない。「いつになったら写真と同じになるんだ嘘つきがぁ!」と悪態をつくのが恒例だったが、この生地は両手でコネコネするだけで本当にまとまった。

生地を冷蔵庫で5分寝かせる。わずか5分だ。

「60分休ませる」「続いて2度目の発酵」など、過去の生地作りの悪夢が嘘のよう。洗い物をしているうちに5分が過ぎた。

生地を8等分したらトースターで焼く。うちにはトースターはないので、電子レンジのトースト機能だ。

オーブンではないから予熱がいらないし、温度管理も気にしなくていい。もとからある台座にアルミホイルを敷けばいいので、大判の鉄板を扱う必要もない。

焼き時間は約15分間。工程のなかでもっとも時間がかかるのが、この「焼き待ち」だったが、それでも全体で所要時間30分ほど。ものすごい時短調理だ。

15分後、わくわくしながらオープン!

おぉぉぉぉぉぉ、可愛らしいパンが焼けている!

「発酵いらず」のせいなのか、パンというよりはスコーンのようなひとくちサイズ。ほとんど膨らまなかった。手に持った感じも硬めで、クッキーのような質感。さっそく味見……といきたいが、もうひと仕事!

・アレンジレシピもあり

あまりに簡単だったので、予定外にもう1袋も作ることにした。ココアパウダーを混ぜたり、ウィンナーを巻いたりとアレンジレシピがあるようだったが、ここはパッケージで紹介されていた「塩バターパン」に挑戦。

生地を細長く伸ばして、くるくると巻くことで「クロワッサンもどき」ができた。バター……はないので、チューブのバター加工品を巻き込んだ。

焼いてみたら、こちらもこんがりと美味しそう!

では実食。前述のとおり手ざわりが硬いので「クッキーみたいな感じか……」と思いきや、予想を大きく裏切ってきた。

外側はサクッと心地よい歯ごたえ。硬さはまったく感じない。

そして内側は、クッキーのような乾燥した感じではなく、ちゃんと「しっとり感」がある。パンとスコーンの中間、マフィンのような質感だ。食べ慣れた「ふんわりふわふわ」の白パンではないけれど、焼きたての香ばしさや、サクサク感は何物にも代えがたい!

本物のバターがなかったこともあって、デフォルトだと小麦の味そのままといった印象。バターを使えばさらにコクが出るだろうし、ジャムやチョコやシロップで味を足すのもよさそう。意外にも、しっかり美味しい!

・唯一ここが難点!

一人暮らしの簡易キッチンや、トースターしかないアパートなどでも焼きたてパンが食べられるキット。「本格的な調理設備がない」「普段は料理をしない」「子どもと一緒に簡単に作りたい」といったライトユーザーのニーズをピンポイントに満たす商品だ。

ひとつだけ難点が。9月に新発売となったこの商品、筆者の近隣のスーパーなどでは扱っておらず、大手ECモールでもバラ売りしていない。入手経路がかなり限られていた。

公式である「昭和産業オンラインショップ」では購入できるものの、商品代金に対する送料のバランスを考えると利便性は高くない。少なくとも大手ECモールで全国どこからでも買えるようになればありがたい!

参考リンク:昭和産業株式会社

執筆:冨樫さや

Photo:RocketNews24.

2024/10/21 11:00

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