【新宿グルメ】新宿「思い出横丁」で一度は行くべき町中華の名店『岐阜屋』のチャーハンはなぜヤミツキになるのか
●外国人を含め観光客に大人気のスポット「思い出横丁」で大人気の町中華『岐阜屋』の魅力とは?
JR新宿駅西口を出てすぐの場所にある「思い出横丁」といえば、戦後の闇市に歴史が始まり、全盛期にあたる復興期には約300軒もの店が軒を連ねていたと言われる、新宿を代表する名所の一つ。今も細い路地に居酒屋、蕎麦屋、喫茶店などがひしめいており、リアルな昭和初期の空気感を体験できる場所です。
その中でも筆者イチオシのお店が『岐阜屋』さんです。ここは中華料理のお店ですが、営業時間が朝9時〜夜中の1時までと長く、午前中から、煮込みを肴に瓶ビールを呑んでいるおじさんが普通にいたりして、まるで昭和の時代からタイムスリップしたかのようなその風景がまずなんとも言えない魅力の一つです。
しかし、のんびり気分のお客さんとは対象的に、岐阜屋の料理人たちはかなりの激務。ぐるりと店全体を囲むようにカウンターがあって、その真ん中に厨房が設置されているのですが、四方八方から絶え間なくお客さんの注文の声が飛んでくるので、料理をさばくために、ものすごいスピードで中華鍋を振りまくっています。特にメモを取る様子もないのですが、間違えることなく、注文通りの料理をカウンターに次々と置いていく。もはや曲芸レベルです。
そして岐阜屋の良いところは、どのメニューを頼んでも安くてそこそこウマいこと! この「そこそこ」というのがポイント。何度食べてもいつ行っても安心できて食べ飽きず、良い感じなのです。筆者はたまに一人でこの『岐阜屋』に行くので、その料理の魅力をご紹介していきましょう。
王道の町中華メニューで至福のひと時を!
筆者がいつもオーダーする鉄板メニューは、餃子(430円)、木耳玉子炒め(630円)、チャーハン(680円)です。いわゆるザ・町中華の王道料理と言えるでしょう。
まずここの餃子。注文すると、大抵の場合、これが先に出てきます。大きすぎず、小さすぎず。絶妙なサイズ感で、実に理想的な焼き具合です。
まず、皮のカリッと香ばしい面と、つるっとした面のコントラストが素晴らしい。中身はさっぱりした野菜多めの肉餡。味がしっかりついているので、調味料をつけずに食べても美味。ふんわりしていて軽快なので、ビールのアテにも最高です。
続いて、店の人気メニューの一つ「木耳と玉子炒め」。プリップリのキクラゲ(木耳)を主役に、チンゲン菜やニンジン、玉ねぎといった野菜が脇を固めます。そして玉子もたっぷり。とろ〜りとした餡は、塩味や甘味は控えめで、中華スープの旨味が濃いものの、これまた軽めの味わいで、レンゲが止まりません。
しかし、もしチャーハンを頼んでいた場合、この「木耳と玉子炒め」は半分くらい残しておいて、一緒に味わうのがベストです。
ここのチャーハン、まず作る様子からしてスゴい。料理人のおじさんが、中華鍋に油と卵をちゃちゃっと投入し、そこに大きなお玉2杯強の白米を入れ、刻んだナルトとネギを加え、全編ほぼノールックで仕上げていきます。いたってフツーのビジュアルのように見えますが、食べてみるとこれがしみじみ美味しい。
チャーハンの隙間に空気を含むような炒め具合、ごはん粒のパラパラ感、そして絶妙な水分量でしっとり感もある。そしてこれも味がしょっぱすぎず、ひたすらちょうどいい。チャーハンが名物という店は都内に多くありますが、ここはそれを売りにはしていないものの、正直、筆者は名物料理と呼んで良いんじゃないかと思っています。
そして、残しておいた「木耳と玉子炒め」をチャーハンに載せて一緒に食べてみると、さらに旨さが加速します。パラパラなチャーハンにとろ〜り玉子のあんかけ。ここの料理はどれもこれもしつこくなく、味も濃すぎないので、この2つの共演は最高です。
『岐阜屋』には、ご紹介した料理以外にも、たくさん美味しいメニューがあります。まだ行ったことがないという人は、ぜひ訪れてその昭和感を体験してみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:中華料理 岐阜屋
住:東京都新宿区西新宿1-2-1
TEL:03-3342-6858
営:9:00〜翌1:00
休:無休