タオルには柔軟剤を使わないほうがいい? タオルメーカーが解説する理由に「納得」
タオルを洗濯する時に、洗剤のほかに柔軟剤を入れる人は多いのではないでしょうか。
タオルがふんわりとした手触りでいい香りがすれば嬉しいものですが、タオルと柔軟剤、それぞれの性質を考えると、実は相性はよくありません。
今治タオルの専門店『八木満タオル』のブランドサイトでは、タオルと柔軟剤の関係性、洗濯に使わないほうがいい理由を紹介しています。
多くの人が求める『ふわふわのタオル』を維持できるよう、洗濯のコツを学んでおきましょう。
相性が悪い理由は『界面活性剤』
柔軟剤と聞いて衣類をふわふわにする、いい香りが付くといった効果を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
柔軟剤の主な役割は『衣類を柔らかくする』ことですが、そのほかにも『静電気を抑える』『埃や花粉の付着を防ぐ』などの効果も期待できます。それを実現するのが、柔軟剤に含まれる『界面活性剤』です。
界面活性剤は洗濯洗剤やせっけんにも使われていますが、柔軟剤に含まれるものとは種類が異なります。一般的な柔軟剤に含まれているのは、親水性の高い『陽イオン界面活性剤』です。
『八木満タオル』では、陽イオン界面活性剤の仕組みを次のように解説しています。
水の中では、衣類やタオルは、マイナスの電荷を帯びています。すると陽イオン界面活性剤は、マイナスの電気に引き寄せられ、図のように繊維に吸着します。すると、油になじみやすい親油基が、外側に向いて並ぶようになります。つまり繊維のまわりに、極薄い油膜が覆うような形になります。
八木満タオル株式会社 ーより引用
陽イオン界面活性剤により繊維に油膜が張られ、生地が滑らかになりますが、この油膜がタオルにとっては天敵なのです。
『八木満タオル』では、その理由を次のように紹介しています。
油膜ということは、疎水性、つまり水を弾いてしまいます。そうです、タオルに備わっている吸水性をダウンさせているのです。また柔軟剤の油膜が張ると、洗濯をしても汚れや洗剤が綺麗に落ちず、生乾き・臭い・劣化の原因につながります。
八木満タオル株式会社 ーより引用
タオルと柔軟剤の相性が悪いのは、タオルにもっとも必要となる『吸水性』が落ちてしまうことです。タオルの機能性を保つのであれば、洗濯洗剤のみで洗濯するようにしましょう。
とはいえ、洗濯洗剤だけで洗い続けると生地がゴワゴワし始め、最終的には硬くなってしまいます。そのような時は、少量の柔軟剤を入れるようにしましょう。
タオルと相性が悪い柔軟剤ですが、肌触りが重要となる衣類とは相性抜群です。それぞれを気持ちよく使うために、衣類とタオルは分けて洗濯するようにしましょう。
普段の洗濯でふわふわタオルを保とう
※写真はイメージ
タオルは使い続けることで硬くなってしまいますが、買った当時のふわふわをできるだけ長く保つ方法もあります。
普段の洗濯では、規定の量より『水を多めにする』ようにしましょう。タオル同士の摩擦がなくなることで、繊維の痛みを減らせます。
また、干す際には『バンバン』とタオルを大きく振り、寝てしまったパイルを立ち上がらせましょう。自然乾燥する場合は『風通しのいい日陰』に干し、長時間干し続けないように注意します。
乾燥機がある場合は80%ほどを自然乾燥させ、乾燥機で15分ほど乾かすようにしましょう。タオルのダメージを最小限に抑えられるだけでなく、パイルがより立ち上がってふわふわに仕上がります。
[文・構成/grape編集部]
出典 八木満タオル株式会社