サッカー日本代表と激突するサウジが控え選手だらけになる!?「金満リーグの代償」
10月10日、W杯アジア最終予選第3戦で森保ジャパンが対戦するFIFAランキング56位のサウジアラビア。W杯出場6回、前回カタール大会では、初戦でメッシ率いる優勝国のアルゼンチン代表から大金星をあげたアジアを代表する強豪国だ。
最終予選ではオーストラリアと並ぶ日本代表の最大のライバルで、現在はグループ2位。ただし、初戦では格下のインドネシア(129位)と1-1のドロー。2戦目の中国(91位)との試合でも先制を許した上にレッドカードで退場者を出す劣勢の中、後半45分になんとか逆転に成功。2-1で辛くも勝利を収めている。
インドネシア代表は主力がオランダ系の帰化選手たちでランキングと実力が見合ってないとの見方もあり、今回の最終予選ではオーストラリア代表ともスコアレスドローとなっている。だが、日本が7-0で圧勝した中国にも大苦戦を強いられ、これまでのような中東の雄というイメージはない。
「サッカーファンたちが指摘する弱体化というのは言い過ぎだと思いますが、サウジ代表の選手の多くは明らかにコンディション不足。その原因は、彼らがプレーする国内リーグにあります」(大手スポーツ紙サッカー担当記者)
サウジプロフェッショナルリーグといえば、近年はC.ロナウドやネイマールなど欧州のビッグクラブで活躍した大物選手たちが多数所属していることで知られる。実は、彼らが加入したことでサウジ代表メンバーからレギュラーの座を奪ってしまったのだ。
最終予選に登録している同国の代表選手の約20人が所属クラブで控えという状況に対し、同国を率いるロベルト・マンチーニ監督は9月9日の会見の際、「20人の選手が地元リーグの試合でベンチに座っている。代表選手は所属クラブのキープレイヤーでなければならない」と思わず本音を漏らすほどだ。
「サウジリーグはアル・ヒラル、アル・ナスル、アル・イテハド、アル・アハリの4強。海外の大物選手もサウジ代表選手もこれらのクラブに集中しています。しかも給料が高いため、自国選手の他国リーグへの移籍志向も低い。試合勘なども鈍く、これらのシワ寄せが代表チームの低調な試合ぶりにつながっています」(同)
対戦相手の日本にとっては、最終予選のライバル国が不調なのは喜ばしいことなのかもしれないが…。