9月27日から公開される映画「Cloud クラウド」で主演を務める菅田将暉。その宣伝を兼ねて9月20日朝放送の「あさイチ」（NHK）、同日夜放送の「A‐studio」（TBS系）、22日放送の「日曜日の初耳学」（TBS系）に連続出演した。

　そこで語った役者仲間4人（妻を含む）に対する端的なコメントと、長弟であるマルチクリエーターの「こっちのけんと」が今年5月にリリースした楽曲「はいよろこんで」をさりげなくアピールする様子に驚いてしまった。

　菅田将暉って本当に頭がいいんだなぁ。「あさイチ」では、公開中の映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」で主演する吉沢亮のことを「おりょう」と呼んでいると明かし、「おりょうはこんなにかっこいいのに、かっこ悪いのが似合う人。ダサい仕草がすごくチャーミングと言うか、うまい」と吉沢が耳にしたら喜びそうなコメントを披露。

　最近は魚をさばくことにハマっていると話している時には、「（重さが）5キロぐらいまでは家でもさばけるんだなって」最近わかったという菅田に、MCの博多大吉が「5キロぐらいまでなら、まだ『はいよろこんで』と。フフフ…」と意味深な笑みと視線を送られると、すぐさま菅田はうなずいて「『はいよろこんで』って…」と笑顔になり、大吉はさらに「『あなた方のため』にって…」と返した。実は『』の部分は「こっちのけんと」の「はいよろこんで」の、冒頭の歌詞のため、それに気付いた人々からはSNSで称賛されることになった。

「A‐studio」では、MCの笑福亭鶴瓶と仲野太賀が大きく口を開けて笑っている取材時に撮られた写真を見ながら「いまだに（仲野から突然の電話）連絡で、『今（菅田の）家の前におんねんけど、おる？』って。そんな（『サザエさん』の登場人物であるカツオと中島くんのように）『磯野、野球しようぜ』みたいな、まだその距離感ってもうないじゃないですか？」と仲野との“近い距離感”を説明。さらに「この歯、全部見せて笑う笑顔がいいですよね。やっぱ人の心にスッと入ってくる」と仲野の魅力をサラリとコメントした。

　かと思えば、菅田の妻である小松菜奈と2019年公開の映画「閉鎖病棟」で共演した鶴瓶が、「何かケーブルをさばいたりしてる女の子がおるからフッと見たら、自分のとこの嫁（小松）。『何してんねん？』って聞いたら『いやもう時間ありますから手伝います』って」と、小松が自分の出番終了後にスタッフの片付けを手伝っていたと証言。「本人（小松は）イヤがるかもやけど、めちゃめちゃいい人よ」と、その人柄に太鼓判を押した。

　すると菅田も「ボクが共演した時も衣装部にいました。ベンチコートにカイロ貼ってました」と小松がスタッフの手伝いをしていたと述懐。鶴瓶から「お前よう結婚したなぁ、あの人と！」と声をかけられると、菅田は「ありがとうございます」と2度くり返し笑顔になった。

　スタッフがどれほど忙しく働いていても、自分の出番が終わると知らんぷりする女優が多い中、スタッフの仕事を進んで手伝う小松のことを鶴瓶は「普通の普通」と表現。それを受けた菅田も「普通の普通ですよね。ボクもたまに不思議に思う時ありますね。あれだけ世界的な仕事もしつつ、普通なんで」と小松の人柄の良さをさりげなく後押しした。

「日曜日の初耳学」では、2022年1月期放送のドラマ「ミステリと言う勿れ」（フジテレビ系）で共演した伊藤沙莉に対し、同作第1話の撮影中に、沙莉の兄でお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介が出場した漫才日本一決定戦「M-1グランプリ」の決勝生放送があったと回顧。その日は「本人（沙莉）はもちろん現場に集中したいんだけど、ずっとソワソワしてて」と言い、休憩時間になるとスマホで兄・俊介の結果を調べて一喜一憂する姿に「すごい『お兄ちゃんのこと大好きなんだな』と思って」いたそうだ。

　撮影現場では私情をさらけ出す人は少ないとしながらも「でも人間だし『（自分を）抑え込みすぎなくてもいいな』と、ボクは結構思うんですよね。そういう人間的エネルギーの俳優部によって、現場の空気って作られたりするんで」と言い、「一見、役者のイメージだとそこでも『スン』としてって、あるじゃないですか。（沙莉は）そうじゃないとこが、人間味があって魅力的だなと思いました」と沙莉を称賛した。

　今から6年前の4月19日、日本大学理工学部駿台キャンパスで開催された「ファンタ60周年記念“カンパイ”特別授業」にサプライズ登場した菅田は、今の自分があるのは「チャンスをつかんだというより、結局は人の出会いだと思う」と言っていた。それを目前で聞いていた私は「菅田将暉って頭がいいんだなぁ」とぼんやり感じていたのだが、具体例を挙げて証明された気分になった。

　菅田将暉31歳の活躍を今後も見逃がせない。

（津島修子）