社内の重要な業務は仕事のできる人に任せるべきだが、現実はそう上手くいかないこともある。大阪府に住む30代の女性は、以前勤めていたIT企業の営業事務を2か月半で退職した時の体験を語った。

「給与は高い方で残業も無く環境は良かったが、離職率が30%と高かった。 30人しかいないのに1年で12人辞めたと聞いた時は驚いた」

どうやら、好待遇なのに離職率が高い原因は社内の管理部にあるようで……。（文：國伊レン）

事務職なのに机に電話がない 「電話機がある人の席まで走って電話を取っていた」

入社当初から、女性はこの会社に違和感を覚えていた。

「入社前の健康診断が自腹だったのがネックに感じたが、入社してからは経費が申請出来ず、本社に郵送する書類の郵送代が自腹だった」

「事務で採用されたのに自席に電話機が無く電話が鳴った場合、電話機がある人の席まで走って電話を取っていた」

どうやら必要経費を極度にケチっていたようだが、これでは仕事がままならない。女性は非効率すぎる仕事の環境を変えるため「電話機を自席に置いて欲しい」と管理部に要求したが、却下されてしまった。この職場では何をするにも管理部に相談しなければならず、しかも

「この管理部が仕事が出来ないので間に入るだけで間違った情報を言われたり、伝書鳩の様な動きしかせず、直接他の部署に聞けば済むことなのに必ず間に入ってきて、忙しいとアピールされ効率が悪かった」

と、日々ストレスを感じていた。

「目をつけられた人は終業後に1時間説教」

彼らは仕事が出来ないだけでなく、人間性にも問題があった。目をつけられた人は不当な言いがかりで終業後に1時間説教されるなどのパワハラを受けており、女性自身も

「管理部の言う通りにしたら間違っていたらしく説教され、言われた通りにしただけど訴えても伝えてきた本人は関係ない素振りを見せてきた」

と、理不尽な目に遭った。こうした環境に頭に来て「中心人物が仕事が出来ないと会社として駄目だ」と感じ、退職したという。

会社を辞めた事に対して「管理部だけがネックで労働環境は良かったと思うので、管理部さえ有能だったら続けていた」と振り返る女性。だが

「同期は入社2ヶ月で蕁麻疹を発症し、私もストレスが凄かったので辞めて後悔はない」

と断言し、未練はないようだ。

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