キッコーマンが開発した「くびれフィットボトル」が持ちやすくて注ぎやすいワケ

 日本人の多くが使っているであろう、キッコーマンの「キッコーマン しょうゆ1L」。従来品でも取り立てて不便はなく、持ちやすく注ぎやすいものでしたが、この8月から一部地域で、順次、新タイプのペットボトルに切り替わっていることをご存知でしたか?

 新装されたペットボトルの名は「くびれフィットボトル」。

 従来ペットボトルの中央部分のくびれをより広くしたものだそう。しかし、実際に使ってみないことには、その良さがわからないのも正直なところ。今回は、従来ペットボトル、くびれフィットボトルを入手し、その使い勝手を比較。さらに「使い勝手以外の効果もある」という、ある秘密について、キッコーマン担当者に聞きました。

より指にフィットするようになった「くびれフィットボトル」

 前述の通り、筆者は従来ペットボトルになんの不満も抱いていませんでした。中央から下部にかけて入るペットボトルの溝は実に持ちやすく、滑ったりしたこともなし。

 しかし、この従来ペットボトルの良いところを踏襲しながら、さらに持ちやすくしたのがくびれフィットボトル。人間の指にフィットするよう、中央部のくびれが広くなり、より滑りにくく持ちやすくなったんだそう。

持ちやすくなってより安定した「注ぎ」が実現

 実際にしょうゆを注いでみて、くびれフィットボトルの持ちやすさを強く実感しました。しょうゆを注ぐ場合、当然ペットボトル自体を斜めに傾けるわけですが、この際、従来ペットボトルの場合、持つ手に少々の力を込める必要がありました。

 しかし、くびれフィットボトルではその持ちやすさにより、力が軽減。結果的により安定した「注ぎ」を実現できるようになっています。確かにこの持ちやすさ、注ぎやすさは、従来ペットボトルを凌駕しています。

開発まで3年の月日を費やしたくびれフィットボトル

キッコーマン担当者によれば、今回のくびれフィットボトル開発には3年もの月日を費やしたと言います。

「キッコーマングループでは、常にお客様にとってさらに使いやすい容器包装の開発に取り組んでいます。その一環でくびれフィットボトルを開発しました。より持ちやすく注ぎやすくするため、くびれを広くしながら、軽量化と強度も保つという点で苦労しました。検討開始から導入まで、およそ3年かけて実現しました」(担当者)

 ちなみにこのくびれフィットボトルは、従来ペットボトルよりも重量が10%軽くなったことで、プラスチック使用量の削減にもつながります。環境にもやさしいんですね。

まとめ

 キッコーマンは食品そのものはもちろん、「容器」にもこだわり続けたメーカーです。

 グッドデザイン賞を受賞した「卓上びん(しょうゆ)」は、2018年に「立体商標」として登録された、日本のプロダクトデザインを代表する一品です。また、しょうゆの容器としてペットボトルを採用したのも、実は1977年のキッコーマンが食品業界では初。2011年にはしょうゆの劣化を抑える「密封ボトル」を開発するなど、食品同様に容器も進化し続けているのです。

 そんなキッコーマンだからこそ今回のくびれフィットボトル開発にも至ったのだろうと思いました。

「食品メーカーでは初めてペットボトルを採用した『キッコーマン しょうゆ』の1Lボトルをさらに進化させたのが、今回のくびれフィットボトルです。より使いやすい容器に進化した『キッコーマン しょうゆ』をぜひ体感してみてください」(担当者)

 軽くて持ちやすく、注ぎやすく、環境にも良いという一石三鳥のくびれフィットボトル。ぜひ使ってみてください。従来ペットボトルとの差に感動を覚えるはずですよ!

(取材・文=松田義人(deco))

2024/9/6 8:30

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