秘蔵の酒に出会えるチャンス! 人気イベント「北アルプス呑み歩き」が9月14日・15日で開催

●2024年9月14日(土)と15日(日)、長野県大町市内の酒蔵とブリュワリー4軒の「北アルプス呑み歩き」が開催。参加する酒蔵とブリュワリーを紹介します。

 今年で14回目となる飲み歩きイベント「北アルプス呑み歩き」が9月14日(土)と15日(日)の2日間、開催されます。開催場所の長野県大町市は、JR長野駅からバスで1時間ほどの距離。本数は1日1本ではありますが、新宿駅や立川駅からあずさ60号に乗れば、乗り換えなしでも行けるのでおすすめです。

長野県大町市は“水のまち”。蛇口をひねれば湧き水が出る稀有な場所

 長野県と言えば、有数の「水のまち」ですが、その中でも大町市は別格です。北アルプスの頂、信濃川水系の最上流に位置し、原水はすべて北アルプスから自然にろ過された湧水。最低限の塩素滅菌のみで、蛇口をひねれば湧き水が出る非常に稀有な場所なのです。

 一般的に、軟水は硬度100未満のもの、硬水は硬度300以上と分類されていますが、大町市内の上水道はなんと20以下の超軟水。市内の東側は「女清水」(おんなみず)、西側は「男清水」(おとこみず)と名付けられ、若干、女清水の方が男清水と比べて柔らかいとされています。とはいえ、いずれも雑味はおろか、まろやかささえ感じられる非常に清い水質ですので、飲み比べしてみるのも楽しみの一つですね。

 そんな水で醸した酒は、さぞ美味しかろう。ということで、来週末開催される「北アルプス呑み歩き」に参加する酒蔵を一足お先に取材してきました。

呑み歩きツアーに初参加の「北アルプスブルワリー」。元珈琲職人が醸すクラフトビール

 まずは今回初参加となる『北アルプスブルワリー』。2019年に誕生したビール醸造所で、カナダ人の元珈琲職人が醸すクラフトビールが人気を呼んでいます。醸造所を構える際に一番重視したのは水の素晴らしさ。大町市の超軟水で造るビールは、ラガーはよりすっきりと、エールものど越しがクリアで、ビアギークだけでなく、ビギナーからも高い評価を受けています。

 驚くべきは、缶から注がれたビールでさえも非常に雑味なく、ドラフトのおいしさをそのまま閉じ込められている点。もちろん「サーバーからはもっと美味しい」のだから、度肝を抜かれることでしょう。

 元珈琲職人が造るコーヒービール「コーヒーパンチ」や、クラフトビールのアメリカで生まれ、今や世界中に流行している「ヘイジーIPA」など、気になるタップが多く、飲みすぎ注意です!

●SHOP INFO

北アルプスブルワリー

住:大町上仲町4136-6

https://lp.n-alps.beer/

老舗の酒蔵『市野屋』は女性からも人気も高い日本酒が話題

 1865年創業、明治時代の土蔵群が残る酒蔵です。2023年より、「食す快楽を最大限化するSAKE」をコンセプトに新日本酒ブランド「RYUSUISEN」をスタート。地元県産の「美山錦」や「ひとごこち」などを使った酒を醸しています。

 2022年に導入した秋田杉づくりの麹室で麹を造り、ほのかに杉の香りがするのも特徴で、生酛(きもと)づくり(乳酸菌を取り込み酵母を育てる製法)を得意とする女性杜氏も活躍しています。女性からの評価も高く、アジアを中心に世界展開もしている実力派の酒蔵です。

●SHOP INFO

市野屋

住:長野県大町市大町2527-イ

https://ichinoya.com/

日本酒「白馬錦」で有名な『白馬錦酒造』(旧 薄井商店)

 日本酒「白馬錦」で有名な『白馬錦酒造』。1906年(明治39年)創業した酒蔵は、地下に「清酒貯蔵庫」があり、夏場でも日本酒にとって最適な温度で管理されています。半径7kmの農家で栽培された米だけを使い、女清水で醸す日本酒は、令和5年度『新酒鑑評会』にて「金賞」を受賞。『オーストラリア酒アワード2024』では、「ゴールド賞」を獲得しています(いずれの銘柄も「白馬錦 金紋錦 純米大吟醸」)。

 平成19年より就任している松浦杜氏は、食中酒として楽しめるように「甘からず、辛からず、呑み飽きない酒」を目指しています。「杜氏は生き物相手の仕事。まだ解明されていない発酵の世界を追求していきたい」と、伝統を重んじながらも意欲的に新しい日本酒の世界を広げています。

 その情熱が形となったのが、「STARS AND SPARKLES」。長野県産のひとごこちを原料米に、シャンパンと同じ原理を用いて瓶の中で二次発酵させることで、細やかな泡とジューシーな香りを表現。日本酒の新たなファンを取り込む一本を生み出し続けています。

●SHOP INFO

白馬錦酒造

住:長野県大町市大町2512-1

https://hakubanishiki.co.jp/

常に最上の酒造りを目指す1923年創業『北安醸造』

 最後は1923年創業の『北安醸造』。大町市内で最大級の木造建築の蔵で、二階に麹室のある珍しい造りです。北安の最大の特徴は、冬に醸造されたすべての銘柄の酒を一升瓶で貯蔵している点。純米大吟醸など温度管理のシビアな銘柄のみ、この方法を取る酒蔵もありますが、すべての銘柄を一升瓶で貯蔵するのは非常に稀有。「日本酒にとって一番良い貯蔵法」であると、手間を惜しまず取り組んでいます。

 さらに、米を洗う水、浸水の水、仕込みの水を変え、使用する原料米の8割は杜氏が栽培しています。『北安』が目指す酒の頂点を常に更新するほどのこだわりをもって、毎年情熱を込めて醸されています。

 ラベルには、蔵の近くにある大黒天様や小槌があしらわれ、縁起物として酒好きへのギフトにも喜ばれています。

●SHOP INFO

北安醸造

住:長野県大町市大町相生町2340-1

https://hokuan.co.jp/

『北安醸造』は14日のみの参加です。すべての酒蔵を回りたい人は、ぜひ14日に足を運びましょう。さらに、3年に1度開催される長野県内最大の国際芸術祭「北アルプス国際芸術祭」も11月4日まで開催しています。

 酒とアートという、マニアにはたまらない魅力的な取り合わせですね。お好みの日本酒やビールを片手に、町中に出現するアート作品や大町市内の町並みを思いっきり楽しめそうですね。

 大町市で郷土料理を味わえる『創舎わちがい』では、「北アルプス国際芸術祭2024」を記念した限定メニュー「芸術祭 塩の道お祭り御前」(お酒の料金は別途)を提供しています。呑み歩きイベントと合わせて、大町市のグルメも楽しんでみてはいかが。

(撮影・文◎亀井亜衣子)

●DATA

北アルプス呑み歩き

期間:2024年9月14日(土)・15日(日)

時間:13:00~17:00

会場:白馬錦酒造(白馬錦)、北安醸造(北安大國)、市野屋(RYUSUISEN)、北アルプスブルワリー(クラフトビール※最初の1杯のみ無料)    

料金:9月14日(土) 3000円、9月15日(日) 2500円(※北安醸造は14日のみ参加)

※チケット購入方法:オンラインチケットまたは、『いーずら大町特産館』にて現金購入。詳細はホームページをチェック

https://alps3kura.jp/

2024/9/4 10:50

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