【秘境】ヤミ金を連想させる1日1便しかない人口10人弱の離島に潜入した結果…

なんでも、本日8月30日は「闇金ゼロの日」らしい……。

先日、私(耕平)が初めて訪れた香川県で、なんだか「ヤミ金」を連想させる島に行ってきたのでご紹介したい。

香川は「うどん県」と呼ばれるほど、うどんが有名なのは周知の事実だが、瀬戸内海に面していることもあり、離島の数も日本で5番目に多いらしい。

沖縄の八重山諸島を中心に数々の離島を回っている “自称島好き” として、ここ香川県の離島もいくつか回ってみたいと考えていた。

どこに行こうか調べていると、何やら人口10人弱で1日1便しかないという離島を発見。その名も『牛島(ウシジマ)』

果たしてどんな島なのか? 実際に行ってみたら、国内有数の秘境と呼べる場所だった──。

・丸亀港から小型船で15分

『牛島』に向かうべく、JR高松駅から予讃(よさん)線で丸亀駅に向かう。

電車に揺られること約40分。丸亀市に到着。

そこから徒歩10分程度の場所にある、「丸亀港フェリーターミナル」から『牛島』にアクセスできる。

事前に調べたところ、『牛島』に行く便は12:10発の1日1便のみ。

乗船料は往復で940円。切符を購入して、出発時間まで待機する。

ちなみに『牛島』は経由地で、乗船するのは「本島」行きのフェリーだ。本島というと、沖縄本島みたいな大きい島なのだろうか? なんて予想していたら読み方が「ほんじま」だった。

あと丸亀からは「広島」にも行けるらしい。

と思ったら、2つとも『牛島』がある「塩飽(しわく)諸島」の島の名前だった

なんだか、いろいろとややこしい感じがしてきたぞ……。

・何もない秘境

出発時間も迫ってきたところで、フェリー乗り場に向かう。

定刻になり、フェリーに乗船。

船内に入ると、乗客は私を入れて10人にも満たない人数で、かなりゆったりしている。

そしてフェリーが出発。瀬戸内海を気持ちよく疾走していく。

約15分後、フェリーが減速して孤島の港に近づいていく。

そして牛島の港、里浦港に到着。そこで見たものは……

ガチで何も無さそうな秘境。

この島で降りたのは、私と郵便局員の人の2名だけ。郵便局員の人は仕事で来ているので、1日1便しかないこの島で観光目的で来たのは私のみという状況だ。

個人的にはこういう島に来たかったので、テンションはもうMAX! 丸亀港に戻るフェリーは14:21なので、約2時間の滞在になる。

この島にある集落は2つ。まずは港の近くにある「里浦集落」を散策する。

港沿いの道を歩いていくと、古そうな石碑みたいなもがある。

その奥を進んで集落に入ると、家はあるが人の気配がない。

さらに進んでいくと、古びたお寺みたいな建物がある。

ここは「極楽寺」というお寺らしく、丸亀市指定文化財に指定されている「無間の鐘(むけんのかね)」というものが置いてある。

門をくぐると、寺は雑草で覆われていた。

先に進むと「無間の鐘」が姿を現す。

この鐘の逸話として、撞(つ)いた人は「一度は栄華を極めるが、やがて没落する」というものがあるらしい。

そして、さらに奥に進んでいくと……

これまた、地面が整備されていない神社があった。

この神社は「聖(ひじり)神社」というらしい。何が祀(まつ)られているかは不明だった。

戻って瀬戸内海側に出て歩いていくと、桟橋があり島の象徴の一つである「赤灯台」と、瀬戸大橋が一望できる絶景スポットに辿り着く。

・時が止まる空間

「里浦集落」をひと通り周って、もう一つの集落「小浦集落」に向かう。

その途中に「牛島の昭和 写真展」という看板を見つけた。

少し歩くと「牛島集会所」という建物があり、どうやらこの中で写真展が行なわれているらしい。

玄関を開けてみると、古民家を改装したような造りだ。

もう一つの部屋には、昭和の牛島の写真が複数展示されている。

今や10人にも満たないと言われている牛島の人口だが、昔は活気付いていたようだ。

集会所を出て、ふたたび「小浦集落」を目指して歩いていくと、集落っぽい景色が見えてきた。

すごい……なんて、のどかな景色なんだろう。周りは鳥のさえずりと虫の鳴き声しか聞こえないほど、静かな空間。まるで時が止まったみたいな感覚に、一気に飲まれてしまった。

こちらは最初の「里浦集落」とは違い、人が住んでいる雰囲気がある。おそらく、この集落が牛島の中心地なのだろう。

自販機もお店もない島だが、この集落にはゲストハウスがある。しかし島外から食料などを調達しないといけないらしい。

集落を抜けて、さらに先に進んでいくと……

果てしなく広がる瀬戸内海の大海原が、ふたたび姿を現す。

そして海岸沿いに歩いていくと、住民の人数を遥かに超えるであろう数のお墓が集まる墓地があった。

これで探索は終了。帰りのフェリーに乗るべく、里浦港に戻る。そこには行きのフェリーで一緒に降りた、郵便局員の人も待機していてフェリーを待つ間、島のことをいろいろ教えてくれた。

ちなみに『牛島』という名前から、当初は沖縄県の八重山諸島にある「黒島」のように牛で溢れている島と思ったが、牛は1頭も見当たらなかった。

そして、帰りのフェリーが到着。

これにて、約2時間の秘境度満点の離島『牛島』の旅は終了した。

──そんなわけで短い滞在ではあったものの、知られざる香川県の魅力を体感できたのは、かなり良い思い出となった。もし香川県に旅行する機会があれば、中心地から少し足を延ばして、手付かずの自然を体験してみてはいかがだろうか?

参考リンク:丸亀市ホームページ

執筆:耕平 

Photo:RocketNews24.

2024/8/30 11:00

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