福岡でいま注目の個性派飲食スポット・裏六本松のディープな歩き方

●今福岡で注目のスポット、木造2階建ての施設『裏六本松プロジェクト』かつて学生街として栄えた福岡県・福岡市六本松エリアは近年複合的な都市計画が進められ、高層マンションや飲食・雑貨店が入る複合施設などが完成し注目を浴びています。

 一方、再開発によって変化する街並みに対し、「裏通り」的な存在として、新たな文化や交流を生み出すことを目指している木造2階建ての施設『裏六本松プロジェクト』があります。

 その『裏六本松プロジェクト』の主である・松島凡さん(以後、マスターボン)に取材をお願いしました。

 なぜなら、『裏六本松プロジェクト』には、マスターボン自身のお店『cafe CLARI(カフェ クラリ)』や台湾式のお粥やデザートを食べられる『頼家台湾料理』、香港出身の夫婦による『フレンチビストロOui』、店内で焙煎する『FusukuCoffee (フスクコーヒー) 』など、こだわりのお店が集結しているのです。

まずは『cafe CLARI(カフェ クラリ)』に向かう

 開口一番「時間はありますか?」と尋ねるマスターボン。取材に来ているのだから時間はあります。ちょっと案内したい場所があると店外へ。

「こんなところに『ヤクルト事業創業の地』があるなんて、福岡の人でも知らない人が多いみたい」(マスターボン)

「なんかいいでしょ?このひっそり感が。僕的に注目の観光スポットなんだよね」

 観光スポットではなくて、料理の取材をしたいんですけど…

ちょっと話が違う!全然取材をさせてくれない!

『裏六本松プロジェクト』に戻り、『cafe CLARI(カフェ クラリ)』での取材を準備していると、「うちの店はいいから、とりあえず2階に行こう」(マスターボン)

 2階には、「The Brewers Labo (珈琲研究所) 」をコンセプトに掲げるオーナーバリスタ・賦句 孝司 (フスクコウジ)さんのお店『FusukuCoffee (フスクコーヒー) 』と、本格的な台湾の朝食を楽しめる『頼家台湾料理』があります。この日は夜に取材に来たが『裏六本松プロジェクト』は朝も昼も楽しめそうです。

「どうしても食べて貰いたいハンバーガーがあるんだ」(マスターボン)

 言われるがまま、隣のビルに。もはや『裏六本松プロジェクト』ではない。

グルメバーガーとミルクシェイク専門店『HAMBURGER SHOP富吉』

 東京・人形町に本店を構えるグルメバーガー専門店『BROZERS’』の日本橋高島屋店で修行した店主が地元福岡で作ったグルメバーガーとミルクシェイク専門店。

「元芸人の旦那さんと銀座生まれの奥さんのお店です。僕は常連さんのお相手しないといけないんでお店に戻ります。食べ終わったらお店に来て」(マスターボン)

 奥さんの銀座生まれはマスターボンのウソでしたが、旦那さんの元芸人は合っているそうです。

シロップ漬けのオレンジの輪切りをそのまま挟んだ珍しいハンバーガー。

 シロップの甘味とオレンジの爽やかな香りと酸味、サワークリームの旨みある酸味、肉の旨みがつまったパテ、トマト、レタス、香ばしく焼かれたバンズ、頬張るごとに味わいが変わり、あっという間に完食。ボリューム満点、おなかいっぱい。

 シェイクも濃厚。8種類あるので、通って全部制覇したいところ。大満足。

 しかし、まだ肝心の『cafe CLARI(カフェ クラリ)』の取材ができていません。

 満足、満腹でお店に向かいます。

●SHOP INFO

HAMBURGER SHOP富吉

福岡県福岡市中央区谷1-14-24 sorisso六本松2F-C

https://www.instagram.com/hamburgershoptomiyoshi/

やっと『cafe CLARI(カフェ クラリ)』。マスターボン、22世紀の飲み屋を語る

「取材ですか?まだ、六本松で飲み歩く人は多くないと思うので良いチョイスだと思います。しかも、マスターボンの店は楽しい」と常連さんに話かけられ、そのまま楽しい会話に。

 楽しんでいると、次々運ばれてくる料理。

 絶妙の歯応えとピリっとした明太子の風味と濃厚なXO醬が食欲をそそります。満腹なのに。

 ピータンとししとうの組み合わせはズルい。にんにくの風味が効いたタレがお酒を誘います。

 パリッとした食感からの、ジュワッと餡。間違いないです。

「今出した料理は全部、『フレンチビストロOui』の料理。頼めば届けてくれるんです。さっきのハンバーガーも特別に届けてくれる」(マスターボン)

『cafe CLARI(カフェ クラリ)』の料理は撮らせないつもりに違いない、もうお腹いっぱいだしそれはいいかと諦めました。

「昔の博多の屋台って、電話して20人でお願いって言ったら、じゃー21時以降ね、って。21時頃行ってみると、3軒連なって準備してくれていた。それも、ラーメン、天ぷら、おでんとか別業種が連なって待っていてくれて。だから『cafe CLARI(カフェ クラリ)』も料理がどうとかこだわらずに、せっかく『裏六本松プロジェクト』にはいいお店があるんだから、そこの料理をここで楽しく食べればいい。22世紀の飲み屋はこうなるんです!」(マスターボン)

「マスターボン、いつもありがとうね!THANK YOU」と言って料理を運んでくるのは奥様。

「上のメニュー撮っておいて。東京ではこの値段で飲めないでしょう。ハエトリ紙もいい感じでしょ笑」(マスターボン)

謎展開、大人の部室

 いつの間にか、店の外で自転車のカスタムが始まっていました。

 店の脇に作業台のある飲み屋ははじめて見ました。

 パーツを取り寄せては作業して、この日、3ヶ月かけて完成した自転車を肴に、満足気に飲み語らう3人。

「もはや、大人の部室だよ」(マスターボン)

 22世紀の飲み屋の話はどこにいったのでしょう?

「自転車はマスターボンの趣味でストレス解消になっているみたいだから楽しそうでいいですよね。お店も色んな人が来て賑やかで楽しいですよ」(マスターボンのパートナー)

 最初は観光地を紹介されてどうなることかと思いましたが、結果、おいしく引きずり回された裏六本松の夜。そして、なんだかやさしく更けていったのでした。

『裏六本松プロジェクト』での体験は、ただの食事ではありません。新しい発見、美食、そして心温まる人々との出会いが待っています。ぜひ、あなたもこのディープなスポットを訪れてみてください。きっと満足することでしょう。

●DATA

裏六本松プロジェクト

福岡県福岡市中央区谷1-14-2

(企画・取材◎ヨネダ商店)

2024/8/24 12:00

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