ライアン・ゴズリング主演映画『フォールガイ』のユーモアのセンスが最高!元カノを演じるエミリー・ブラントにも注目です
【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。
今回ピックアップするのはライアン・ゴズリングさん、エミリー・ブラントさん共演のアクションラブコメディ『フォールガイ』(2024年8月16日公開)です。試写で観ましたが、ライアン・ゴズリングがカッコよくて面白くて最高!
では、物語からいってみましょう!
【物語】
実力派のスタントマン、コルト・シーバス(ライアン・ゴズリングさん)はアクションスターのトム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンソンさん)の代役として数々の危険なスタントをこなしてきました。でもある日、アクションシーンで事故に遭ったコルトは、体も心も壊して業界を去ってしまいました。
そんな彼の元に、旧知の映画プロデューサーから仕事の依頼が。その作品の監督は元カノのジョディ(エミリー・ブラントさん)。彼女に未練がある彼は仕事を引き受けますが、同時に行方不明になった主演俳優のトムを探してほしいと頼まれるのです。
【冒頭からライアン・ゴズリングの魅力炸裂!】
ライアン・ゴズリングといえば『バービー』(2023年)のケンが大好評でしたが、「それを超えるかも!」と思えるほど魅力的なのが、本作の凄腕スタントマン、コルトです!
どんな危険なシーンも果敢に挑戦する不可能ゼロのスタントマン。撮影現場を明るく盛り上げ、仲間からの信頼も厚い! 加えて、鍛え上げられた肉体美を惜しげも無く披露。冒頭、KISSの名曲「I Was Made For Lovin’ You」にのって軽快に登場するところから素敵です!
でも、彼の身に起こることはついてないことの連続。プロデューサーから行方不明のスター俳優を探せとムチャ振りされ、撮影では監督(元カノ)に過酷なスタントを要求され、人探しの途中で殺されそうになり……。コーヒーでひと息つきたいのにコーヒーマシーンが壊れていたりとか、ささいなことまでアンラッキー。
でもライアンの抜群のユーモアのセンスは、そんな不運を笑いに変えちゃう。最初から最後までずっとかっこよくて面白いんです!
【元カノ、ジョディのドSっぷりが最高】
たった1度のミスをきっかけに、自分に黙って業界を去ったコルトに怒っていた元カノのジョディ。そんなふたりも再会したら愛が再熱!
……かと思ったら、ジョディは監督の立場を利用して、ネチネチとコルトにお仕置きをします(笑)。
爆破シーンのスタントでは「なんかイマイチだったわね〜。もう1回」とコルトを追い込みます。もちろん彼の実力をわかっているからこそできることなんですが、このジョディのドSっぷりにはニヤニヤ笑いが止まりません!
アカデミー賞作品賞受賞作『オッペンハイマー』(2024年)ではオッペンハイマーの妻を演じ、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされたエミリー。さすが演技派、ライアンに負けないユーモアのセンス、最高です!
【アクション映画の撮影の裏側に興味シンシン】
スタントマンを主人公にしたことで映画撮影の裏側が垣間見られるのもこの映画の面白さ。それもアクション映画なので、火薬の量は半端ないし、肉弾戦、カーアクション、空中戦など何でもあり! 「こんな風に撮影していたんだ」と知ることができるのは楽しいし、ワクワクしっぱなしです。
実は、本作のデヴィッド・リーチ監督は元スタントマン。スタントマンの喜びも苦労も全てわかっており、彼らへのリスペクトも忘れない。だからこの映画はスタントマンが魅力的に輝いているのです。
【オマージュ作品や名曲の数々に泣く!】
セリフの中に過去の名作映画を散りばめた小ネタの数々もこの映画の魅力。『ノッティングヒルの恋人』『ターミネーター』『ラスト・オブ・モヒカン』などの名作がたびたびセリフに登場します。
映画業界が舞台ゆえに登場人物がみんな映画好きで映画について語るシーンもいい! またKISS、テイラー・スウィフトなどのヒット曲がガンガン流れる音楽も最高! とにかくテンション爆上げ要素が満載のエンタテインメントの快作なんです。
こういうド派手でカラッとしたエンターテインメント映画はやっぱりハリウッドの真骨頂! ぜひ大きなスクリーンでコルトこの大活躍を楽しんでくださいっ。
執筆:斎藤 香(c)Pouch
Photo:©2024 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
『フォールガイ』
(2024年8月16日より全国ロードショー)
監督:デヴィッド・リーチ
出演:ライアン・ゴズリング、エミリー・ブラント、ウィンストン・デューク、アーロン・テイラー=ジョンソン、ハンナ・ワディンガム、テリーサ・パーマー、ステファニー・スー
配給:東宝東和