“パリ五輪のドサクサに紛れてフェードアウト”か? 『ジョンソン』2週連続2時間SPの暴挙
ダウンタウンらが出演していたかつてのバラエティー番組『リンカーン』の後継番組として昨年10月にスタートした『ジョンソン』(いずれもTBS系)。かまいたち、見取り図、ニューヨーク、モグライダーという人気の若手芸人たちが新たな笑いに挑戦するという内容だったが、思うように視聴率がふるわず、今年9月末をもって終了することが報じられた。
最近は放送自体がほとんどなかった『ジョンソン』だが、世の中がパリ五輪で盛り上がっている真っただ中の7月29日に2時間スペシャルが放送された。実に10週間ぶりの放送だったが、残念ながらまったく話題になっていない。
今回のスペシャルでは、レギュラーメンバーたちが世界の“バズりスポット”に行って、バズりそうな動画を撮影し、SNSでの再生回数1000万回を目指すというもの。日本でまったくバズることができなかったなら世界でのバズりを狙う……という趣旨の企画ではあるが、当然バズるはずもない。にもかかわらず、翌週の8月5日も含めて、同じ企画で2週連続2時間スペシャルを放送するという暴挙である。
「そもそもパリ五輪で地上波テレビが埋め尽くされているなかでの2時間スペシャルなわけですから、TBSとしても視聴率を取りに行っているとは思えません。注目競技が目白押しな状況では、その裏番組は完全に“捨て枠”ですからね。TBS的には、人気番組をその捨て枠にぶつけるよりは、終了が決まっている『ジョンソン』をぶつけてやろうという魂胆でしょう」(テレビ局関係者)
『ジョンソン』の関係者にしてみればなんとも悲しい展開ではあるが、むしろダメージが軽減されるのではないかとの見方もある。
「一応は『リンカーン』の後継番組として、鳴り物入りで始まった『ジョンソン』だったわけですが、結局のところ箸にも棒にもかからなかった。出演者やスタッフにしてみれば、完全な黒歴史。だからこそ、パリ五輪のドサクサに紛れて2週連続2時間スペシャルという異例の形で企画のストックを放出し、そのままフェードアウトしようという狙いなのかもしれません。大コケしたのが目立つよりは、誰にも見られていないほうがまだダメージは少ないですから」(同)
残念な黒歴史になっただけで、テレビの歴史に何の功績も残せなかった『ジョンソン』。いったい何がよくなかったのか。
「“『リンカーン』の後継番組”ということでハードルが高くなってしまったのは、結構なネガティブ材料ですね。どうしてもダウンタウンというカリスマの影が見え隠れしてしまうので、下手に比べられて正当に評価されにくい側面はあったでしょう。また、今の時代は、地上波のゴールデンタイムで攻めたお笑い番組がウケないという現実もある。ディープなお笑いファンは、配信番組などに向かう傾向があるし、かといって『新しいカギ』のようなポップな企画に振り切ることもできなかった。何をしたいのかわからず、中途半端感はぬぐえなかったのでは」(構成作家)
さらに松本人志の性加害報道も少なからず影響しているとも囁かれている。
「『ジョンソン』がスタートした当初、松本さんと『ジョンソン』レギュラーメンバーが絡んだ時には、かなりの高確率で松本さんからの“ジョンソン終わるんやろ”的なイジリがありました。そういった形で多少なりとも話題にされていたのが、松本さんが休業したことで、イジリすらなくなってしまったわけです。そして、どこかのタイミングで必ずや放送されると思われていたのが、『リンカーン』メンバーと『ジョンソン』メンバーの対決企画だったんですよね。番組を盛り上げる最高の起爆剤となるはずだったのに、松本さんが不在となると実現も難しいでしょう」(同)
企画倒れだったことは否めないうえに、登場が期待されていた松本人志の不在という不運も重なり、打ち切りとなる『ジョンソン』。パリ五輪の盛り上がりのなかでひっそりとピリオドを迎えられそうなのは、不幸中の幸いなのかもしれない。