ファミマの新「冷し醤油ラーメン」が “元祖の店監修” でアツいので食べてみた / 白熱する「冷しラーメン業界」を見逃すな

当記事は、ある冷しラーメンについてのレビューである。実のところ、ここ約1ヶ月以内で筆者が冷しラーメンのレビューを書くのはこれが3本目である。それもほぼ立て続けに書いている。

このまま行くと「冷しラーメン特化型ウェブライター」という、すさまじく勇気の要る隙間産業へ突き進むことになるが、とはいえ今回出会った商品をおめおめと見過ごすことは冷しラーメンを愛する者として如何とも耐えがたい。

その商品の名は、「栄屋本店監修 冷し醤油らーめん」。このたび2024年7月16日に、ファミリーマートが新たに全国発売したものである。

注目すべきはやはり、「栄屋本店監修」の部分だ。山形にて看板を掲げる栄屋本店は、ファミリーマートの公式サイトに「元祖冷しらーめんで知られる店」と紹介されている。これを受けて、筆者が大変興奮したことは語るに及ばずである。

セブンイレブンが同店の風物詩とも呼べる「冷し醬油ラーメン」を発売し、さらには日清食品がカップラーメンの「冷しラ王」を誕生させた昨今の情勢下において、ファミリーマートが投下した本商品は相当な火種である。「冷し」なのに「火種」である。

興奮のあまり若干やかましくなっていることには目をつぶってもらうとして、ともあれにわかに激戦の気配漂う冷しラーメン業界に心弾ませつつ、筆者は実物を入手した。ちなみに価格は税込630円だった。

速やかに実食に移りたいところではあったが、しかし毎度、冷しラーメンのスープというものにはついつい見とれてしまう。オーロラのごとき光の揺らめきである。実際にオーロラを見たことはないが、もはや「見たことがある」と言い張っても差し支えないとさえ思える。

そんな美しいスープの上に並ぶ具材たちも、もやし、きゅうり、ネギ、コーン、チャーシュー、たまごと中々に幅広い顔ぶれで、総じてファミリーマートの気合の入りようが窺える。具材の豊富さだけで言えば、セブンイレブンよりもこちらに軍配が上がるだろう。

高まる期待感とともに箸を取り、麺をすすると、真っ先に強く感じたのは和風だしの風味であった。口内で柔らかに弾けたそれは、豊かな香りとコクを縦横に振りまいた。だしに溶け込んだカツオや昆布の成せる業に他ならない。

「突き抜けた爽やかさ」を重んじる冷しラーメンが多い中で、このラーメンはどちらかと言えば「濃厚さ」に軸足を置いて、芯の通ったパンチを繰り出してくる。むろん温かいラーメンよりは遥かに涼やかなのだが、「重い味わい」も備えている。何とも個性的である。

加えて、始めは和風だしばかりに気を取られていたが、食べ進めるにつれて牛の旨味の存在や、コシのある麺の質感にも気付かされる。いくつもの発見を用意している奥深さに、舌鼓が止まらない。夢中になって食べてしまうと言うより、何度も美味しさを確かめたくなる。

さすがは「元祖」、その面目が大いに立っている仕上がりだ。冷しラーメン好きの方はもちろん、そうでない方も素通りしては勿体ない一品と言える。ぜひとも夏が終わる前に、ファミリーマートへ駆け込むことをお勧めする。

改めて、冷しラーメン業界の向かう未来が楽しみで仕方ない。この心に嘘はつけない。たとえ筆者の行く先が隙間産業であれ、こうなっては突き進むのみである。「冷し」なのに、「火の玉」のごとく。

参考リンク:ファミリーマート 公式サイト

執筆:西本大紀

Photo:Rocketnews24.

2024/7/26 14:55

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