ドローン偵察が問題のカナダ女子代表、指揮官のチーム離脱を発表

 カナダサッカー協会(CSA)は25日、カナダ女子代表を率いるベブ・プリーストマン監督をチームから外したことを発表した。

 カナダ女子代表は25日にパリオリンピック2024(パリ五輪)初戦でニュージーランド女子代表と対戦し、2-1で逆転勝利を収めた。しかし、この試合前にはカナダ女子代表がニュージーランド女子代表の練習をドローンで偵察していたことが発覚し、大きな問題となっている。

 衝撃の事件が起きたのは22日、ニュージーランド女子代表がトレーニングを行っている上空にドローンが飛んでいることを発見。警察と国際オリンピック委員会(IOC)に報告すると、これを操作していたのが、カナダの非公認アナリストであるジョセフ・ロンバルディ氏だったことが明らかになった。

 これを受け、ニュージーランドオリンピックチーム(NZOC)は『開幕戦で両チームが対戦するわずか3日前に発生したこの事件に深く衝撃を受け、失望している』との声明を発表する事態となった。

 一方のカナダオリンピック委員会(COC)は「カナダサッカーの非公認アナリストであるジョセフ・ロンバルディ氏はカナダオリンピックチームから外され、直ちに帰国する。そして、ロンバルディ氏のアシスタントコーチであるジャスミン・マンダー氏もチームから外され、直ちに帰国となる」と処分を下したほか、カナダ女子代表のプリーストマン監督はパリ五輪初戦の指揮を自主的に辞退することを発表し、謝罪の声明を表明していた。

 すでに24日夜遅くにはフランス検察庁がロンバルディ氏を逮捕し、同氏が罪を認めて8カ月の執行猶予付き判決を受け入れたことを発表。一方、アシスタントコーチのマンダー氏は事情聴取を受けたものの、無罪となったことが明らかになっている。

 このような状況のなか、CSAが自主的に初戦の指揮を辞退していたプリーストマン監督に出場停止処分を下したことを受け、カナダオリンピック委員会はチームから同監督が外れたことを発表。なお、パリ五輪の残り期間はアシスタントコーチを務めていたアンディ・スペンス氏がチームを率いることも明らかになっている。

 プリーストマン監督のチーム離脱が決定したことを受け、CSAのCEO兼事務局長を務めるケヴィン・ブルー氏は以下のようにコメントを発表している。

「過去24時間の間にパリオリンピック2024開幕前に対戦相手に対してドローンが使用されたことに関する追加情報が明らかになった。これらの新事実を踏まえ、カナダサッカー協会はパリオリンピック2024大会の残りの期間、および最近発表された独立した外部調査が完了するまで、女子代表チームの監督であるベブ・プリーストマンを出場停止にすることを決定した」

2024/7/26 11:14

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