『27時間テレビ』霜降り明星・粗品、番組終了直後に「反省動画」収録していた
22日午前、霜降り明星・粗品がYouTubeチャンネル「粗品のロケ」を更新。「27時間テレビの粗品にダメ出ししまくった」という動画を公開した。
粗品は20日18時30分から21日21時54分まで『FNS27時間テレビ 日本一たのしい学園祭!』(フジテレビ系)に出演。粗品によれば動画の収録開始時間は22時40分とのことで、感動のフィナーレからわずか46分後には新宿の吉本東京本社に移動してこの動画を撮影していたことになる。
動画は、『27時間テレビ』をすべて見ていたという動画スタッフの2人が、粗品にダメ出しをするというもの。気心の知れた仲間たちからの指摘に、粗品は反省したり釈明したりと、和やかな雰囲気の動画となっていた。
今回の『27時間テレビ』は、粗品という芸人が現在のバラエティのド真ん中に屹立する存在であることを改めて証明した番組だった。粗品は、連日ネットニュースを騒がせてきた言動がすべてこの番組への振りだったかのような立ち居振る舞いを見せた。
オープニングから臆することなく、ロックバンド・KEYTALKのメンバー脱退や直前に離婚を発表したばかりの金田朋子と森渉といったイジりにくいスキャンダルに触れて空気をほぐし、ひな壇に同局の港浩一社長、関西テレビの大多亮社長の顔を見つければ、ドジャース大谷の自宅報道問題を蒸し返して権威を剥がしにいく。粗品が視聴者が言ってほしいことを言い、相方のせいややほかのメンバーがそれを制止することで粗品だけが悪者になり、画面には爽快感だけが残る。
『さんまのお笑い向上委員会』では、「学園祭でよくある仮装」というテーマで明石家さんまを含む参加メンバーが仮装ボケを披露する中、粗品はひとり「僕はアンチ宮迫」と言いながら「宮迫」の手書き文字に×印をつけたプラカードを手に怪気炎。宮迫との因縁にラジオで「粗品に言う(説教をする)」と発言したさんまに対して「さんまも」と呼び捨てにし、さんまの後を追うように粗品に対して苦言を呈した西川のりお、嘉門達夫の名前を挙げて「みーんな老害!」と言い放った。
『粗品ゲーム』はYouTubeでたびたび物議を醸している「1人賛否」を応用し、「粗品が言いそうなこと」をひな壇の芸人に言わせるという形式で過激な意見を引き出そうとしたし、『FNS逃走中』では狡猾で計算高いイメージそのままに確保から復活即自首で150万円を獲得するというイメージ通りのムーブでSNSを盛り上げた。
ここまで“悪童”として番組を牽引しながら『ハモネプハイスクール』では審査員として、絶対音感を持つ立場から誰よりも知見に富んだ審査を行い、年下の高校生に対して存分に敬意を払う。このギャップが出せる芸人は、芸能界を見渡しても粗品しかいないだろう。
今回の『27時間テレビ』を見ていて、感じたことがある。
粗品はかつて、「早く年を取りたい。早く40歳になりたい」と言っていたことがある。最年少で『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)に優勝したとき、粗品はまだ25歳だった。年上ばかりのテレビスタッフに思いが伝わらず、もどかしさを隠さなかった時期があった。
今、粗品は31歳だ。同じスタンスのまま40歳を待つのではなく、31歳の粗品としてあるべきスタイルを模索してきたのではないか。その結果としての過剰な毒舌キャラが正解かどうかはわからない。だが、今回の『27時間テレビ』での粗品は、年長者にとってはヒールであったし、若年層にとってはヒーローに映ったはずだ。総合演出の田中良樹氏、杉野幹典氏が粗品と同年代だったことも心強かったに違いない。
そして、あれだけの大仕事を終えてすぐ、打ち上げを断って反省動画を撮ってしまうのだ。どうあれ、粗品がおごっていないことだけは確かだろう。
(文=新越谷ノリヲ)