悲しいトラウマでできた「心の沁み」の消し方/山田玲司の男子更衣室

こんにちは、山田玲司です。今週生まれて初めて「ベルサイユのばら」を読みました。

もう「女による、女のための、女の物語」なんですね。

想像以上に渡る世間的なドロドロの世界で、女の意地とプライドの物語でもあるんですねえ。

前回「勃たない男問題」にお答えしましたけど、そういえばルイ16世も、アントワネットを満足させられなかった男でしたね。

その「モヤモヤの解消」のために、アントワネットは「猛烈な浪費」に走って民衆を苦しめていたならば、「勃たない男」はやがて「暴動」を呼び、革命の炎を起こす大問題なのだな、アンドレ!

ところでアンドレはオスカルを満足させてあげられたのだろうか?アンドレ!パリは燃えているか?

なんだか色々混ざっているぞアンドレ!

関係ないけどフェルゼンって面白い顔してますよね。そんな事はどうでもいい?

ですね!

しかし、70年代の漫画がまだまだ命を持って読み継がれているって素晴らしいですよね。

それでは今週も行くぞアンドレ!私を愛しているか?!一生私ひとりと誓うかー?!!

昔されたいたずらで男性を信じられない

(匿名希望・26歳・東京都)

Q.

小学生の頃、一時期4つ上の兄に性的悪戯をされていたのと、偶然にも父親が脱衣所を盗撮していた決定的な証拠を見つけてしまった経験から、男性に対するモヤモヤが通常の女性より強い気がします。

進路や職業の関係で、男性ばかりの環境に長い間身を置いてきましたが、前述の経験もあって、腹を割って話せる男性の知人は一人もいません。

警戒度が強いため変な人がよってこないせいか、恋人には恵まれてきました。今は二人目の方と交際4年目です。

ただ、時々、心の底で、自分の相手も、兄や父と同様のタイプなのではないかと疑ってしまったりしてしまいます。

この考えを相手に告白したくなることがありますが、そうすれば相手は自分が不名誉な疑いをかけられたことで傷ついてしまいます。

他方で、自分の人生に集中して、時が経過すれば薄れると思っていた不信感が、なぜか衣類の染みのようにジワジワ広がっている気がしていて、この先の人間関係に悪影響を及ぼすのではないか心配です。

なぜあのような行為をしたのか、する男性としない男性の見分け方が解れば少しは楽になると思うのですが、このような疑問を身近な男性に打ち明けるのはやめといた方がいいでしょうか。

A.

うー。これは僕なんかが、軽々しく「わかります、大変でしたね」とは言えない話ですね。

どんな風に慰められても、笑えない「辛い記憶」だと思います。

それが子供の頃の事であればあるほど「拭い難い心の染み」になって、自分を苦しませ続けるのだと思います。

身近な男性に話してしまって楽になれたらいいんですけど、これは相手を選びますよね。

今はこの事は、他人に(特に男には)言わないほうがいいんじゃなかなあと思います。

優しい男に当たればいいんだけど、中には貴方の辛い体験を「たいした事ない」と一蹴したり「俺のほうが大変だった」という話を始めるような「バカ男」がいますからね。

確かに問題は「男たち」との関係ですよね。

あなたが傷ついたのは当然だし、「男はみんな最低だ」と思ってしまうのも当然です。

許せない間は、許さなくていいと思います。

でもね……確かにそのままだと意識は「過去を向いたまま」になってしまって、先へ進めませんよね。

もちろん貴方と同じような辛い体験をした女性は沢山いると思いますし、確かにそういう「最低な男」はいますけれど、僕の知る限りでは彼らは「少数」です。

「誰もが妹や娘に性的行為に及ぶ」と、いうような事はありません。

ほとんどの男は、どんな女性に対しても相手の気持ちを考えるし、自分のやっかいな欲望を封じ込めて、紳士的に振る舞おうとして頑張っているものです。

DVだの性的虐待をしてくる「バカ男」の見分け方はあるか?と言われれば、確実なものはないと思います。

あえて言うなら「話をしてみる」しかないでしょう。

女を性的対象としてしか見ていない人は「自分の話ばかりする」とか「相手の身体の話ばかりする(おっぱい大きいね)」とか、大体は話していて「気持ちが悪くなる」人が多いと思います。

つまり「共感力」が低い人です。

「いい人を演じている悪い男」っていうのも、20代も半ばになれば直感で見抜けるようになっていくでしょう。

「優しい毎日」を送ること

それでも男(彼)が信じられないなら、逆に彼氏が「実は俺、子供の頃に姉と母親に性的悪戯をされてきたんで、女が信じられないんだ。

だから時々、君も同じなんじゃないかと思う」と言ってきたら自分はどう思うか?と考えてみる、という方法もあります。

酷い女もいるかもしれないけど、自分もその女たちと同じだと思われていたら悲しいですよね。

ここまで書いておきながら、何なんですけど、この「心の染み」はそんなに簡単に消えるものではないと思います。

幸いな事にあなたには4年も付き合える男の人がいます。その彼がくれた「楽しかった時間」とか「安心できた瞬間」や「慰められた言葉」が、沢山あると思います。

彼以外の男からも「優しい言葉」とか「笑わせてくれた瞬間」とか「励まされた事」なんかが、少しはあると思います。

その男たちのすべてが「性的目的のみ」で貴方に近づいてきたわけではないはずです。

そうした「良い思い出」を大切にしていけば、少しずつ心の染みも傷も薄くなっていくものです。

世の中の良い面を見れば、明日は良く思えてきます。

人に優しい対応をしていれば、ほとんどの人は優しく対応してくれます。

そんな「優しい毎日」を送る事が、トラウマを克服して先に進むのに1番の方法なんです。

そういえば「嫌な人と出会ってしまう事」は、人生に付きものの「苦」であるってお釈迦様が仰ってますよね。

「怨憎会苦」って言う苦しみです。それはどんな人でも逃れがたい苦しみで、貴方の場合はたまたまそれが、異性の家族だったわけです。

苦しいと思いますけど、痛みは消えていくものです。自分を責めずに、ゆっくりと回復していって下さい。

僕も「優しい女」って沢山いるんだなあ、と思えるようになりました。

男も色々なのがいますけど「優しい男」も案外いるものですよ。

Text/山田玲司

初出:2015.09.09

2024/6/27 4:00

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