山梨県だけどほぼスイス! 花咲く「ハイジの村」で1ヶ所だけものすごく違和感のある場所があった…

2年前に新宿区の保養所「グリーンヒル八ヶ岳」に泊まってからというもの、山梨県の北杜市が好きで何度も行っている。

八ヶ岳の雄大な自然、草花、おいしい水と空気、絵本から出てきたような森のペンションや美術館。すべてが港町出身の自分にとっては新鮮である。

駅前や観光案内所などいたるところに案内が出ている「ハイジの村」のことが気になっていた。

おそらく高原への憧れの元は幼い頃に見た『アルプスの少女 ハイジ』に出てくる風景だろう。童心に返るつもりで「ハイジの村」へ行ってみることにしたのだが……。

・花咲く「ハイジの村」へ…

八ヶ岳や南アルプスを望む観光地の至る所で目についた「ハイジの村」の看板。

北杜市にある「アルプスの少女ハイジ」の舞台・スイスを模した自然豊かなテーマパークで、四季折々の花が咲く非常に美しい場所なのだとか……。

自身のペンネームが御花畑マリコだから、というのもあるかもしれないが最近、やけに花畑に惹かれる。花はいいよね。

駅からは非常に遠いのだが、調べたところ、数時間に1本、JR韮崎駅前から観光バスが出ているそうな。

そのバスに乗ってレッツラゴー! まず、バスに乗ってて驚いたのが、乗客が私以外誰も乗っていないこと……。まあ梅雨だしなあ。

平日の昼だったというのもあるけど、貸し切り状態。「ハイジの村」以外にも、登山で有名な「みずがき山荘」とか、湯治ができる「増富温泉峡」とかを通るバスなんだけど。

ハイジの村は山の上手のほうにあるので、バスはどんどん山道を登って行く……。

・山の中にあらわれるスイスの町並み

バスに乗ること約20分で「ハイジの村」に到着。

着いて最初におどろいたのは、鳥のさえずりだった。

はじめは効果音か何かかな……と思ったけど、そうじゃないことには一瞬で気づく。

なぜなら、園内をたくさんのツバメが飛び回っているから! ツバメの巣があっちこっちにあって、ヒューンヒューンと眼の前を飛んでいくのだ。

ツバメは幸福の象徴。スイス風の建物もあいまって、メルヘンの世界に迷い込んだような気分だな。

しかし、平日、しかも雨の日ってこともあって人が少ないね……。圧倒的に人よりツバメの方が多いほど。

・スイスの街みたいな中に…

ハイジの村の中にはレストランやチャペル、花屋さんにハイジグッズなどの店が並んでいる。

どれも「ペーターのヤギ小屋」や「アルムの山小屋」、「デルフリ村のパン屋さん」「ヨーゼフの庭」など、ハイジの世界観に沿った前が付けられていて……

薔薇の苗や、ドライフラワーを使ったグッズなどが売られている。

レストランボルケーノというお店ではスイス料理のバイキングが食べられる!

価格は大人2000円、小学生1500円、3才以上が900円。

チーズフォンデュや、ポトフ、新鮮な野菜のサラダなんかが食べられる。ハイジがチーズを食べるシーンは誰もが憧れたよね〜!

・ものすごい違和感

しかし……個人的に気になりすぎるほど気になったのが「ロッテンマイヤーズカフェ」である。

クララとハイジの家庭教師である厳しいロッテンマイヤーさんが……

なぜか「桔梗信玄ソフト」を勧めている!!!!!!

「奥様、お嬢様 今日のおやつは、いかがいたしましょう?」

って、あのロッテンマイヤーさんはそんなこと言わんだろう。そもそもスイスを模した村で信玄餅を模した黒蜜ときなこの和風ソフトクリームが売られるギャップにもクラクラしそうである。

実はこれには深い理由がある。「ハイジの村」はもともと「山梨県立フラワーセンター」という施設だったのだが……。

業績不振で2005年にリニューアル。桔梗信玄餅でおなじみの「桔梗屋」に運営を委託しているのだ。

だからお土産コーナーには、ユキちゃんやヨーゼフのぬいぐるみの他に桔梗屋の信玄餅などが売られている。

こういう、大人の事情が垣間見えるテーマパークの「隙」みたいな部分、グッとくる。

桔梗信玄餅ソフトも美味しそうだったけど、私は「ヤギミルクのアイス」(お土産カップ付き)が気になったのでそっちを購入。サッパリしていて美味しかったよ。

・広大な敷地

このハイジの村。スイスの町並みとハイジの世界を模したテーマパーク部分はわりとこじんまりとしているのだが……。

実は全体で見ると驚くべき広さなのである。

もともとフラワーパークだったというだけあって、見どころは花と広大な自然の風景

日本一の長さをほこる薔薇のアーチもある。薔薇の見頃は過ぎていたけど、本当に長い。満開の時期はキレイなんだろう。

この日はあいにくの天気だったけど、晴れてたら南アルプスが見えてキレイだったんだろうな〜。

森の中の赤いベンチや山小屋がかわいらしい。

園内には湖があったり

ラベンダー畑もあった! 通るとラベンダーの花のいい香りがして、ミツバチが花の蜜を吸っていた。

ちなみに、少し離れたところに「クララ館」という温泉施設と「ペーター館」というレストラン施設もある。

・来る時期をミスってしまった

しかし、人の少ない園内を歩いていて思ったのは「来る時期を完全に間違えた」ということ。

園内の一番の見どころであるガーデンは植え替え中。

私が訪れた7月上旬は、チューリップや薔薇の季節が終わって、これから来るヒマワリの季節の準備をしている最中だった……。

梅雨の時期だとせっかくの青い空と緑の山並みのコントラストも見えない。

ちなみに、園内ではずっと「アルプスの少女ハイジ」のサントラがBGMで流れている

「ハイジ」のアニメはおんじやペーターとアルプスの山で暮らしていた頃は明るいけれど、町に下りてクララの家で暮らし初めてからはハイジがストレスで夢遊病になったりと暗い展開も多い。

そもそもアニメが放送されていたのは1974年と昔。そのせいか、なんとなくBGMが寂しく感じられるときもあり、人の少ない時期だとやたらとセンチメンタルな気分になるのだった。

とはいえ、私のような根暗タイプの人間にはこの人が少ない感じは心地よくもあった。

晴れた土日なら、もっと人がいると思うし、混雑を気にせずに落ち着いて見られるはず……!

自然が感じられるハイジの村、都会の喧騒に疲れた人は、花の時期と天気を調べて行ってみるのがオススメである。

参考リンク:ハイジの村

執筆:御花畑マリコ

Photo:RocketNews24.

2024/7/6 21:00

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