アルテイシアさんの連載でも、しばしば出てくる「結婚相談所」。

ひどい男性に当たったという話もあれば、すごく素敵な人と結婚が決まったなんて話も。

でも、実際のところはどうなんでしょう。

真正面から取材しても実際のところはわからないと思うので、

結婚相談所に10年勤務した女性・Aさんをお呼びしてお話しをうかがいました。

結婚相談所には、実際どんな人がいて、お互いにどんな希望を出しているんでしょうか。

年齢と容姿で使い分けが重要AM編集部員

そもそも「結婚相談所」って一口に言っても、いろいろあるみたいですね。

Aさん

そうですね。大きく分けて2種類あります。まずはデータマッチング型（情報提供型）。こちらはコンピュータが条件などマッチングした人の情報を自動的に毎週、毎月提供してくれるサービス。

AM編集部員

求人サイトみたいですね。「あなたの希望にあった企業が掲載されました！」って毎週メールくれますもん。

Aさん

そんな感じですね。で、もう1種類は、コンシェルジュやカウンセラーと呼ばれる担当者がお互いの抱えてる登録者を紹介しあうサービス。みなさんがイメージする「結婚相談所」ってこっちじゃないでしょうか。

AM編集部員

どっちがオススメなんでしょうか。

Aさん

年齢にもよると思うんですよね。若かったり、容姿が良かったりと、パッと見の情報にアピールポイントがある子はいくらでもアプローチがもえるので、データマッチング型でいいと思います。

人柄から合う人を紹介してくれるコンシェルジュがいるサービスをオススメします。

AM編集部員

1年婚活するとしたら、予算ってどれくらいなんでしょうか。

Aさん

会社によって違うんですが、1年でだいたい35万円くらいが相場かなと。例えば登録料3万円、情報料のようなものが12万円くらい、月会費が1万5千円から2万円未満、そして「お見合い料」として会う際に5千円から1万円かかる場合があります。

AM編集部員

結構するんですねえ。

Aさん

さらに成婚料がかかりますからね。成婚料は安いところで5万円くらい。高いところだと、男性の年収に応じて30万円くらいかかるところもあります。個人の小さい相談所ほど成婚料にコミットしている傾向がありますね。

AM編集部員

30歳前後が婚活するとしたら、婚活期間ってどれくらいが平均ですか？

Aさん

人によりますからねぇ。30歳前後ならば、大抵は1年以内が目標値ですね。

成婚どころか、会えない人たちAM編集部員

結婚相談所にはどんな男性が登録しているんでしょう。

Aさん

相談所のマーケティングの仕方によって全然違いますね。結婚をしっかり押し出した広告の会社には、恋愛経験が少ない堅めの人が多いですね。あとは、結婚をしたいけど本当に忙しくて、出会いがない人。それと、人間関係のしがらみを持たない出会いを求めてる人。

AM編集部員

恋愛経験豊富な男性もいるんですね。

Aさん

少数派ですけどね。でも、恋愛経験がある方たちは女性の婚歴を気にしないなど、いろんなことが許容できるので、比較的すぐに結婚が決まりますね。

AM編集部員

恋愛経験が少ない男性の成婚ペースってどうなんでしょう。

Aさん

振り幅がありますね。理想の相手像が固まってる人から、「自分を受け入れてくれる人なら誰でもいいです」っていう謙虚な人までいるので。

AM編集部員

どっちが成婚率高いですか？

Aさん

許容範囲が広いので断然後者です。それに、初めての恋愛だったりするので、一気に燃え上がって、一気に結婚までいきます。

AM編集部員

おー！

Aさん

お互い純粋だからでしょうね。昔のお見合いってこんな感じなんだろうな〜と思います。

対して、理想像がガチガチの人は難しいですね。

AM編集部員

なんででしょう。

Aさん

そもそもお相手に会えないんです。コンシェルジュは、条件や希望など「お互いに見合った人」を紹介するので、自分のスペックに対してお相手に望む条件が厳しすぎると紹介できないんですよね。

AM編集部員

なぜそんなに理想が高いんでしょうね。

Aさん

親からの評価しか受けたことがないんだと思います。「あなたは本当に立派に育った」とか「うちの家柄は素晴らしい」とか。

こちらが見合った方をご紹介すると、「うちの家柄的にちょっと…」「こういう人を母は受け入れてくれないと思う」とお断りされるので。

AM編集部員

親からの評価と、社会からの評価って違いますからね。しかも、大人になると他人に「そういうとこやぞ」なんて言わないですし。 コンシェルジュの方はストレートに告げるんですか？

Aさん

ある程度は言います。恋愛の経験値がない理由はなんだろう、異性のニーズはこうなってるんですよって。じゃないと、紹介できないことを理解していただけないし、成婚率が上がらないので会社の信用問題に関わります。

でも、データマッチング型の会社はどうかな。「とりあえず入会させる」って会社が一般的なので、自己評価が変わらないまま、誰からもアプローチされないままって月額だけ払い続けるってことが多いですね。

AM編集部員

悲しいですね…。

何歳でも「35歳未満の女性」を希望AM編集部員

男性ってどんな条件を希望してくるんですか。

Aさん

喫煙しない、婚歴がない。

あと、必ず出てくる希望が年齢。だいたい35歳未満の女性を希望しますね。これは男性が何歳でも同じ。

AM編集部員

男性が何歳でも…？40代、50代でも35歳未満希望？

Aさん

はい。自分は50代なのに20代の女性を希望するケースもあります。お金を出せば若い子と出会えると思ってるんでしょうね。加藤茶さんご夫婦みたいに。

AM編集部員

むしろあのレベルの知名度と富を持たないと無理ってことだと思いますけどね。

Aさん

ですよね。だからなぜですかってうかがったら「子どもが欲しいから」と。

AM編集部員

自分の健康とか養育費とかどう考えてるんでしょうね。子ども欲しいって気持ちはわかりますが、じゃあ結婚相談所に来るのが遅いですね。

Aさん

そうなんです。若い頃に叶わなかったことですから、50代のいまはもっと厳しくなってるんですけどね。

AM編集部員

はーん。あとはどのような条件を。

Aさん

あと、自分より身長が低い人。まれに身長が高い人を希望する男性もいますが、そういう男性は自分に自信があるタイプですね。コンサル系とか、経営者とか。

AM編集部員

顔に関する希望は言われないですか？

Aさん

結婚相談所では、あまり顔に関しての希望を言う人は少ないですが、あとから「顔が好みじゃないから断りたい」って申し出る方はいます。

でも、やっぱり顔よりも年齢を重視される方が多いかな。

AM編集部員

あまり年齢差があると話が合わない気がしますけどね。年齢に関する条件って、お見合いを重ねるうちに変化しますか？

Aさん

しますよ。もっと若い子がいいって変わる人もいます。

AM編集部員

え、そっち？

Aさん

勘違いしちゃうんですよね。結婚相談所って男性の割合が少ないし、年収高いだけでアプローチを受けるようになるんですよ。

学生時代って、勉強できたり、スポーツできたり、コミュ力がある人がモテるじゃないですか。

でも、結婚相談所ではまず条件から入るので、年収や学歴だけで女性からたくさんのアプローチを受けるんですね。だから「自分はモテる」と勘違いして、自分の中の理想が高くなっていく人もいる。

AM編集部員

なるほど！

Aさん

コミュ力があるわけではないので、会えても2回目3回目には繋がらないんですけどね。でも、アプローチだけは受けるので。

AM編集部員

いやなスパイラルに陥っちゃうわけですね。

Aさん

だから現実をしっかり教えてくれる人がいないと変な方向にいっちゃう。

私、マッチングアプリもそうだと思うんですよ。パッと見のスペックで「いいね」をたくさんもらうけど、いざ会ってみると恋愛につながらない。それなのに、自分はモテると思っちゃってるというか。

AM編集部員

浅はかだけど、身に覚えあります。

Aさん

マッチングアプリって、出会いを広げてくれるすごく便利なツールだと思います。ただ、恋愛経験が少ない人には、不向きかもしれませんね。

プロフィールでわかることAM編集部員

プロフィールから避けたほうがいい男性ってわかりますか？

Aさん

わかるかな？強いて言うと、趣味の欄に「散歩」と書いてる人でしょうか。

AM編集部員

若い人で散歩はめずらしいですね。

Aさん

趣味がないので散歩って書いてる可能性が高いです。たぶん会っても話題がないと思いますね。

AM編集部員

なるほど。

Aさん

あと、入会年数が長い方。成婚に至らない理由がある可能性が高いです。もちろん入会年数が長いのにいい人はいますよ。でも、いろんな人を見すぎて決断のタイミングがわからなくなってるケースですね。

AM編集部員

その人に決断させるの難しいですね。

Aさん

そうですね〜。でも、男性が「ここまでに結婚したい！」って思う年齢があるんですよ。それが39歳、42歳、49歳。そのタイミングで出会えば決断してくれるかもしれませんね。

AM編集部員

節目なんですね。写真とかではわからないんですかね。

Aさん

うーん。難しいですね。結婚相談所の写真ってプロが撮ってるし、ご本人もスーツでビシッとキメてるので…。プロフィール写真ではイケてても、会ってみると私服がめちゃくちゃダサいって可能性はあります。だから2回目以降のデートはシチュエーションを変えたほうがいいですね。

AM編集部員

まぁ私服がダサくても…。

Aさん

別にダサくてもいいと思いますよ。ただ、「こういうのが似合うよ」って勧めて素直に受け入れてくれる人ならいいですけど、頑なに「僕はオシャレとか興味ないんで！」と言う方は、「お相手の望むことをしよう」っていう気がないので、その後しんどいと思います。

AM編集部員

あ〜。「ありのままの僕を好きになって」ってことですか。

Aさん

そうですね。プロフィールに「素の僕を見てください」って書かれてる人は、その傾向が強いです。

AM編集部員

結婚は生活なので、変わってもらうこともありますもんね。

※次回は女性の結婚相談所事情をうかがいます。

Text／AM編集部

次回は＜男は「守るもの」が欲しくて婚活をする？結婚相談所の社員が聞いた男性の本音＞です。

「結婚相談所の社員にインタビュー」の後編です！結婚相談所に登録している男女が求める条件、求めない条件とは？また、苦労しやすいタイプなどについてもお話を伺いました。目からウロコ回です！