【奈良】室生寺の特別拝観が凄いぞ! スマホで国宝を撮影可能!! 石楠花のシーズンも到来で、ゴールデンウィークの行き先は決まりだ!

今年もそろそろ、ゴールデンウィークの予定について、具体的に決める時がやってきた。スギとヒノキの花粉散布は落ち着き、夏ほど暑くなく、植物の緑が美しい。旅行に最適のシーズンだ。

では、どこに行くべきか? もちろん奈良だ!! 今回お勧めするのは、東大寺や奈良公園など、京都・大阪からすぐなスポットではない。より奥地にある大和四寺だ

・いざいざ奈良

時は3月中頃。この春から「いざいざ奈良」の大和四寺編が始まるということで、私のもとにJR東海よりプレスツアーの誘いが届いた。

大和四寺とは、長谷寺、室生寺、岡寺、そして安倍文殊院という4つの寺。NHKの大河ドラマ「光る君へ」でも注目を浴びているスポットだ。これは行くしかねぇ……!

・室生寺

ということでJR東海の提供で今回やってきたのは大和四寺の1つ、室生寺

寺へは室生川にかかる橋を渡って向かう(トップの写真)ことになるが、最初に見える表門からは入れない。ここを右に曲がって進んだ先に受付所がある。

ところで、道中の色々な場所に「女人高野」と書かれた看板や のぼりが目についた。これは室生寺の別称だそう。

現在の室生寺は真言宗室生寺派の大本山だが、元は興福寺傘下な法相宗の寺院だった。しかし次第に密教色を強めていき、鎌倉期には真言宗の儀式を行うための建築物を建立した旨が公式HPに書かれている。

真言宗と言えば高野山。しかし当時そちらは女人禁制である。それに対し、室生寺は女性の参詣を受け入れていたため、いつしか「女人高野」と呼ばれるようになったのだとか。

・金堂

そんな経歴を持つ室生寺には、多くの見どころがある。最優先でおさえたいのは、やはり国宝だろう

1つ目は平安時代に作られた金堂。この建物自体が国宝に指定されている……!

とても堂々とした立派な正面だが、横から見るとちょっと面白いことになっている。屋根の正面側が増築感バリバリなのだ。

なんやこれ! どう見ても付け足したかのような……と思ったら、その部分は江戸時代に付加した礼堂(らいどう)らしい。面白い構造だ。

金堂の中には国宝の釈迦如来立像と、8体の重要文化財の仏像、そして隅に3体の客仏(未調査で詳細は不明だとか)が安置されている。

ここは通常はもちろん撮影禁止。

しかしなんと、3月30日から5月6日まで特別拝観者のみスマホ限定で撮影可能……!!

ちょうどゴールデンウィークの最終日までだ。国宝の仏像を撮影できる機会は滅多にない。これは行くしかないだろう

私は取材ということでお寺から特別に撮影許可を頂いた(その他の撮影不可な場所の写真も含め)が、皆さんの楽しみを残すため、内部全景の写真は掲載しないでおく。そのかわり1つ有用な情報を記そう

金堂には、他にもう1つ国宝があるのだ。それは釈迦如来立像の背後の壁画「板絵著色伝帝釈天曼荼羅図」!!

正面からはほぼ見えないシークレット国宝。仏像に気を取られて壁画をスルーしてしまうのは勿体ない。行った際は忘れずにチェックしてみてくれ。

ちなみに現在の金堂の屋根はカバーで覆われているが、元はこけら葺きだそう。葺き替えねばならないため、保護しているのだ。

そして現在、そのための寄付を募集している。また、境内整備と環境保全のためのクラファンを実施中であることも紹介しておこう。

・五重塔と本堂

室生寺の見どころはまだ続く。鎌倉時代に建てられた本堂だ。こちらも建物が国宝だ。

内部では重要文化財の如意輪観音坐像などを見ることができる。榧(かや)の一木造り(1本の木材から丸ごと彫り出したもので、継ぎ目がない)という凄まじい仏像。日本三如意輪観音の一角と称されているとか。

そして室生寺と言えば見逃せないのが、またしても国宝の五重塔! 屋外のものでは国内最小だそう。

一帯には名物の石楠花(シャクナゲ)が大量に生えており、公式X(Twitter)によると開花が始まっているもよう。このペースなら、4月末から5月冒頭には見ごろになってそう。

私が訪れた時にはまだ蕾だったが、周辺の深い緑とピンクの石楠花、そして五重塔の組み合わせは、さぞ見事なことだろう。

ということで、まさにゴールデンウィークに最大の見頃を迎えそうな室生寺。私はスケジュールの都合上、五重塔までだったが、さらに奥に進めば国の天然記念物に指定のシダ群生地や、空海の像を祀る奥之院もある。

十一面観音立像や釈迦如来坐像、十二神将のうち6体など、かつて金堂にあった仏像を移した寳物殿もマストだ! 全体を回れば余裕で半日くらいは充実して過ごせる素晴らしいスポットだ!

また、「いざいざ奈良」では案内付きで金堂を回れるなどするプランや、本尊のアクスタと拝観券がセットになったプランを販売中だ! 

参考リンク:室生寺、いざいざ奈良

執筆・撮影:江川資具

Photo:室生寺、室生龍穴神社、JR東海

2024/4/27 21:00

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