未曾有の大洪水が発生しているケニアからの現地レポ / カンバ通信:第367回

ジャンボ。ケニアはナイロビ在住のタクシー運転手チャオスです。

我が国ケニアの大洪水が、遠く離れた日本でも報じられたと聞いた。

そう、被災者は10万人超。とんでもない規模の大洪水が今ケニアを襲っている。

ちまたのニュースは大洪水一色だ。テレビも、そして新聞も。

・ケニアは今が雨季の真っ最中

ケニアは、3月から5月にかけて雨が降る。大雨季というやつだ。

その後、6月から7月は冬になるけど、それほど寒くはない。一方、8月と9月は夏になり、とても暑くなる。

その後、10月から12月に、もう一度雨季が来る(小雨季)。

そんな季節感のケニアなのだが、今年は3月ごろから大雨が続いていた。

そしてここ最近の大雨で、いろいろな道路や人々が住んでいる地域で洪水が発生している。

主にこの洪水の影響を受けた人々は、川の近くに住んでいる人々だ。

また、川が近くになかったとしても、排水事情がよくないゲットー(スラム街)で洪水が発生しているもよう。

たとえば。

夜に大雨が降っている時。当然ながら、みんなは眠っている。

でも、雨漏りで食器に水滴が落ちる音が聞こえたり、ベッドの中で雨水を感じたりする。

そして人々が「なにごと?」と不安に思い外に出て、少し歩くと水に流されてしまう……というケースが多発しているみたいなんだ。

なぜなら、夜だと、どのあたりで洪水(激しい水の流れ)が発生しているのかが、よく見えないから。スラム街ならなおさらだ。

不幸中の幸いで、まだ死者はそこまで出ていないもようだが、多くの人々が被災している。

家の屋根や屋上に避難して、救助隊が来るのを待ち続けている人が大勢いる。

そんなニュースが、日夜報じられているのが今日この頃のケニアなのだ。

・ウチは無事

私の家は、幸いなことに何も被害は出ていない。しかし、まだ大雨が降る可能性は捨てきれず、政府の指示に従っている状態。

お店はやっているけど学校はお休みなので、娘たち含む4人で家でじっと待機している。

もしも今、ケニアにいたり、今後ケニアに来る予定のある人たちに伝えておきたいのは、大雨の時は要注意であるということ。

雨が止むのを宿や家で、じっと待っているように。間違っても道に流れる雨水の濁流などには近づいてはダメだ。

・ケニアが洪水で困らないようになるには

今回の大洪水で私が思うのは、ケニアは大雨に対する防御の姿勢が不足していたということ。

たくさんの木々や草を植えることで、水の流れをせき止めたり、緩やかにすることはできたと思う。

また、ダムや排水システムを、もう少しちゃんと計画して設計していれば、洪水は防げたのでは……と思ったりも。

国民ひとりひとりの意識も関係している。紙類のポイ捨てなどは、排水詰まりの原因となり、排水不良を引き起こす。

過剰な雨水の量が適切に処理されないと、排水があふれ、洪水を引き起こす可能性があるからだ。

とはいえ、今そんな苦言を呈したところで何もならない。これ以上の被害が増えないよう、神に祈るばかりである。クワヘリ。

参考リンク:CNN

執筆:チャオス(カンバ族)

超訳:GO羽鳥

Photo:RocketNews24.

2024/4/25 22:56

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