引退の日を迎えた爆発物探知犬、盛大な見送りに大喜び(米)

ラブラドール・レトリバーの“メッシ(Messi)”は、米バージニア州アーリントンにあるロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港で、米国運輸保安局(TSA)の麻薬探知犬として働いてきた。

TSAは、テキサス州サン・アントニオにある米軍の「サン・アントニオ統合基地」の構成基地「ラックランド空軍基地(Joint Base San Antonio - Lackland)」内にある犬の訓練センターで、毎年300頭の爆発物探知犬のトレーニングを行う。16週間のトレーニングを終えた犬たちは、パートナーとなるハンドラーに出会い、更なる訓練を受けて空港での仕事に就く。

そんな訓練を受けたメッシは、旅行者たちの荷物を嗅ぎまわって爆発物のチェックを行い、忙しい一日のシフトを終えた後、大好きなテニスボールで遊ぶ毎日を過ごしていた。メッシは同空港のそばにある公園「グラブリー・ポイント(Gravelly Point)」で、飛行機を眺めたり遊んだりするのが大好きで、空港で働くにはピッタリの性格だった。

働き者で可愛らしいメッシの姿に、同僚たちは癒されていた。また人気者のメッシは、テニスボールをくわえた写真が昨年の「TSAで働く犬のカレンダー」で2月のページを飾った。しかしメッシは8歳になり、人間でいうと60歳を超えるシニア犬となったため、爆発物探知犬を引退することになった。

最後のシフトとなった今月19日、長年爆発物の検知に貢献してきたメッシのため、同僚たちは引退セレモニーを準備した。当時の様子が動画で捉えられており、ハンドラーのピーター・スーさん(Peter Suh)と一緒に現れたメッシが、最後の仕事として訓練用のダミー装置が入ったバッグを確認する様子が映っている。ダミー装置を検知したメッシがその場に座り込むと、周囲にいた同僚らが一斉にテニスボールを投げた。

突然多数のテニスボールが降ってきて、メッシは驚いた様子を見せたが、すぐに大好きなテニスボールを口にくわえ、尻尾を振って大喜びした。装着していたハーネスには「触らないで」と書かれたワッペンが貼られており、ピーターさんがこれを剥がし、メッシは爆発物探知犬としての長いキャリアを終えた。その後、周囲にシャボン玉が飛ぶ中、パーティ用の三角帽をつけてもらったメッシは犬用のカップケーキをもらい、盛大に引退をお祝いした。

引退したメッシはピーターさんが飼うことになったそうで、一緒に働いてきた相棒とともに自宅で穏やかな生活を送ることになる。これまで探知犬のハンドラーとして現場で活躍してきたピーターさんは、今度は探知犬のトレーナーとしてのキャリアを進むという。

引退セレモニーの様子を捉えた動画には、「大興奮のメッシが可愛すぎる」「引退後は穏やかに過ごしてほしいね」「これを見て朝から泣いちゃったよ」「『触らないで』のワッペンが剥がされた瞬間、涙が出た」「最高の引退セレモニーだ」など心が温まったというコメントが多数寄せられた。

ちなみに過去にはカンボジアで、人間の約200倍のスピードで地雷捜索したネズミが、5年間尽力し引退したケースが話題を呼んでいた。

画像は『TSA 「TSA explosives detection canine retires from his job screening travelers at Reagan National Airport」』『ABC News TikTok「Congrats, Messi!」』『APOPO 「PDSA GOLD MEDALIST MAGAWA RETIRING」(APOPO)』『Davey Rutherford TikTok「Sniffer dog knows English」』『Daily Star 「Retired German shepherd police dog ‘cries’ after being reunited with handler」(Image: Douyin/BWBD)』『Agata Fornasa TikTok「#perropolicia #aeronautica」』より

(TechinsightJapan編集部 iruy)

2024/4/24 14:55

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