横浜刑務所のパスタを食べてみた

受刑者たちが刑務所で製作した製品を『刑務所作業製品』と呼ぶ。たまーにテレビなどで受刑者たちが、ミシンや木工作業に従事しているのを見たことがある人も多いハズだ。

そんな『刑務所作業製品』を展覧 & 販売するイベントが、2024年4月26日(金)まで、ヨドバシアキバのイベントスペースで開催されている。今回はそこで購入した「横浜刑務所のパスタ」についてご紹介しよう。

・CAPICとは

ヨドバシアキバで開催中のイベントは「公益財団法人矯正協会 刑務作業協力事業部」、通称「CAPIC」が運営している。

CAPICによれば、平成31年(2019年)4月1日末時点で、約4万1000人の受刑者等が全国75の刑事施設(刑務所等)で木工・印刷・洋裁・金属・革工などの作業に就業し、職業的な技能の向上を図っているという。

またCAPICでは「売上げの一部を犯罪被害者支援団体の活動に助成している」とのこと。いずれにせよCAPICは「刑務所作業製品を扱う財団法人」と考えれば間違いないだろう。

・異彩を放つ横浜刑務所

さて、ヨドバシアキバのイベントを見学した私は、刑務所ごとに刑務所作業製品の特色があることを知った。例えば「千葉刑務所は革靴」「府中刑務所は木工製品」などといった具合だ。

その中でも異彩を放っていたのが「横浜刑務所」で、刑務所作業製品としては珍しい「食品」を扱っている。具体的にはパスタ・ひやむぎ・中華麺などの「乾麺」が展示・販売されていた。

今回はその中から「パスタ」を370円(300グラム入り)で購入。ちなみにパスタは「お一人様一点まで」と購入制限されるほど人気の製品のようだ。刑務所で製造されたパスタ……これは興味深い。

・食べてみた

というわけで、持ち帰ったパスタを食べてみることに。パスタはいわゆる “フェットチーネ” で、多くのパスタに入っているタマゴは使用されていない。また鍋に塩を入れないで茹でることも特徴的だ。

で、表示通りに8分茹でたパスタをまずはそのまま食べてみることに。まず印象的なのはサラリとした歯切れの良さ。流行りのムチムチ系とは一線を画した、シャープなパスタである。

またそれなりに塩分も感じられ、小麦の風味もふわりと漂ってきた。そのまま食べても美味しさを感じる風味豊かなパスタと申し上げていいだろう。

もちろんミートソースなどをかけても美味しさは変わらない。「過去最高に美味しいパスタ」とまでは言わないものの、誰が食べても美味しいと感じるレベルの高いパスタではないだろうか?

・刑務所ならでは

なお、NHKによると横浜刑務所のパスタは「熟成」「切断」「乾燥」に至るまでを手作業で行う手間暇かけたパスタなんだとか。人件費や利益にとらわれない『刑務所作業製品』ならではのパスタと言えそうだ。

というわけで、横浜刑務所のパスタは「手間暇がかかったとても美味しいパスタ」であった。横浜刑務所に併設された展示場でも販売されていることがあるらしいので、機会があれば1度ご賞味いただきたい。

参考リンク:CAPIC 、 NHK

執筆:P.K.サンジュン

Photo:Rocketnews24.

2024/4/23 14:30

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