清掃作業中、3メートル下に転落した男性 鉄の棒が心臓と肺に突き刺さる(印)

痛ましいケガをしたのは、インド北部ウッタル・プラデーシュ州スルタンプール出身のムンネ・ラール・シャルマさん(Munne Lal Sharma、54)だ。普段、三輪タクシーの運転手をしているムンネさんは先月27日、西ベンガル州ドゥルガプルにあるトイレとして設置された建物の上で清掃作業を行っていた。

しかし作業中に突然建物が崩壊し、ムンネさんは高さ10フィート(約3メートル)の場所から転落した。その落下先には鉄の棒があり、ムンネさんの身体に突き刺さってしまったのだ。

ムンネさんはドゥルガプルから約25キロ離れたスルタンプールにある地域病院に運ばれた後、ウッタル・プラデーシュ州ラクナウにある大学病院「King George’s Medical University」に搬送され、レントゲン撮影が行われた。鉄の棒はムンネさんの心臓の両心室を貫通し、肺に達していたが、彼の心臓はまだ動いており、すぐに鉄の棒の除去手術が行われることになった。

今回のような場合、一般的には患者の心臓を一時的に停止させ、人工心肺装置(全身への血液を送る心臓の動きと、血液中の二酸化炭素を酸素へ換える肺の働きを機械が代わりに行う装置)を使用して、手術が行われるという。しかし手術には30万ルピー(約55万円)が必要で、ムンネさんの家族にとってあまりにも高額だった。さらに、人工心肺装置を使用するには循環器科へ移動させる必要があったが、移動の時間すら惜しいほどの状況だった。手術を担当することになった外傷外科のヴァイバフ・ジャイスワル医師(Vaibhav Jaiswal)とヤドヴェンドラ・ディール医師(Yaduvendra Dheer)は、人工心肺装置を使用せず、ムンネさんの心臓が鼓動している状態で除去手術を行う決断を下した。

身体を貫通しそうなほど深く刺さった鉄の棒は75センチあったそうで、45センチほどに切断しながら慎重に鉄の棒が取り除かれた。大出血などの危険性がある中、穴が空いてしまった心臓の両心室や肺を順番に塞ぎ、4時間の大手術を終えたという。インドのニュースメディア『Times of India』によると、今回と同様の手術はかつて日本で行われたが、その際に医師団は患者の心臓を一時的に停止させ、人工心肺装置を使用したという。今回のように患者の心臓が鼓動している状態で、人工心肺装置を用いずに手術を成功させたのは、同病院がアジアで初めてだったそうだ。

手術後、ムンネさんは3日間人工呼吸器を装着し、集中治療室で過ごすことになった。術後4日目には意識を取り戻して、人工呼吸器は外された。その翌日には自力で歩けるようにまで回復したそうで、ムンネさんの回復力には医師らも驚いていた。集中治療室で合計9日間を過ごしていたムンネさんは、快方に向かっているため、まもなく退院できるそうだ。

ちなみに2022年12月には印オリッサ州で、校庭でやり投げの練習中、飛んできたやりが14歳少年の首に刺さるという事故が発生したが、奇跡的に急所を外れて助かっていた。

画像は『Talker 「Man survives falling on iron rod that pierced his heart and lungs」(Rare Shot News via SWNS)』『Báo Nhân Dân điện tử 「Cứu 1 người bị đũa đâm xuyên từ mũi lên não」(Ảnh Bệnh viện cung cấp)』『New York Post 「Man impaled on giant pole ― but he’s smiling about it」(CEN)、「Sleeping teen gets sickle lodged in head in freak accident」(Jam Press/Rare Shot News)』『Daily Star 「Builder gets 5-foot metal rod stuck up his bum after slipping off roof in a storm」(Image: ViralPress)』より

(TechinsightJapan編集部 iruy)

2024/4/16 14:40

この記事のみんなのコメント

3
  • いち(

    4/17 9:15

    あそうか、脳死状態でも心臓は動くもんな、死なないように動かすことはできるんやな。

  • マジレスすると、脳が死んでるからですよ。

  • いち(

    4/16 23:04

    死んだ人の心臓は動かせんのにな。不思議や。

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