『27時間テレビ』に霜降り明星、チョコプラ、ハナコが大抜擢! フジテレビが本格的な若返り

 昨年の千鳥、かまいたち、ダイアン以上に挑戦的なキャスティングだ。

 今年のフジテレビの夏の大特番『FNS27時間テレビ2024』のMCが、24日に放送された『新しいカギ』(同)内でサプライズで発表された。総合MCを務めるのは『カギ』メンバーの霜降り明星、チョコレートプラネット、ハナコの3組。フジテレビバラエティの王道である土曜8時枠がベース番組となる『27時間』は、2015年の『めちゃ2イケてるッ!』以来、9年ぶりとなる。

 今回の『27時間』の総合演出は『カギ』でも演出を務める田中良樹氏と、杉野幹典ディレクター。ともに入社10年目という、制作としては“超若手”と言える異例の大抜擢となった。

『カギ』は21年の正月に放送されたパイロット版を皮切りに、同4月から金曜8時枠でスタート。当初はコント中心の構成だったが、同年10月に土曜8時枠に移動し、翌22年の11月ころから若者向けの学校企画中心にシフト。昨年12月には人気企画「学校かくれんぼ」の総集編が月間ギャラクシー賞に選出されるなど、評価を高めている。

 フジテレビのバラエティは、確実に若返りを図ろうとしているようだ。

『27時間』は新型コロナウイルスの影響で19年を最後にいったん中断しているが、17~19年の総合MCはビートたけしだった。そのメインテーマも「にほんのれきし」「にほん人は何を食べてきたのか?」「にほんのスポーツは強いっ!」という「にほん」を強く打ち出したもの。

 3年間の休眠期間を経て復活した昨年は『千鳥の鬼レンチャン』をベースに「楽しいを塗りかえろ!」というテーマを掲げ、好評を博した。今回は、さらにひと世代、若返ったことになる。

 総合演出の田中氏は、フジの大看板だった『笑っていいとも!』の終了後に入社した世代だ。18年に行われた公開イベント形式の「第3回企画プレゼン大会」をきっかけに『BACK TO SCHOOL!』を立ち上げるなど、「学校」や「青春」を扱った企画をもっとも得手としており、今回の『27時間』も学校企画が中心になるとみられる。

 若者のテレビ離れは着々と進んでいる。というより、若者人口そのものが減少していくしかない中で、YouTubeやSNSの発達によってテレビは視聴者を奪われていった。だが、TVerでの配信が一般的になり、再びコンテンツとしての息を吹き返そうとしている。ネットの中で、テレビがようやく真っ向勝負できる環境が整いつつあるのが現状である。

 27時間ぶっ通し生放送という前時代的な枠取りの中で、新世代のテレビマンがどういった番組を作ってくるのか。きっと、筆者のような中年お笑いファンにはまったく刺さらないものになるだろうし、それでも子どもたちが夢中になるような楽しい番組を作ってほしいと、今はそう願うばかりである。

(文=新越谷ノリヲ)

2024/2/25 17:00

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