「後輩に伝えることを大事に」乃木坂46吉田綾乃クリスティーが語る、グループの精神。 名作舞台の主演への想いも

 今年2月の秋元真夏の卒業を受けて、乃木坂46の最年長メンバーとなった吉田綾乃クリスティーさん(28歳)

 昨年上演され好評を博した舞台「フルーツバスケット」に引き続き、10月6日~15日まで東京・大手町三井ホールにて再演される「フルーツバスケット 2nd season」でもヒロイン・本田透役として出演する。そんな吉田さんに昨年の舞台の話を中心に、乃木坂46の最年長として意識していること、仲のいいメンバーの存在まで話を聞いた。

◆乃木坂46の良さを後輩に伝えることが使命

――1期生、2期生が卒業した今、吉田さんたち3期生が乃木坂46を引っ張っていく立場になりましたが、ご自身の中でグループに対する意識に変化はありましたか?

吉田綾乃クリスティー(以下、吉田):変化というか、例えばライブで過去の曲を披露する時に、今はもうオリジナルのメンバーがいない曲が多かったりするので、私はオリジナルのメンバーに教えてもらったことを後輩に伝えることを大事にしています。やっぱりどうしても動画を見て、振りを起こそうと思っても変わっていることが多いので、細かいところではあるんですけど「ここの振りはこうだよ」と、今までの乃木坂46の良さを後輩に伝えることは意識するようになりました。

――これがなくなったら乃木坂46じゃないみたいな精神的な部分というのは何だと思いますか?

吉田:私は振りをコピーするだけのグループにはなりたくないと思っていて。私たちは乃木坂46として入っているので、先輩たちが今まで育ててきた楽曲をなんとなく真似して、お客さんに見てもらうというのは自分の中では納得のいかない部分だったりするんです。なので、楽曲や振り付けの意味をしっかり考えて、パフォーマンスをしてもらうことが大切だなと考えています。

◆乃木坂46メンバーは「あまりにも大人っぽい」

――グループの中で吉田さんは最年長ですが、周りからはどんな性格と言われることが多いですか?

吉田:年下メンバーには「年上っぽくないよね」と言われることが多いです。

――自分では自覚してる部分だったりするんですか?

吉田:そうですね。5期生も含め周りのメンバーがあまりにも大人っぽいんです。

◆弓木奈於は一緒にいて楽な存在

――5期生は加入して約1年半が経ちますが、よく会話はされるんですか?

吉田:最近は全国ツアーでも一緒になることが多いので、よく絡みに行っています。よく話すのは冨里奈央ちゃんや中西アルノちゃんで、よく絡みに行くのは菅原咲月ちゃん。全国ツアーで私は弓木奈於と一緒にいることが多いのですが、本番前に咲月ちゃんも近くにいるので、私から話しかけてワイワイしています。

――弓木さんとは「東京パソコンクラブ~プログラミング女子のゼロからゲーム作り」(BSテレ東)でも共演されていますが、普段から仲はいいんですね。

吉田:そうですね。しゃべりやすい後輩でもあるし、すぐにイジりに行っちゃいます。向こうも私のことをきっと好きでいてくれていると思うので(笑)。弓木は、頭がいいと思うんですけど、少し奇天烈な言動をするので何をしても楽しく返してくれるし、退屈しないというか。一緒にいてラクっていうのもあってよく話していますね。

◆休みの日はお家でゲームをします

――吉田さんはゲーム好きとしても知られていますけど、休日はどんなことをして過ごされるのでしょうか?

吉田:休みの日は基本的にお家にいて、それこそゲームしたりとか、YouTubeでゲーム配信を見たりすることが多いですね。次の日、仕事があったとしても、仕事に影響が出ないところまではやりますね。やらないとムズムズするんですよ。

――ゲームはメンバーの方とやることも多い?

吉田:プライベートの友達ともやりますけど、メンバーの岩本(蓮加)と一緒に『Apex Legends』で遊びます。最近はできていないんですけど、舞台「フルーツバスケット」で共演した子ともよくゲームをしていましたね。

――そもそもゲームを好きになったきっかけは何だったのでしょうか?

吉田:もともとは弟がゲーム大好きで、小さい頃から私も家のパソコンで教育系のゲームやフリーゲームでよく遊んでいたんです。最初はただのゲーム好きでしたけど、そこからいろんな配信者の方を見るようになって、『Apex Legends』の面白さに気づいてからはのめり込んでしまいましたね。

◆お客さんに受け入れてもらえて嬉しかった

――昨年に引き続き「フルーツバスケット 2nd season」では本田透役として出演されます。昨年出演されてから周りからの反響はありましたか?

吉田:昨年初めてこの舞台に立つことになった時に、この作品は実写化するのが難しい作品だなと感じていて。それこそ動物に変身するシーンとかも含めて、お客さんにどういうふうに見てもらえるんだろうというのが、幕が上がるまで少し不安だったんですけど、実際に見てくださった方の声を聞くと、思っていた以上に受け入れてもらえていて、とても嬉しかったです。原作を好きな方が「自分の青春を目の前で見られた」と言ってくださって、「あ、このステージに立てて良かったな」と感じることができましたね。

――脚本・演出の毛利亘宏さんはじめ、スタッフの方々とはどのようなコミュニケーションを取られたのでしょうか?

吉田:お芝居に関してはもちろん皆さん私より知識や経験が豊富なので、「ここはこうしたほうがいいと思うよ」とか、「この子ってこういうキャラだよね」といったアドバイスをいただいて、受け入れるようにしていました。

◆座長として前回のリベンジをしたい

――不安な気持ちもあったということですが、今年も「フルーツバスケット 2nd season」に出演が決まったということで、どんな思いがありましたか?

吉田:舞台第1弾のラストが、これから先があるような終わり方をしていたので、できることなら同じキャストでまたやりたいなという気持ちはありました。ただ、現実的にそうなるか分からない状態だったので、2nd seasonが上演されることを聞いた時にすごく嬉しかったですし、やったという気持ちでしたね。前回に引き続きキャストが変わることなくご一緒できるということで、もう一度キャストの皆様に会える喜びや、この作品に関われることの喜びをすごく感じました。同時に2nd seasonを演じることのプレッシャーというか、緊張感もありました。

――前回に引き続き吉田さんは座長でもありますが、どのような立ち回りを意識されましたか?

吉田:一応、主演でやらせてはいただいているので、理想の座長像みたいなのはもちろんあるんですけど、前回はコロナの影響で距離をとらなければいけなかったこともあって、なかなか行動に移すことができなかったんです。ただ、今回は新しいキャストの方も増えるので前回のリベンジをしたいなと思っていて、自分から積極的に声をかけていきたいです。

◆自分なりの「本田透」を意識しました

――今回の舞台に向けての準備はどんなことをされましたか?

吉田:改めて作品を見返して、この作品ってどういう作品なんだろうとか、今までよりもキャラクターにフォーカスを当てて見たりとか、作品について深く考えて挑みました。

――演じる上で原作やアニメというのは参考にされているのでしょうか?

吉田:していましたね。もちろん舞台のために作られたオリジナルのキャラクターではないので、マイナスなイメージを抱かせてしまうのは絶対にしてはいけない。原作を知っている方に対して変に違和感を与えないように演じたいと思っていました。

――となると、吉田さんのスタンスとしては自分らしさを出して演じることよりも原作を忠実に表現しようという思いが強かった?

吉田:最初はそうでした。でも、前回の舞台をやるにあたって、アニメで声優をされている石見(舞菜香)さんと対談をさせていただく機会があって、その時に「どうやって演じればいいですか?」と質問させていただいたんです。そしたら「吉田さんらしいお芝居をしたらいいと思います」と言っていただけたので、キャラクターを忠実に演じつつも、自分なりの透くんを入れてみることを意識しました。

◆原作を何度も見て、心がけた部分は

――私も原作やアニメが好きで、吉田さんの舞台も見させていただいたのですが、透の庶民的な部分や等身大の部分が、吉田さんなりに解釈されて演じられているような印象を受けて、すんなりと受け入れられました。

吉田:えー、嬉しいです! ありがとうございます。透くんはおっちょこちょいな部分があるので、そういうところは原作を何度も見て、自分で表現できる透くんを演じることを心がけました。

――吉田さんが演じられる透について、初めて演じた際にはどんな印象を受けましたか?

吉田:この子を私が演じることができるのだろうか?という思いがすごくありましたね。透くんはみんなが口を揃えて言うくらいいい子なので、そんな子を私がどう表現したら良さが伝わるのかと悩みました。

◆今後は「夜深めの時間帯にラジオをやりたい」

――吉田さんと透の共通点というか、共感できる部分があるとしたら、どんなところになりますか?

吉田:なんでしょう……。家族が大事というか、好きでいるところですね。似てるか、似てないかで言うと、似てないと思います。透くんほどの純粋な子はなかなかいないなと(笑)。

――最後に、舞台を始めバラエティ番組など幅広く活躍されていますが、今後挑戦してみたいことはありますか?

吉田:夜深めの時間帯にラジオをやりたいですね。しゃべり方とかスピードもあると思うんですけど、よく声を聞くと眠くなると言われるんですよ。なので、お休みの前とかに聞いていただいて寝ていただけたらいいなって(笑)。

<取材・文/川崎龍也 撮影/MISUMI ヘアメイク/松本愛子 スタイリスト/福永いずみ>

【川崎龍也】

岩手県出身。大学卒業後、フリーライターとして独立。『BOMB』『MARQUEE』『音楽ナタリー』『ENTAME next』等でアイドルやアニメ・声優などに関するコラムやインタビューを執筆。X(ツイッター):@ryuya_s04

2023/10/3 15:51

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