“距離感バグ”な男性社員が迷惑…拒絶した32歳OLに待ち受けていた「予想外の展開」
人間関係は壁が厚過ぎるのもとっつき辛く、フレンドリーすぎるのもダメ。他人との関わり方は深く考えれば考えるほど難しい問題だと思います。
丸山ちえみさん(仮名・32歳)は以前、“距離感バグ”を起こした男性社員に悩まされとても大変な経験をしたそう。「一歩間違えれば完全に訴えられるくらいのセクハラでしたよ」と厳しい口調で答える彼女の身に、いったい何が起きたのでしょうか?
もしあなたの傍に似たような人がいるのなら、彼女の話を参考にしてみるといい解決の糸口が見つかるかもしれませんよ。
◆距離感バグ社員と関わるきっかけはレクリエーション
ちえみさんは30歳のときに転職し、とある企業へ入社。新たな職場は人数も多く、レクリエーションなど社員同士の結束を高めるイベントが多かったと言います。彼女自身も集団でワイワイ過ごすことが好きだったため、この社風は合っていたそう。
転職直後、早速社内で催しがあり、部署ごとに分かれてのチーム対抗戦がスタート。その際に40代の男性社員・Fさんと会話をし、この出来事が部署に溶け込むいいきっかけとなりました。
Fさんはちえみさんが属する管轄の部長で、とても気さくでハツラツとしたタイプ。第一印象も悪くないため最初はうまくやっていたものの……。レクリエーション後から少しばかり馴れ馴れしい言動が目立つようになっていたのです。
◆観ていたドラマが被っただけで「運命」と勘違い
「レク中にかなり喋って、その時にFさんは好きな海外ドラマシリーズの話をしていたんです。私自身もそれを鑑賞済みだったし、他に観たことのある作品も多く被っていて。
会話が盛り上がったことは確かなんですけど、そのあとから“あれ観た?”、“これ観た?”と執拗に聞かれるんですよ。今はなすタイミングじゃないでしょって時まで話題を振られたりとか。
ただドラマ好き仲間を探しているだけならいいんですが、明らかに雰囲気が違うなと。それはもう「しつこい!」と言いたくなるレベルでした。
最初にうっかりLINEも交換してしまったので、連絡もちょこちょこ来るようになりまして……」
業務中も意味もなく話しかけられる機会が増え、Fさんは会話の際、常に体の距離が近かったそう。相手は上司、邪険にしてはならないと愛想よく対応していましたが、拭い去れない違和感がどうしても消えません。
彼女への声かけは頻繁になり「好きなドラマも一緒だし、運命かもね」といった“勘違いLINE”まで来たとか!
ただ観ていた作品が被っただけでここまで好かれるのか? ちえみさんは対応の仕方に何か問題があったのではと、自分自身を責めてしまいました。
◆深読みすれば完全にセクハラ発言。被害女性がとった行動とは
愛想よく、かつ相手を勘違いさせないよう振舞ったちえみさんですが、Fさんの距離感バグ行動は止まりません。
“話しかけられたら反応する”程度に留めていたものの「何かあったら一番に相談してほしい」と言われ、「君がこの部署にきたのも何かの縁だから」を連呼するなど、怪しげな発言が増え始めます。
表面上だけを見るなら“頼れる上司”かもしれませんが、今までの行いを加味するとセクハラギリギリといったところ。深読みすればするほど、ちえみさんはFさんの存在が気持ち悪く思えてしまうのです。
離職も考えましたがせっかく入った大手企業。たった1人のせいで仕事を手放すわけにはいきません。彼女は自衛のためにLINEの返信をすべてやめ、体の距離が近いと感じたらわざと後ろに一歩引くなど、わかりやすく態度に表すことを試したのです。
「Fさんって表向きはいい人だから周囲からは人気が高いんですよ。だから誰かに相談しづらくて。でも、もう心が苦しかったからイチかバチかで態度に示そうと。それで機嫌が悪くなったり、当たりが強くなったり、私の立場が不利になるような事態が起きたら第三者へ相談すると考えてました」
連絡を無視すると「おーい」や「生きてる?」「あれ、スルー?」「(スタンプ)」など、典型的な追いLINEが来たとか。それでもちえみさんは覚悟を決め、塩対応を貫いたそうです……。
◆距離感バグ社員の被害はちえみさんだけではなく……
対処法は見事に成功し、Fさんは彼女へ執拗なコミュニケーションを取ることをやめました。連続して来ていたLINEも途絶え、ちえみさんはようやく心の平穏を取り戻せたのです。
その後、仲良くなった先輩とランチをしていると衝撃の事実が発覚。なんとFさんは陰で“距離感バグ人間”として有名だったらしく、女性社員の間では評判があまりよくなかったとのこと!
今回ちえみさんにしたような行動を繰り返し、“距離感がおかしい”とたびたび話題に上がるほどでした。
「みんなから好かれていると思っていたから、意外で意外で! 確かに男性社員からは人気があったそうですが、女性たちからは不人気だったみたい……。
いろいろと公になっていませんし、仕事はできる人なのでクビにはならないらしいですが、密かに嫌っている社員は多いとのことでした。だから先輩からも“なんで早く言わなかったの!”と言われましたよ」
Fさんの困った行動から無事に逃れたちえみさんですが、最初は丁寧に対応しすぎたと反省。「違和感を覚えた時点ですぐに対処すべきでした。第三者を早く頼っていれば悩む時間がもっと少なくて済んだのに」と本音がポロリとこぼれます。
けれども彼女の毅然とした態度や覚悟を決めたあとの行動は勇気が要るもの。イチかバチかでやったと本人は語りますが、いざ実行できる勇気はとても素晴らしいと思います。
もし、あなたが今距離感バグを起こした人に困っているのなら早急な対処を。放っておいても事態が勝手に好転する確率は低いため、一人で抱え込まないことが苦しい状況から抜け出すヒントになるでしょう。
<文/たかなし亜妖>
【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。業界卒業後は一般企業へ入社。ゲーム制作に携わった過去を持つ。好きな物は漫画、アニメ、映画、美容、占い。そろそろ顔面課金額が数百万円を超えるとか。日刊SPA!等多方面で活躍中。
Twitter:@takanashiaaya