「バカな男と会いたくない」38歳・婚活女性のカン違い。“年収800万の職業”を拒む理由にア然
恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
これまで1000人以上の「出会いがない男女」の相談に乗ってきた筆者ですが、かつては髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”。「人は変われる」を自ら実践し、多くの方々の「もったいないところ」をご指摘してきた経験から、誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
◆「バカな人と会いたくない」という38歳女性
婚活市場には、3桁の人数の男性と会っても結婚できずに婚活を続け「婚活のプロ」になりつつある女性も増えています。その手の女性は、ある男性とデートを重ねてうまくいかなくなった場合に、自分を見直すのではなく相手に求める条件を増やします。
東京駅の近くで働く女性・恵さん(仮名・38歳/私立女子大卒)は、「バカな人と会いたくない」そうです。バカとは一旦どんなことなのでしょうか。
◆デートのスキルと頭の良さは比例しないのに
「デート前日でも待ち合わせ場所が決まらないとか、デートでチェーン店とか、そういう気が利かない男いませんか?」
「デートの段取りってことで合っていますか」
「そうです」
嫌なのは分からなくもないけれど、デートのスキルは決して、頭の良さや学歴と比例するものではありません。しかし恵さんは、相手の学歴は絶対に大卒以上じゃないと嫌だそうです。
「大卒じゃない人と会ったこともあるけど、バカだったから」
なお恵さんの卒業した大学は、申し訳ないけれど、よく知らないところでした。大学受験はせず、中学受験をしてそのまま同じ大学に進学したそうです。
◆彼女の言う「バカの定義」を深掘りしてみた
条件を増やしたらその分、婚活が捗(はかど)らなくなるのは当たり前のこと。恵さんも自分が、高望みしすぎて婚活期間だけが長引いている“イタイ”アラフォー婚活女性であることを、ある程度は自覚しているのです。
「若い女性はたくさんいるし、菊乃さんが言うように条件を増やしてもいけないことは分かるので、学歴は緩和してもいいけど」
「なぜ上から? 男性だって女性を比較検討しているんだよ」
「そうですよね。そういうところですよね。学歴は目をつぶったとして、仕事はちゃんとしていてほしいです。土木とかの方はちょっと」
「土木って……こういう開発とかの現場で働いている人のことで合ってます?」と私は窓の外を指差して言いました。ちょうど面談で使っているシェアオフィスの窓から、高輪ゲートウェイ駅周辺の開発現場のクレーンが見えたのです。
「そうですよ」
クレーンには、某大手ゼネコンの名前が書いてありました。
「多分、あの方々って30歳で年収800万円ぐらいだと思いますよ。建築士とか難関資格をお持ちの方もゴロゴロいると思いますけど」
◆世間知らずの38歳が考える“ちゃんとした仕事”とは
「えっ? そうなんですか。でもなんか服装とか汚いじゃないですか」
「デートなら着替えていくでしょう。恵さんの言う『ちゃんとした仕事』って何?」
「え~、商社とか、メーカーとか、公務員とか」
たしかに婚活で女性に人気の職業はあり、商社、有名メーカー、公務員などの男性は競争率が高いです。
相手の職業を気にするのは仕方がないとしても、彼女は仕事でも数百人の男性に会ってきている割に、知らない業界への知識が極端に乏しく、視野が狭すぎて世間知らずだと感じました。
◆婚活して結婚できる女性とできない女性、何が違うのか
相談者さんの中でも、うまく事が進んでご結婚されるだろうなという方は、会った人の一人一人にちゃんと向き合って興味を持ちます。結果的にご縁がない相手に出会っても、好奇心が旺盛で興味を持って相手に接し続ける人は、視野が広がるのです。決して、先入観やイメージでジャッジするようなことはありません。
それまでの人生で全く関わりがなかったITエンジニアと婚活でたくさん会った結果、業界に詳しくなってコミュニケーションが捗(はかど)り、最終的にITエンジニアの男性と結婚した女性もいました。
それでも、恵さんのように“人気職業”の男性にこだわる人もいるのです。
◆アラフォーが人気職業の男性を狙ってはいけない理由
役所のように男女比に偏りがない業界で働く男性は、日常で出会って恋愛結婚する人も多く、あまり婚活市場に出てきません。いても、すぐに婚活市場から卒業していなくなることが多いです。それに、人気職で条件が悪くないのに一定の年齢を超えて独身という人には、何か問題をかかえているために独身というケースも少なくありません。
逆にマッチングサービスユーザーに多いのは、職場に女性が少ない自動車業界、ITエンジニア、通信業界、建設業界などで働く男性。職場に出会いがなければ、デート慣れしていないのも、独身なのも仕方がありません。デートのお店選びに適したお店は知らずデートでチェーン店を選ぶかもしれないけれど、結婚生活の満足度はデートのお店選びと関係がありません。
こういう幸せな生活と関係がないところにこだわって、“素敵な恋愛”がしたいまま婚活する恵さんのような方は、どんなに男性と出会っても結婚に至りにくいのです。
◆「女性って普通は○○じゃないですか?」
恵さんはある程度は自分の視野が狭かったことは認めてくれました。
「でも、女性はみんな土木の人、嫌ですよね。普通は商社とかの男性の方がいいんじゃないんですか?」
「“女性はみんな”で一般化しないでね。ご自分の話ですよね」
「そうですけど。女性って普通はお店選びで気を使ってほしいじゃないですか。結婚している友達もみんなそう言ってましたよ」
彼女の“普通は”の連発が引っかかります。
「その結婚しているお友達は何歳ぐらいで結婚されたんですか?」
「20代です」
「他の女性もそうだから自分の希望は当たり前だって言いたいのは分かるんですけど。女性って30歳時点で7割ぐらい既婚者ですからね。普通の女性は20代で結婚しているって言われたら嫌でしょう?」
「私、やっぱりイタイですね。相手にだけ普通を押し付けて、自分は普通以下なのに」
◆女友達の「そういう男って嫌だよね」は嘘かもしれない
実は私はよく、恵さんのような独身で婚活しているアラフォーが友人・同僚にいるという方からの報告や愚痴を聞きます。彼女たちのほとんどは、今後の付き合いもあるから表面では「そういう変な男性にあったら嫌だよね」と同調しているだけなのだそうです。
恵さんのお友達も“土木が嫌”などという極端な意見に同調するのは、今後の付き合いがあるから、その場だけ合わせているだけかもしれないのです。
後日恵さんは既婚の友達に改めて、結婚相手の仕事が建設関係だったらどうか、デートのお店がチェーン店でもいいのかと聞いてみたそうです。返ってきたのは「別にそれでもいいんじゃないの。困らないし」とあっさりした反応でした。
結婚と恋愛は違うことを頭では分かっていてるようですが、まだ気持ちが付いていかない恵さん。本気で結婚すると覚悟できる日が来るのを願うばかりです。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt