華やかな夜の世界に生きる水商売の女性たち。店に行けば常に笑顔で接してくれる彼女たちに、恋心を抱いたことのある男性も多いのではないだろうか。

　筆者は都内のキャバクラや地方のスナックで働いてきたが、実際に「水商売の女の子と付き合いたいのだが、どうすればいいのか？」というお悩みをいただくことも少なくはない。そんな男性陣に言いたいことは、“ガチ恋するのであればキャバクラ嬢よりもスナック嬢のほうがおすすめ”である。今回はその理由を説明しよう。

◆キャバクラ嬢を恋人にするのが難しい理由

　そもそもキャバ嬢と付き合うことが難しい理由は以下のとおりだ。

◆①キャバ嬢は稼ぐためにキャバクラで働いている

　キャバ嬢がキャバクラで働く大半の理由はお金である。「独立して自分の店を持ちたい」「ビジネスを始めたい」「整形費用を稼ぎたい」など理由は様々だが、何かしらの目標があってキャバクラで働いている。中でも出勤が固定されているレギュラーキャストは、1円でも多くの売上を出すために日々、営業に勤しんでいる。そのため、彼氏を作る時間などもったいないと考えていることが多いのだ。

◆②客を恋人にしようと考えていない

　キャバ嬢は1人でも多くの客を捕まえて、指名につなげたいと考えている。もし客と付き合ってしまったら店に来なくなる可能性が高くなるため、わざわざ客を恋人にしようとは考えないだろう。中には「彼女に店に呼ばれたから行ってくる」と足繁く店に通う男性もいるが、傍から見れば恋人のように振る舞って客を店に呼ぶ「色恋営業」を掛けられているようにしか思われていないのだ。

◆③イベント日は休めない

　キャバクラではクリスマスやバレンタインなど、季節ごとの店でイベントが行なわれる。イベントといっても同伴だったり売上だったり何かしらのノルマがあるものなので、キャバ嬢にとってはキツい行事となっている。レギュラーキャストは休むことさえ許されないため、イベント日に恋人と一緒に過ごすことは難しい。中には週に2〜3回出勤のアルバイトキャストもいるが、彼女たちはイベントを恋人と過ごしたいがためにレギュラーにならないことが多い。そもそも狙うのが無謀なのだ。

◆スナック嬢がおすすめの理由

　次に、ガチ恋するならば、キャバ嬢よりもスナック嬢のほうがおすすめの理由を説明していこう。

◆①キャバ嬢ほど営業熱心ではない

　スナック嬢はキャバ嬢に比べて、客に対してそこまでガツガツと営業をしない。その理由はスナックの給与システムにあり、そもそも指名や売上制ではなく基本的には時給のみしか給与としてもらえないからだ。また、ママ以外のキャストは昼職との掛け持ちがほとんどで、お小遣い稼ぎ程度で働いているケースがほとんどである。そのため、恋人を作る時間や余裕があるスナック嬢は案外多いのだ。

◆②出会い目的で働いているスナック嬢もいる

　スナック嬢の中にはすでに彼氏がいる子もいるが、店での出会いを期待してスナックで働いている女の子も少なくはない。「昼の仕事が女だらけの職場なので出会いが少ない」「恋人はほしいけれど、外出してまで探すのは面倒」など理由は様々だ。実際に筆者がこれまで働いたことのあるスナックでは、お客さんと付き合っている女の子を何人も見たことがある。日頃、出会いが少ない女性にとってスナックという職場は1つの出会いの場なのかもしれない。

◆③客と嬢が信頼関係を築きやすい

　キャバクラには様々な客が訪れる。中には職業や身元が不明な客、本名を偽っている客など、相手の正体が掴みづらかったりする。また、キャバ嬢自身も名前や年齢を偽っていることが多いため、客とキャバ嬢が信頼関係を築き上げるのが難しいのだ。

　一方、スナックでは地元密着型店の場合、訪れるのは常連客がほとんどで女の子も近場から出勤していることが多い。互いに素性がわかっているため、信頼関係が築きやすく、恋愛関係にも発展しやすい。

◆ママと仲良くなるのが近道!?

　見栄や虚偽が行き交うキャバクラに比べると、スナックは客もキャストも本音をさらけ出しやすい場所である。また、スナックではママが客を慎重に見極めているため、客の人となりが浮き彫りになりやすく、キャストとの距離も自然と近くなる。スナック嬢を恋人にしたい、またはスナックで出会いを見つけたいという人は、まずはママと仲良くなり、店全体と信頼関係を深めていくとよいだろう。

＜文／カワノアユミ＞

【カワノアユミ】

東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在は夜の街を取材する傍ら、キャバ嬢たちの恋愛模様を調査する。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』（イーストプレス）が発売中。ツイッターアカウントは ＠ayumikawano