マクドナルドの平成パロディCM、不評もなんのそのお次はSMAPパロディか
マクドナルドから販売されている3種類の“平成バーガー”。98年、06年、09年の当時販売されていた商品が再販されるキャンペーンだが、それに合わせて制作された平成時代をオマージュしたCMに、さまざまな意見が寄せられているようだ。
CMは「チョベリグ」篇などの4種類。池田が、平成時代のトレンドを再現したファッションで登場し、当時の流行を象徴するギャルやアイドル、女子高生など、レトロながらどこか新しさを感じさせるさまざまなキャラクターをイメージした衣装に身を包んでいる。元ネタは、安室奈美恵や浜崎あゆみなど、平成を彩った往年のスターだ。
SNS上には「池田エライザのあゆメイクはあゆにバリ似」「世界観がすごい」など好意的な意見が寄せられている。
「池田エライザは、2018年に公開された映画『SUNNY強い気持ち・強い愛』にて、平成時代の女子高生姿を披露しており、当時のメイクも違和感なくこなしていることから、納得のキャスティングでしょう」(広告代理店関係者)
ただし、広告代理店の策略が見え隠れするCM演出を嫌う声もあがっている。
昨今のマクドナルドのCMが嫌われる理由って、広告代理店が、ほらお前らの間ではこういうのが流行っていてこんなのが好きなんだろ?って分かってもないくせに分かったようなことを言ってくるような感じがしてイヤなんだと思う
— 佐久良ソラ@SakuraSora_Gt) May 26, 2023
「マクドナルドに限らず最近、“平成”をモチーフにしたCMが増えていることは間違いありません。これは、テレビ離れが進み、『みんなが知っている』コンテンツが減ってきたため、昔のコンテンツにすがっている状態とも言えます。その一方で、いまだ多くの人の目に触れるテレビCMでは、共感性が高い作品にするのが、広告代理店としては定石。主な購買層である30~40代に対して、彼らが青春時代を過ごした往時をパロディにすると“刺さる”可能性が高い。現在の流行は、自然な流れなんですが……ベタであざとい企画はすぐさま批判されるのも、昨今です」(前出・広告代理店関係者)
ここで思い出されるのが、今年3月に放映されたお馴染むマクドナルドが放ったCM「アジアのジューシー」篇だ。
出演は西野七瀬と飯豊まりえ。人気女優を起用し、ネット上でも話題となったが、「リスペクトが足りない」「(PUFFYのオマージュが)浅すぎる」といった声もあがっていた。
たしかに、細かくリサーチをして、どんなに精緻なパロデイを行っても、世代ドンピシャのファンからはネガティブな意見が出てしまうもの。こうした声があがることも想定の範囲内なのか、広告代理店やクライアントであるマクドナルド側に焦りはないようで……。
「こうした平成パロディCMのターゲットは“Z世代”でもあります。現在、20歳前後の彼らにとって、平成時代のファッションや音楽は“レトロで逆におしゃれ”とうつっている。広告代理店からすれば、過去の流行を“レトロ”として再構築して、提供することが重要。あくまで完コピをする必要はなく、雰囲気が似ていればいいという認識です」(CMディレクター)
今後も続きそうな平成パロディブーム。マクドナルドが狙う次の一手は?
「“平成ジャニーズ”のパロデイはぜひ見てみたいですね。SMAPにしても、その他TOKIOやV6などのグループの楽曲や衣装は、誰しもの記憶に残っているもの。今回の池田エライザのCMでは、安室奈美恵と浜崎あゆみという平成女性シンガーの大物の許諾を得ていることは間違いないですし、マクドナルド側が広告代理店に、次のキャンペーンとして、男性キャストの起用を迫ることもありそうです。現在、マクドナルドのCMにはそれこそ木村拓哉や岡田従一などが出演しており、縁も深い。広告業界としてはぜひ見てみたいですね」(前出・CMディレクター)
おじさん世代も唸らせる、完成度の高い平成パロディCMが制作されることを切に願う。