愛猫を亡くした女性「いつも一緒にいたい」と亡骸をフリーズドライに(米)

米オレゴン州マルトノマ郡ポートランド在住のソーレン・ハイさん(Soren High、35)が先月24日、亡き愛猫“ロキキャット(Lokicat、以下ロキ)”の動画をTikTokに投稿したところ、注目を集めた。

ロキは今年2月、ソーレンさんが一時的に預かっていた保護犬に襲われ、16歳で虹の橋を渡ってしまった。保護犬はウサギを見つけて追い回していた際、興奮したせいか進路を変えて外に座っていたロキに襲いかかったそうだ。

ソーレンさんはロキを子猫の時から育てており、16年間をともに過ごしてきた。そんなロキとの日々が突然終わりを迎えてしまったことで、ソーレンさんは心の整理をつけられないでいた。しかしソーレンさんは、ロキを飼い始めた頃から「もし別れの時がきたら、ロキの姿を形として残したい」と考えていたという。

そしてロキを襲った保護犬に新しい家族が見つかった後、ソーレンさんはオハイオ州にあるペットの亡骸を剥製やフリーズドライにする「Animal Family Pet Preservation」社に相談し、ロキをフリーズドライすることにした。なお同社のウェブサイトによると、超低温の真空状態で長時間かけて動物の体内組織から水分を取り除くという方法により、亡くなったペットの自然な姿を保つことができ、美しい見た目を何年も保存できるという。ソーレンさんはロキの亡骸を1か月間、自宅の冷凍庫で保管した後、クーラーボックスに入れて同社に送った。

それから約3か月後、フリーズドライされたロキが入った箱を受け取ったソーレンさんは、箱を開け、まるで生きているようなロキの姿を見て感極まり、ロキを抱きしめながら嗚咽をあげて泣いたそうだ。ソーレンさんは、投稿した動画でこのように明かしている。

「ロキを偲ぶ方法としてこれが唯一、ロキにふさわしい方法でした。ペットの亡骸を保存するという考え方は私個人のものであり、多くの人には理解されないかもしれません。でも私はロキを子猫の頃に迎えた時から、万が一亡くなったらこの方法を選ぶつもりでした。やっぱりいつも一緒にいたいと思っていましたから…。」

フリーズドライされたロキの完璧な姿にソーレンさんは驚いたというが、同時に気持ちが温かくなったそうだ。ソーレンさんのもとに戻ってきたロキは、少し禿げかかった眉の辺りや耳毛などが細部まで完璧な状態でフリーズドライされていた。またロキの心臓は別にフリーズドライされて小さなバッグの中に入れられており、他の臓器は摘出された後、火葬されて灰になっていた。

米ニュースサイト『Insider』によると、ソーレンさんはロキをフリーズドライする費用に3000ドル(約41万8000円)を費やしたそうで、この費用はフォロワーからの寄付で補われたという。最終的に4300ドル(約59万8000円)が集まり、残りの1300ドル(約18万円)は動物保護団体2か所に寄付したそうだ。

ソーレンさんによると、ロキのようにフリーズドライされたペットは80パーセント以上の湿度や日光、摂氏37度以上の高温を避けることで、その姿が変わらずに保たれるそうだ。TikTokでは「こんなのできない」「悪趣味だ」といった声もあがったが、ソーレンさんはこのように述べている。

「人の悲しみは信じられないほど複雑で、それぞれちょっとずつ違うものだと思うのです。これが悲しみなのか、容認なのか、私には分かりません。でも私の心の声が『これがロキにはふさわしい』と言っていたことだけは理解しています。」

人間より寿命の短いペットを先に見送るというのは、飼い主にとって最も辛いことだが、それでも多くの飼い主がずっと一緒にいたいと思うようだ。昨年6月にはスコットランドのある女性が、我が子のように可愛がっていた愛猫の突然の死を受け入れられず、剥製にしたことが話題になっていた。

画像は『Soren High 2022年8月9日付TikTok「Dont mind that evan and i are dressed almost exactly alike」』『New York Post 2023年6月1日付「I paid $3.2K to freeze-dry my dead cat so we can be ‘together forever’」(TikTok/teapourn)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

2023/6/6 5:00

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