昨年9月に映像監督のかとうみさとと結婚した声優・武内駿輔が5月12日、自身のSNSで披露宴の写真を公開。ネット上ではファンから祝福の声が上がったほか、人気声優が堂々と披露宴の写真を公開したことに驚く人も。業界関係者は、「武内の声優としての“強い覚悟”が伝わってきた」と話す。

　17歳の時にテレビアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』（TOKYO MX、2015年1～4月、7～10月）のプロデューサー役に抜てきされた武内は、2016年に「第10回声優アワード」で新人男優賞を受賞。19年に麻薬取締法違反で逮捕されたミュージシャン・ピエール瀧から、ディズニー映画『アナと雪の女王』シリーズのオラフ役を引き継いだことでも知られ、近年はものまね番組でも活躍している。

　昨年9月には、自身のインスタグラムで、Official髭男dismやAlexandrosなどのミュージックビデオを手掛けるかとうとのツーショット写真をアップしながら入籍を発表。そして今回、Twitterで「や　さ　し　い　世　界」（原文ママ、以下同）とつづりながら、披露宴での集合写真をアップ。大塚明夫、楠大典、津田健次郎、杉田智和、花江夏樹、細谷佳正、江口拓也、斉藤壮馬、畠中祐ら豪華声優陣が参加した。

　この投稿に、梶裕貴は「参列できず、ごめんね…心からの気持ちを送りました…！！あらためて、本当におめでとう！」と反応しており、業界内外から祝福の声が寄せられた。また、「結婚式の写真上げてくれる声優さん初めて見たわ」「結婚式に参加してる声優を見るの初めて」「時代は変わったんだな」などと驚く声も続出。声優がこうした写真を公開した前例はあまりないため、衝撃を受けた人は多いようだ。

「20年ほど前から、結婚を発表する声優が増えてきましたが、公表をするタイミングを逃していた声優も多くいます。16年7月に『フラッシュ』（光文社）で、愛娘のツーショットとともに、漫画家・中村光氏と結婚していたことをスクープされた神谷浩史をはじめ、17年7月に浪川大輔、20年3月に岡本信彦、同年7月には津田健次郎、21年9月には下野紘が、週刊誌報道によって既婚者であると発覚しました」（芸能ライター）

　しかし、近年は“推し”の結婚報告を素直に受け入れ、祝福するファンも増えてきたため、「最近では公表することがトレンドになっている」（声優業界関係者）ようだ。ただ、「人気声優であればあるほど、結婚を公表することにより離れていくファンは多い」という。

「神谷らが週刊誌に取り上げられるまで結婚を公表しなかった一番の理由は、“ファン離れ”を懸念したからでは。一方、武内は独身時代から左手の薬指に指輪をつけ、恋人の存在をアピールしており、18年4月にはTwitterで『そもそもなんでアイドルじゃないのに気にしなくちゃいけないんだろうね、っていう反骨心』『（指輪は）心に決めた女の子がいますよっていう魔除け』と発言したことも。いわゆる“アイドル売り”に抵抗を示し、役者路線で活動していくと意思表示していたんです。ファンをふるいにかけ、線引きをしっかりしてきた彼だからこそ、堂々と披露宴の写真を公開できたのでしょう。また、妻が声優畑の人間ではないこともその理由の一つとして考えられます」（同）

　なお、披露宴の写真を公開したことから、「今後、声優として活動していくことへの武内の覚悟がうかがえる」（同）とか。

「武内は、夫婦のツーショットだけでなく、参加者との集合写真も公開しました。若手はもちろん、大塚、楠ら、外画の吹き替えもやるようなベテラン勢も写っていましたし、『アイドル声優だけでなく、ベテラン声優とも一緒に仕事をしている、結婚を祝福されている』と対外的にアピールしたわけです。今後も自らのスタンスを変えず、仕事にまい進していくという強い意思がうかがえます」（同）

　一方で、今回の写真公開には、ある懸念点もあるようだ。

「基本的に、声優が披露宴を行う場合、案内状には『口外不可』などと記載されていて、仮に情報が流出した場合、業界内でヒンシュクを買います。今回の武内の披露宴について、現時点では、来賓者の中に当日の写真をSNS上で公開している者はいません。武内夫妻のみが写真を公開しているということは、来賓者にはSNS掲載をNGにしながらも、自身のSNSへの掲載は全員に許諾を得ていると考えられる。クリエイター夫婦として、『こういう見せ方をしたい』というこだわりがあったのでしょう。とはいえ、中には武内夫妻の世間へのアピールのために使われたと不満を感じる人もいたのでは」（同）

　ともあれ、多くの人に祝福されている武内。ファンや声優仲間からの温かい言葉を力に変え、今後も活躍してほしいところだ。