ミイラ化した母の遺体と暮らし、6年間で約2700万円の年金を不正受給した息子(伊)

イタリア、ヴェネト州ヴェローナにあるアパートの一室で5月25日、ミイラ化したヘルガ・マリア・ヘンバルトさん(Helga Maria Hengbarth)の遺体が発見された。

ヘルガさんがかかりつけ医の診察を最後に受けたのは2017年のことで、その後は保険証を使った記録がないばかりか、連絡が一切つかなくなったという。またコロナ禍も病気一つせず、年金だけを受給しており、不審に思った警察が5月25日、家宅捜査を行ったのだった。

ヘルガさんと同居していたはずの息子ベルナルド・ロッシ(Bernardo Rossi、61)は当時不在で、警察は消防隊と協力してアパートに立ち入り、ベッドの上に置かれた遺体袋に気付いた。そして袋のチャックを開けたところ、腐敗が進みミイラ化したヘルガさんの遺体を発見した。

一方で警察が家宅捜査を行ったことを知ったベルナルドはその日、自宅に戻らずホテルに身を潜めた。そして自殺未遂を図り、その後自ら警察に通報して病院に搬送されていた。

ベルナルドは軽傷で命に別状はなかったものの、警察は現在、ヘルガさんの死因だけでなくベルナルドが遺体と暮らすようになった背景などについて捜査を進めているという。

今回の事件を受け、近隣住民は「彼が母親と同居していたことさえ知らなかった」「母親を見かけたことはない」「こんなホラー映画のような話が、すぐ近くで起きるなんて信じられない」「異臭は全くしなかった」などと話しており、驚きを隠せない様子だった。

またベルナルドが母の死を誰にも知らせなかったことについて「精神疾患があったのではないか」という声もあがっているが、彼をよく知る友人の中には「お金が目的だったとは思えない」「亡くなった母親をずっとそばに置いておきたかったのでは」と語る者もいるという。

なおベルナルドが受け取った年金額は年に約450万円(3万ユーロ)で、6年間で約2700万円(18万ユーロ)にもなり、警察はなぜ彼が6年間も年金を不正に受給できたのかについても調査中という。

ちなみに今年2月にはポーランドで、13年前に亡くなった母親の墓を掘り起こし、ミイラ化した遺体と一緒に暮らしていた息子が逮捕された。遺体は完璧な状態で、防腐処理をするために化学薬品が使用されたと報じられていた。

画像は『L’Arena 2023年5月30日付「Morta in casa da sei anni: il figlio tenta il suicidio, poi chiama i soccorsi」』『The Daily Star 2023年5月29日付「Bloke lived with mum’s mummified corpse for six years to cash in on her pension」(Image: CEN)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

2023/6/1 5:00

こちらも注目

新着記事

人気画像ランキング

※記事の無断転載を禁じます