水を求めてゾウの群れが街を歩き回る 子供が踏みつぶされる死亡事故も(カメルーン)
カメルーン北部の野生動物保護当局は5月24日、迷い込んだゾウの群れが周辺の村を踏み荒らした後、少なくとも2人を殺害したことを発表した。このゾウはカメルーン最北の都市マルア(Maroua)で目撃されており、SNSに投稿された動画では、アスファルトの道路を歩く4頭のゾウを多くの人が騒ぎながら追いかけている。時折、金属を叩いているような大きな音や車のクラクションが聞こえ、ゾウを刺激しているかのように見えた。
森林・野生動物局の職員ジーン・ニャメグさん(Jean Nyemeg)によると、マルア近郊の村では数日前にゾウが子供を踏みつける死亡事故も発生したそうだ。この村に現れたゾウは4頭だったが、マルアには2回侵入したと報告されている。この群れが最初に目撃されたのはカメルーンとチャドの国境付近だったが、干ばつにより水を求めて南下してきたと見られている。
国際自然保護連合(IUCN)によると、カメルーンではおよそ6830頭のゾウが生息しているが、保護活動により個体数がここ数年で増加した。しかしプランテーションや村が増えてきたことにより生息地を奪われたゾウは時折、人間の居住地に迷い込み、作物や家を踏み荒らし、時には人に襲いかかることもあるという。
「アフリカ野生動物基金(African Wildlife Foundation)」の地域開発担当者であるアボウバカー・アダモさん(Aboubakar Adamou)は「ゾウは生息地に水がなくなると、水や食べ物などを求めて他の場所に移動する」と述べている。気候変動に伴う干ばつにより、水を求めて村や町に入ってくるゾウは増えており、マルア近隣にあるカルフー(Kalfou)地区でも先週、ビントー(Bintou)という名の人物がゾウに踏まれて亡くなったことが報じられた。森林野生動物省の声明によると、ゾウの群れが「ワザ国立公園(Waza National Park)」へ移動中、群れを見ようと集まった人々がルートを塞いだため、怒ったゾウが攻撃したとのことだ。
現在は動物保護のレンジャーが、マルアから120キロほど離れた国立公園へ歩きながらゾウを誘導しようと試みているそうで、地元の人々にはゾウを見かけても近づかないように呼びかけている。
Cameroun : quatre éléphants du parc national de Waza, Extrême-nord, en divagation à Maroua. Une femme tuée. Le ministre des Forêts e de la Faune demande aux populations de libérer les corridors de refoulement qui se fait avec l'appui des forces de défense.#Waza#elephants pic.twitter.com/p1K0gKpzru
— Moussang Adrienne (@MoussangAdrien1) May 24, 2023
画像は『Moussang Adrienne 2023年5月24日付Twitter「Cameroun : quatre éléphants du parc national de Waza」』『Herbert Boh 2023年5月24日付Twitter「Migration left these elephants stranded & wandering through」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)
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