「叱らないしつけ」で、犬と人が幸せに暮らせる社会をつくりたい

ほめほめホーム代表、2ヶ月齢子犬の甘咬み専門ドッグトレーナー、ほめほめドッグトレーナー由香様。

”ほめる”しつけで、犬と飼い主さんが幸せな関係を築くことを目指す同氏に、人と犬の共生についてお話を伺いました。

ほめほめホームを設立したきっかけについて教えてください

設立のきっかけは、動物の殺処分をなくしたいという思いからです。殺処分が起こる原因は、飼い主の知識不足やしつけ方法の誤りにあります。動物社会では当たり前の行動が、人間社会では理解されないことが多いため飼育放棄が後を立たないのです。たとえば犬にとって甘噛みは遊びなのですが、噛む力の加減がわからず飼い主がケガをしてしまうことがあり、それが重なって飼育放棄が起こってしまう事例があります。

今はネット社会なので、しつけの情報がたくさんありますが、一方で正しい情報を見極めるのが難しいです。また、しつけ教室へ連れて行ったとしても、昔ながらの教室だと押さえつけて甘噛みをやめさせるという方法をとるところがあります。そうすると、元々はじゃれて甘噛みしていたのに、反撃のために本気で咬んでくる“攻撃”に変わってしまいます。しつけのせいで逆に問題が悪化しているのです。どれだけ殺処分から犬を救い出しても根本が解決しなければきりがありません。そこで、犬を家族として迎える飼い主さんの教育をすることで、良い関係を築けるようになってもらい、飼育放棄をなくしたいと、ほめほめホームを設立しました。犬と人が幸せに暮らせる社会をつくるのが使命だと考えています。

子犬のうちにしつけをしておくことは大切なのですか

大切です。人間と同様に、犬に対しても幼いころから人間社会で暮らすために必要なことを教えなければなりません。たとえば、子犬のころから家族以外の人に慣れる機会がないと、知らない人に吠えたり咬んだりしてしまいます。また、自然界では歯磨きやブラッシングはしないので、突然歯ブラシを使われても齧って遊ぶか、抵抗のために噛みつくかどちらかになってしまいます。警戒心の少ない子犬の頃から慣れさせておかないと、やらせてくれないのは当然です。

また、そもそも犬には狩猟本能があります。そういった犬のニーズも飼い主さんが理解していないと、本来の犬の習性のまま、あるもので満たそうとして色々なものを齧ってしまったりするのです。犬を飼うことが思ったより難しいということに気付いた際に、しつけ教室に行く人は良いのですが、追い詰められて飼育放棄をするケースも多いのです。それでは人にとっても犬にとっても不幸です。

そのような問題を解決するほめほめホームの特徴を教えてください

ほめほめホームのコンテンツは大きく分けると二つあります。一つは犬を預かってトレーニングと社会性を育む保育園、二つ目は飼い主さんと犬が一緒に学ぶしつけ方教室です。どちらのコンテンツでも、飼い主さんが理解してできるようになるということが重要です。ほめほめ式トレーニングメソッドには「簡単、楽しい、効果が早い」という三つの特徴があります。一つ目は「簡単」ということで、誰でもメソッドの通りにやってもらえば効果が出ます。

犬の学習理論に基づいた科学的根拠がある方法なので、誰がやっても同じ結果を得られるのです。二つ目は「楽しい」です。犬の学習理論に基づいているので犬に無理強いをしません。犬が喜んでトレーニングしている姿は飼い主さんにとっても嬉しいものです。三つ目は「効果が早い」です。トレーニングの効果が出るのが早いだけでなく、犬と飼い主さんとの双方向のコミュニケーションで意思疎通がとれるようになるので絆が深まります。

犬と人間の理想的な関係値とはどのようなものだとお考えですか。また、今後の展望を教えてください

日本は動物愛護に関して後進国で、まだまだ犬と人の共生が出来ているとは言えません。トレーニングに対する意識も低く、そこにお金をかけようと考える人が少ないのが現状です。一方、欧州など動物愛護先進国では盲導犬だけではなく、家庭犬であっても公共交通機関に乗車できたり、犬が一緒に入れるレストランが多くあったり、ノーリードで歩けるなど社会的に犬が広く受け入れられています。

また、犬を迎えたらしつけ方教室に通うことが当たり前になっているので、飼い主は愛犬の行動管理ができます。なので、すれ違い様に人に吠えたり犬が周囲に迷惑をかけるということがありません。そのため、たとえ犬が好きでない人であっても犬と共生できるような社会になっています。日本も欧州のように動物愛護に関しての意識を高め、優しさあふれる人と動物の共生社会になってほしいと考えます。私ひとりの力では難しいのですが、発信をコツコツと続けていくことで影響力を身につけ、ほめほめ式ドックトレーニングを広めることで飼い主さんの意識を変えていきたいです。

最近は「オンラインしつけ方教室」に注力しています。遠方の方でもzoomでレッスンを受講していただくことができるようになりました。オンラインの受講生さんも全員成果があり、先日のレッスンでは「これまですれ違いで必ずギャン吠えしていたのが、十回中一回になり、吠えても呼べば我に返れるようになった。近所の方からお利口になったねと言われたのがとても嬉しい。」という報告もいただきました。是非、レッスンを受講して、愛犬との幸せな関係を築いてほしいです。

2023/3/31 19:00

この記事のみんなのコメント

3
  • トリトン

    4/1 8:19

    ダンディさんありがとう、少し犬と猫でやってはいけないこと犬の躾でが人の足に張り付き腰をふるこれは自分の下だと決めようとしている、猫は尻尾で遊ばない事猫は子猫を尻尾で遊ばせるからこれもまた下に見る。後犬の躾で後で怒るのは駄目その場で諭す、帰ったら部屋が荒らされるそして怒る飼い主が犬にストレスを貯めさせすぎで責任は飼い主先のコメントに飼い主の匂いがついている服とか置くとそこで寝て少しはよいかも。

  • ↓トリトンさん、わはは!記事に真っ向から反論してますね。ワタシもそう思います。シツケは必要ですね。記事の多くは甘やかすことになるかと…家族だと思うなら、子供だってシツケが必要なように犬にだって必要です。コトバが通じないからなおさらですね。そして、矛盾しますが…突き詰めた場合は、犬は動物です。やはり人間とは違います。どんなに可愛くても、そのことは認識しておく必要がありますね。

  • トリトン

    4/1 3:00

    少し上げるが甘噛は絶対ダメ本気で噛んでくるから。そして遊びや餌等を請求しても無視しないと、この人は自分の命令は聞く人間と思う、散歩の時間はランダム時間決めると当然の権利だと思う。そして仕事行くときは黙って行くこと、飼い主は〇〇ちゃん行てくるよと言うが長い目で見るとストレス貯まる、そして休みの日に必要以上可愛がらず日頃の可愛がりにする。最後に飼い主の性格温和飼い主温和な犬、性格悪い飼い主は悪い犬。

こちらも注目

新着記事

人気画像ランキング

※記事の無断転載を禁じます